『霹靂さん、チャンネル登録数３０万人突破おめでとうございます！　ついに！　ですね！　すごくすごく嬉しいです！　本当に本当におめでとうございます！』 　マジか、と思って自分のページに飛んだら、本当に３０万人を超えていた。達成感とか優越感とか微塵も感じないけど。そう言う事実だけがそこにあるっていうだけだけど。 『霹靂さんの音楽をたくさんの人に聞いてもらえるようになって、私は本当に鼻が高いです。私は初期の頃にあなたを見つけてから、この人は絶対に伸びる！　と確信しておりました。こう言うと、「霹靂は私が育てた」と言っている感じがして少し頭が高いですかね？　正直なところ、ちょっとはそんな風に思ってたりします（笑）。』 　いやあなたが育ててくれたと言っても全く間違いじゃないよ。 『霹靂さんの音楽には、一度耳にしたら虜になってしまうような不思議な感じがあって、たとえそれが悲しい感じの曲でも寂しい感じの曲でも、幸せな感じの曲でも楽しい感じの曲でも一緒です。聞けば「あ、霹靂さんの音だ」って思わせてくれるなにかがあるのです！　これは霹靂さんにしか生み出せない魅力ですよね』 　そんなことないと思うけどね。俺は羽虫以下の存在だから。 『１０万人達成の時も、２０万人達成の時も、時間が取れなくて気付いたら通り過ぎていたので、今回の節目にこうしてお祝いの言葉を言うことができてよかったです。霹靂さん、これからも素晴らしい音楽を生み出していってくださいね！　ずっとずっと応援しています。』 　嬉しいとは思えなかった。この人は、俺を神格化し過ぎている。 　どこの誰かかは分からんけど。