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ヒメハジメ 3

…………え? あれ? 重いまぶたを開けると自分の部屋の天井が見えて半分開けられたカーテンからは陽の光が差し込んでいた。 あれ? 夢だったのか? あー、なんだ夢かぁ! 夢だと分かればあの急展開も納得できる。 あまりの展開にビビっていたこともあって、夢だとわかり少しだけホッとした。 しかしそんな安堵感もつかの間、なんだか下半身がスースーすることに気付き、視線を自分に体に落としていくと……。 「おはよう、ちあき」 「しゅ、修平っ!」 昨日、ちゃんと服を着て寝ていたはずなのに何故かトランクス一丁にされていて、その隣で頬杖をついた修平(きっちり服は着ていた)が俺のことを見ていた。 「な、何してんだよ!」 「千秋を見てた」 俺を見てたって……って起き上がろうとしたら下半身に異変を感じる。なんか冷たい。 そして恐る恐るその違和感のある部分に視線を落としていくと……。 トランクスには濃くなったシミが──! 「あ、あっ、こ、これは……」 焦っていると修平がニヤリと笑いながら俺に近づいて耳元で内緒話をするみたいに囁いた。 「どんな夢見てたの? 僕の名前呼びながら射精してたけど。夢の中で、何してたのかな?」 む、む、む、夢精したぁぁぁぁぁ!! しかもグレーのトランクスだからシミが目立つしー! 俺が慌ててベッドを降りようとすると修平に引き寄せられて組み敷かれる。 「僕、夢精するとこなんて初めて見た」 「は、離して。パンツ洗うから。張り付いて気持ち悪いし」 強引に腕を振りほどこうとするも、その腕を掴まれて修平は愉しそうに目を細める。 「ねぇ、千秋。姫はじめって知ってる?」 「ヒ、ヒメハジメ!?」 「そう、新年に初めてセックスすること」 デ、デジャビュ……!? まさかの正夢の展開かと焦って思わず声が裏返るのも気にする様子のない修平はゆっくりとトランクスの中に手を忍ばせた。 「すっごいドロドロ。いっぱい出たね。そんなにエロい夢だった?」 それはもう、エロい夢だったけども。 目を泳がせる俺を見て、修平はまたニヤリと笑うと勃ちあがったそこをゆるゆるとしごくように撫でた。 「ふぁ、あっ……まって」 「これはちょうどいいかもね。潤滑剤に……」 頭の中ではさっきの夢の中の修平が鮮明に思い出されてしまって、もしかしてこのまま、また跨られてしまうのではないかと思ったら余計に焦ってしまう。 だって俺は……。 「千秋、このまま姫はじめしちゃおっか」 悪戯っぽく微笑みながら扱かれるたびにそこは俺の白濁と溢れてくる先走りでぐちゃぐちゃと音を立てていた。 「まって、やっぱ……おれ」 「どうしたの? したくないの?」 そう言いながら修平が俺の白濁をぬぐって俺の後孔に指を這わせたその瞬間、思わず口に出てしまった言葉は。 「……えっ、挿れてくれるの!?」 修平の驚く顔をみて、あ……やっぱり夢は夢だと自覚したと共に、自分の口走った言葉が恥ずかし過ぎて……。 消えたくなった。

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