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第53話
おめかしとは、なんぞや?
「なーお、なーに悩んでんの?」
「へ?」
今日は、文と2人で近くのショッピングモールに来ていた
「さっきから、難しい顔して歩いてる」
......文ならわかるかな?
「ちょっと、ね。あの、聞いてくれる?」
「いいよ。丁度、お昼だし。ファミレス入ろう」
「うん。ありがとう」
特大ハンバーグをしばらく無言で食べた
「それで?今度は、どうしたのさ」
「うん。伊織と休みの日に樫渚にドライブに行くんだけど......」
樫渚......へぇ、と相づちをうちながら聞いてくれる
「伊織がおめかししてねって。海にドライブなのにどうおめかしするのか......」
レストランにでも行くのか聞いたけど伊織は、違うよって笑ってたし
「ねえ、なお。樫渚って海の他に何が思いつく?」
「......フルーツ美味しいよね」
文が呆れた表情を浮かべる
「樫渚といえば!高級住宅地だよ!」
「へ~......ん?どういうこと?」
「察しが悪いなぁ~、彼氏の実家だよっ!」 「え?実家......伊織のおうち......」
伊織の家には、伊織の家族が居るんだよね?
伊織の家族......伊織の......
「なお~!お~い!」
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