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第13話
綴人side
兄さんが弟を連れて帰ってきた。あと、知らない子供が二人。弟は兄さんのせいで気を失ったらしい。御上から、報告が来た。
「貴方は、津雲のなんですか。見たところ、貴方は表の人じゃなさそうですけど」
「まさか、金で買ったんですか。彼がオメガだと知って、人種売買でもしたんですか」
「……兄さん。この二人は」
「知らない。だが、この二人が昨日の夜、結人と居たのは間違いない。だから連れてきた」
兄さんがすごく硬く話してる。いつもふわふわした話し方しかしないのに。つまり、かなり怒っているのだろう。
「はぁ…。兄さん、結人の手当てを。俺が二人から話を聞く」
「嗚呼」
「まず、上がりな。ここじゃ、ゆっくり話も出来ない。あと、結人は本当に血の繋がった兄弟。母は違うが、父が同じだ」
そう言うと、二人は渋々ながら家の中に入ってきた。礼儀はきちんとしているみたいだ。
「先に話を聞く。質問は?」
「本当に、兄弟なんですか」
「ええ。最近、あの子の母が死んだ。だから親父が引き取った」
「……そうですか。あと一つだけ、彼の過去を知っても、津雲を……。結人を大切にしてくれますか」
そうして語られた真実はあまりに残酷で、目を背けたくなるよな過去だった……。
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