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第41話
水菓子......僕は、今高級料亭のデザートと対面している
てっきりくずきりとかその辺を想像していたんです、はい
まんまと騙されてしまいました
「フルーツの盛り合わせだったんですね」
「なに?和菓子かと思ってた?」
「はい......てっきり」
そうか、と言いながら笑っていらっしゃる名波先生......やっぱり苦手です
発想が庶民的ということですかね、すみません
「なお、食べてみなよ美味しいよ?」
「うん......」
パクッと口に入れて衝撃
「!」
「どう?なおちゃん」
「おいひいれふんっ」
「なお、顔赤いぞっ」
スパンッ
......え?
「名波、お前許さないよ」
「おー、22:49ぎりだな。望月」
「おっ、お客様お待ち下さいませっ」
個室の入り口に立つのは、少し息を切らした望月先生と慌ててあとを追ってきたお店の方
「............」
来てくれた
それだけで
涙が溢れた
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