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第47話 医務室にて 1

え~、まっさか……声が同じだからって『その人』はこんなところに居るワケはないんだし、行方不明だと言っても俺に知らせていないだけで所在はしっかりわかってるはずで……年齢は聞いてなかったけどまさか高校生ではあるはずない……え? そのまさか? だとしても、そもそもあの日本一を誇る金持ちの()の御曹司が、ブランドエリアから遠く離れた北国の孤島を思わせる場所の学校を選ぶなんて想像できないけど北国を罵倒するつもりはない俺は北国の生まれだ! 「何処にぶつけたのやら……後頭部に大きなたんこぶを作っている生徒が運ばれて来てね……強く打っているので安静にした方が良いですね」 渋い医務室の先生が俺にそう言って天蓋のあるベッドに移動させられたとき、ドアから覗いていたかいちゃん似の声の人が全身姿を現した。 金髪だ……長そうな髪を後方で一つに纏めていて、なんとも触りたい気にさせるもっちり肌の艶肌で繊細な作りのフェイス……身体はしなやかそうなスレンダーで腕や足長っ!めちゃくちゃ美形というか美女というか、中性的な人。 なんで語彙もない俺がスラスラ言えるのかと言うと、似ているのだ。 美人メイドのかいちゃんに!!黒髪を金髪、メイド服を白衣!! 白衣版、かいちゃんだ! めっちゃ美丈夫さん! 「……。」 白衣のかいちゃん似の人は俺を見ると、そのあと何も言わずにパタンとドアを閉めてしまった。 あれ?

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