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第31話 かいちゃんからの手紙 1
峰さんから、かいちゃんから預かったという手紙を渡された。
「かいちゃんから……?」
手紙というしたためる物になんとなく不思議に思った。
「夏威坊ちゃんは御当家の中では明朗ではあるが健気なお子さんなんだよ。夏威坊ちゃんの御自身にも悲劇が起こった事なのに、自分のせいで理玖様をご本家から離脱させてしまったと御自分を悔やんでおられる。御兄弟仲が極々良かったからね。だからわかるんだ、私には。数十年前の先代の弟君と同じだよ……因果とは悔しいねぇ」
え、えっと……。
「カイ坊ちゃんって、もしかしてこの手紙のかいちゃん……ですか?峰さんが言ってること、よくわからないんですけど……かいちゃん、二人いるんですか?」
頭で整理できていなかったので聞き方があほった…。だって峰さんの話だと、かいちゃんって、坊ちゃんって……え?
「ハァー。お前の言っている俗名“かいちゃん”とは極まりないが、園城家のご次男、夏威様だよ!ご本人様から信書を頂くなんて恐れ多きこと、待たせてはなんだ、早くお読み!」
「は、はいっ!!!」
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