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第65話
秋さんに電話がかかってきた
“秋兄さん。犯人は、多分原田っていう皮膚科医だ”
“あぁ、知ってるよ。お宅のドアの前にいるよ”
“なおは、無事?”
“無事だよ。彼女は、玄関で放置プレイ中だ。そろそろかな?痺れを切らしそうだよ”
“え?放置プレイ?”
“まぁ、本来とは使い方違うかもだけどね。じゃ、ばい!”
彼女がインターホンを押して5分ほどたってから玄関の方で声がした
「なおさーん、いますか?いますよねー?」
「おっ、きたきた~」
秋さん、なんか楽しそう?
「でてきてもらえる!?独りでいるんでショー?入れなさいよー」
「もう少し、欲しいな~」
もっ、もう少しでございますか?
さようですか......
「こっちは、ちゃんと調べてんのよー。イー加減出てきなさいよ。あ、怖いのかなー?あの、封筒のこと?手ぇー切っちゃった?」
あはははは!と狂ったような笑い声がする
「なおちゃん、ドアを開けよう」
玄関まで2人で行って秋さんがドアから死角になっている位置に隠れる
合図してからドアを開けた
「どーも、明海です。え?男なの?はっ!そんなに怖がらないでー?あんたが彼と別れてくれれば、すむ話なのよー?」
綺麗な髪の短い女の人
ただ、笑顔なのに目が据わっていて怖い
「あの、おっしゃってる意味がわかりません」
「頭も悪いの?これだから......身のほどをわきまえてないようなやつはっ!」
ドアを閉めようとすると足が入ってき
ポケットから光るものが出てきてスッと手が伸びてくる
ナイフだ......!
「可愛いお顔ー。怖がらないでー?私ね、整形得意なの」
そのまま反射的に1歩後ろにさがる
秋さん!
「先生は、皮膚科医では?」
「え!?なんで......望月、先生が!」
秋さん?伊織みたいだ
「あぁ、今日1日勤務の私がどうしてここにいるかって?」
「そうよ!だって!今日は、日勤になって!」
明らかに原田先生が動揺している
「ナイフをしまって下さい」
「いっ、いやよ!コイツを懲らしめないと!貴方の為なの!む、息子も待ってる」
ナイフを両手でもってよろけながらこちらへ向かってくる
「ひっかかった~」
聞こえるか聞こえないかの大きさで秋さんがそう呟いた
「なんですって!」
注意がそれた隙に秋さんが足を振り払った
バタンと音を立てて原田さんの身体が崩れたところを拘束した
凄い......
「なっ!」
「なおちゃん、もう少しで僕の部下がくるから玄関開けてあげてて?」
「は、い」
少し声が震えた
「よく頑張ったね。偉いよ」
キンチョー......
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