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第5話

「おーい!!おーい!!あさちゃん!愛桜海(あさか)!またぼーっとしてどした?」 なんの因果か俺の名は前世と似たような名になった。 桜のように誰からも愛されて海のように広い心で周りも包み込んで欲しいって意味があるらしい…名前の通り誰からも愛情をたっぷり受けている。前世のように濁った気持ちは今のところない。濁る切っ掛けがこれまで何もないのだから。 「おーい!あーさちゃん!」 「うるさい…そんな何度も呼ばなくても聞こえてる。すこし静かにしてよ。お前の名前静音(しずね)でしょ?名前はこんなにおとなしいのに…」 「名前負けですいませんねぇ!」 さっきからしつこく俺を呼ぶのは幼馴染みである小田切 静音。 底抜けに明るくて誰にでも分け隔てなく接するようなやつ。 俺の…初恋の相手だったりするのだけど…でもこの恋は呆気なく終わった。 静音は無類の女好きだから。 まぁ本人曰く勝手に女が寄ってくるから断るのも悪いしってことだけど。 まぁ…女が放っておくわけないよな。とても綺麗な顔をしててスタイルも良いし… あ。でも琉輝さんには負ける 静音はかなり幼い頃に童貞は失っている。昔から大人っぽい見た目のせいなのか女が絶えることは静音が女を知ってからは一度もない。今日も女のところから戻ってきたところだ。相手は全て年上の女だが静音の本当の年齢を知っているのか定かではない。 「何のよう?」 「あ!ほら!これ!お土産」 「何?」 「あさちゃんが食べたがってたタルトだよ。買ってくれたんだけど俺こんなに食べられないから」 何故か毎回デートの後スイーツを持ってくる。俺が食べたいと呟いたものばかりだ 「甘いもの好きだと思われてるの?」 「ん?ううん。俺の大切な幼馴染みが食べたがってたなぁって言ったら買ってくれるの」 「なんで?」 「わかんない。食べよぉ!定くん呼んでくる?」 「そうだね。電話してみるよ」 定くんはもう一人の幼馴染み。俺の家を挟んで右側が静音の家。左が定くんの家だ

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