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どきどきしすぎて
どきどきしすぎて胸から上が弾け飛びそうだった。だけど下半身は無抵抗なほどに力が入らず、これからやってくる雄の気配に穴という穴から切ないくらいに体液が溢れている。じれったい気持ちがむず痒く、快楽を期待する甘い蠕動が苦しくて、彼の雄が恋しい。
「入れていい……あざみ……?」
吐息交じりに耳元で囁かれ、俺の体はせかすように小刻みに飛び跳ねた。
「っ、意地、悪……っ!」
「あざみの声で、聞きたいな……?」
彼の雄が焦らすようにぬるぬる滑っては中に入りかける。
期待と興奮が飽和して、目から涙が出てきた。手でそれを隠そうとするのに、両手は彼に指の一本一本まで絡められて身動きができない。
深く激しくなる呼吸によって、胸だけが上下に揺れ動く。
耐えきれずに口を開いた。
「欲しいよ……っ! 頂戴、萼の、中、いっぱい、いっぱいぐちゃぐちゃにして……!」
「ちょっと……イきそうになった、っ!」
「ああっ……!」
体を割いて、彼の剛直が中に入ってくる。
「あ、あっ……あぁ……っ、」
じわじわと奥に入っていく、優しい動きなのに質量がそれを許さない。俺の体も搾り取るように彼の雄を締め付けては、ビク、と跳ねて緩まり、止めどなくそれを繰り返す。
「う、やぁあ……っ、ああ! ア、っ」
彼の雄が奥に向かうことに抵抗するように引き腰になるのに、彼はそれを許さない。ぐっと腰を押し付けられ、手を握られてまるで身動きが取れない。自由なのは声だけで、言葉にならない声がだらしなく口からこぼれる。
浮き上がる喉元に控えめに噛み付かれた。
「もう、ちょっと、だよ」
「ふああっ、も、あっ、ッ、あ……っ!」
とす、と最奥に彼の自身が触れた瞬間、ギリギリまで張り詰めた快楽が、風船が割れるように弾けて身体中に広がった。落ちていく。
「や、っ、ア、ああ、っ、い、っ、や、やああっ……!」
「奥まで届いた、っ、あー、ちゃん……!」
中を圧迫する質量を感じただけで、体が蠕動を繰り返しては快楽が弾ける。重く、深い痙攣がずっとずっと続いていた。彼がキスを迫ってくる。体が信じられないくらい熱を持っている。
「んっ、んんっ、ん……ッ!」
快楽の唯一のはけ口だった嬌声すら塞がれて、体はより一層鋭敏になっていった。解放された口で息をしたら、口の周りを舐める萼が、切羽詰った顔で笑って俺につぶやく。
「あーちゃんの匂いが、する……すごい……っ」
萼が動き始めた。じわじわと擦られる動きは、やがて激しい律動に変わった。
「んっ、ああっ、だ、めえっ! うあぁぁっ! あ、っ!」
「奥がいいの……ッ?」
ずしん、と一度強く奥を穿たれ、中が張り付いたように彼を締め付ける。突然の強い悦楽になんの抵抗もできずに自身から白濁した液が溢れた。
「ッ、……! や、っ、やぁあ……!」
「イっちゃったね、っ」
「は、あ、っ、ああ、んッ!」
俺の自身は欲を吐き出してもなお熱を持っていた。
絶頂の余韻で酩酊している俺の思考を現実に引き戻すように、彼は締め付けられている自身を解くように動かした。
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