34 / 52

第34話 あまりにも重い

「応接間で理玖様がお前さんを待っておられるよ。そんな顔をしてはいけない、張りのある顔で謁見しておいで」 肩をポンポンと軽く叩いて峰さんは俺の部屋を出て行こうとした、その手前で立ち止まった。 「人間同士なら引っ付いた離れたで事は済むが、番の相手として考えるオメガは好いた相手(アルファ)に選ばれないとその恋は成就せんのだよ――どう足掻いても。なら、好いた相手の幸せを見届けるのがせめてものオメガのアルファへの愛なんじゃないかねぇ?年寄りオメガの戯言かもしれないが……」 「幸せを見届ける……オメガのアルファへの愛……」 かいちゃんは、番えないとわかってからも、それでも好きなお兄さんの事を懸命に思っているのはお兄さんが幸せになること……手紙にもそう願っている。 (園城家に戻って、家督を継ぐのは兄だと思っている) 勘当されたと言う理玖さんをかいちゃんは次期総当主として外から幸せと栄華を祈ってる……それを俺に託したって事なんだ。 けど、かいちゃん? その願いは俺には重すぎる……かいちゃんの気持ちが強く残ってるのに、部外者の俺なんか到底、託しきれないよ。

ともだちにシェアしよう!