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第6話
定くんは俺たちの二つ年上。
俺よりは背は高いけど静よりは少しだけ低い。いつも柔らかく笑ってる。
誰からも慕われるような器のでかい人。俺たちの大好きなお兄ちゃんだ。
定くんも彼女が途切れたことはないけど静音と違って誠実な人。
見た目も綺麗だから定くんも昔からよくモテた。でも何故か長くは続かない。多分優しすぎるんだと思う。
手を繋ぐのも付き合いだして1ヶ月くらいたってからだしハグやキスはそれから更に1ヶ月。そこから体の関係をもつまで付き合った人は確かこれまで一人しかいない。その人は定くんみたいに温厚な年上の人だったけど大学にいったらちゃらついたお兄さんと出会ってその人に口説きおとされて定くんをフったのだ。
「もしもし。定くん」
『あさちゃん。どうしたの?』
「今家?」
『うん。さっき帰ってきたとこだよ』
「静音がお土産持ってきてくれてるんだけどこれから家に来ない?」
『いいの?嬉しい!あ!でも今友達もいるんだけど』
「じゃあその人に聞いてみて」
暫くして電話口に戻ってきた定くん
『友達もいっていい?』
「静音。定くんの友達もきても平気?」
「いいよ。沢山あるし」
「定くん。お友達大丈夫なら一緒にきて」
『うん。直ぐ行くね』
「玄関開けとくから勝手に入ってきて」
『わかった』
直ぐに定くんはやって来た。
「お邪魔しまぁす」
「定くん。いらっしゃい」
「うん。あさちゃんは初めましてだよね?」
「うん」
「友達って…お前かよ」
「そんな邪険にしないでよ。静くん」
「うるさい。あんたに気安く呼ばれたくないんだけど」
「冷たいなぁ。あんなに愛し合ったじゃない」
「は?変な言い方しないでくれる?」
「…あの…ねぇ…」
「あ。ごめんね。俺は龍吾。よろしくね。定くんの同級生で静くんとは良い仲です」
「龍!変なこと言うなぁ!!」
「実際そうでしょ」
「ふざけるな」
「二人ともうるさいです。大人しくして。あさちゃんびっくりしてるでしょ?二人はねダンススクールで一緒なんだよ。この間のコンテストで二人で組んで出場してグランプリだったんだよねぇ」
「この間のやつ?」
「そうそう。あさちゃんあの日応援来れなかったから龍みてないよね」
「うん。」
静音も定くんもダンススクールに通ってる。俺も一緒にと誘われたけどダンスは苦手なのでお断りした。
授業でする程度は二人に教えてもらって出来るので特に困ってないし…。
コンテストの時はいつも見に行くんどけどつい最近のは家族旅行に行っていたのでいけなかったのだ。
「あれ?前からダンススクール通ってるの?龍吾さん?」
「最近スクール変えたの。二人と一緒になったのは二ヶ月前だよ。その前は違うところに通ってた」
「そうなんだぁ…」
ダンスをしてるときの静音はいつも以上にキラキラしててかっこいい。まだ見せてもらってないから見たい
「…見たいなぁ」
「は?」
「二人のダンス。見たいなぁって…まだ見れてないから…ダメかな?」
「ちょ…ねぇ…定くん…聞いてた以上に可愛いんだけど」
「そうでしょ?龍。あさちゃんはねぇ天使なの」
「…やっぱりダメ?」
「…静くん。こんなに可愛くお願いしてるよ。やる?」
「音源は持ってるけど…」
「みたいな…」
「っ…あさちゃんが言うなら…下のレッスン場借りて良い?」
「うん!」
俺の親の趣味は楽器演奏だ。若い頃からいまもやってて音楽スタジオと何故かレッスン場が作ってある。
あんまり使われてないけど掃除とかはまめにしてるから直ぐにでも使える
「タルトはあとでな」
「うん!!」
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