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第48話 医務室にて 2

ドアの部屋の方に戻ってしまった。 「どうしたのでしょうね、鷹見君は?…ああ、彼は鷹見カイ君と言って最近私の助手になった方なのですよ。主にオメガの担当に着くことになっているのですがね」 「……か」 え…嘘!!マジで本物のかいちゃん!? 起き上がろうとして再び激痛が走ったので、ぱふんと心地良い白い枕に顔面からダイブした。 鷹見カイ…そうだ、今は鷹見って名乗ってるって先輩メイドさんから聞いていた……。 どうしてこんな場所に、白衣なんか着てかいちゃんが居るんだろ? まさか医務室の先生なんて聞いてなかったよ? 理玖さんとのことはどうしたんだろう? めちゃくちゃ気になっていたのに……。 本当はまた会えたらいいなって思っていた……もっといろいろ話がしたかったんだよ……嘘みたいだ、あの、かいちゃんが目の前に居るなんて! カチャっと再びドアが開いて、痛い頭を我慢してかいちゃんの方向に首を向けた。 声は出せないけど、口芸をして伝えようと頑張った。 うわ……かいちゃん、眼鏡なんて掛けてた? 掛けに戻った? 「えっと、転校生だそうですし、良く確認した方が良いですからファイルを探しておきました」 「ああ、気が利きますね、ありがとう。転校生なら早々に第二性を確認した方が賢明ですね」 俺の第二性……いや、そんなことよりえっと…かいちゃん? お、俺の顔を忘れたわけじゃないよね?なんのアクションも無くて、それどころか他人の振りなんかして……他人だけどさ……女装ブラックメイドの仲じゃなかったの?!メイド長の恐竜レックスの攻撃に二人で回避した仲じゃないの? なんだよ……園城家の御曹司だってバラしたら、もう庶民ピープルの俺はお呼びじゃないんですか!?そんな冷たいかいちゃんだったの!? 俺は何があったってかいちゃんの味方になるって決めたんだよ! かいちゃん……。 「……んっ」 言葉を出せないのがもどかしくて、白い枕にすりすりと顔を擦りつけた。 「プッ……アハ…ハハハ、ごめ……ハハ…ッ」 医務室に軽快な笑い声が響いた。 「ごめんね、その泣き笑いのような百面相が可笑しくて……悪かったよ、瀬那君」 俺の良く知る綺麗な顔で微笑んだ白衣のかいちゃん。眼鏡の奥のその瞳は少し潤んでいた。

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