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トリックオアトリート 2
すると修平は俺の仮装した姿をまじまじとみるとにっこり笑った。
「へー、千秋はドラキュラなんだ。その歯も雰囲気出てるね」
「うん。付け牙、ネットで買ったんだ……じゃ、ねーし! つか、もっと驚けよ」
「すごくびっくりしたよ。もっと遅いかと思ってたけど、早かったんだね。この格好で歩いて帰ってきたの?」
「車で来てた先輩が送ってくれた……って、だから! トリックオアトリートって言ってるだろ? 早く菓子出しやがれ! じゃないと悪戯するんだからなっ」
すると修平は一瞬考えるような素振りをしたかと思うと何かを思い付いたように目を細めて、無駄にエロい目つきと手つきで俺の頬や付け牙をなぞってきた。
「な、なんだよ!」
修平はクスッと笑うと俺を抱き寄せて耳元で艶っぽい声で囁やいてくる。
「うん。お菓子あげないから悪戯してよ」
な、な、なんだと!?
「え? なんでお菓子くれないんだよ」
「だってお菓子あげなかったら千秋が悪戯してくれるんだろ?」
「そ、そうだけど……」
「悪戯してほしいな」
かぼちゃマフィンが貰えるとしか思ってなかったから、完全に予想外な反応に俺がどぎまぎしていると、修平がシャツの上から乳首をなぞってきた。
「んっ……な、んで」
「だって千秋が悪戯してくれないから、僕が悪戯しようかと思って」
そんなことを言いながらシャツの上からなぞったり摘んだりしてくるので慌ててその手を掴む。
「ちょ、待っ……て……んっ、俺が悪戯する……んだろ……」
と言っても悪戯なんて考えてなかったから何をしたらいいのかわからなかったけど、今の俺はドラキュラなわけだから……修平の首筋にかぷっと噛み付いた。
やけくそだ。こうなったら今日は俺の悪戯で降参させてやるんだ!
付け牙で甘噛みしながら、舌を這わせ耳まで舐め上げて耳朶にもかぷっと噛み付く。
しかしいつまでも余裕顔の修平は。
「ねぇ、千秋。もっと悪戯してよ?」
そう言うそばから修平は俺のシャツをたくし上げるとさっきまでシャツ越しだったそこに指を這わせた。
「……ふ、ぁっ……」
すでに固くなった胸の突起は触られただけで敏感になり、そこを撫でたり摘んだりされるだけで甘く痺れるような感覚が背筋に走る。
「あっ、……んっ……ッ……」
声を出すまいとしてるのに漏れ出す声で、恥ずかしいのと悪戯しなきゃってのが入り混じって、でもやっぱ気持ちよくて視界が歪むのと同時に熱を帯びた修平の目がうつった。
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