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第10話

静音side 俺はあさちゃんのことがずっと好きだった。 あさちゃんもそうだったはずだった… 俺が女に手を出し続けた理由はあさちゃんから思いを告げてもらうためだった。 自分から行くのは怖くて…女をいつも隣に置いとけば焦ったあさちゃんが告白してくれるってそう信じてた。それが間違っていることに気づいた時にはもう遅かった いつしかあさちゃんはそんな俺に呆れてしまったのか俺をみる目が恋する目じゃなくて友人に向けるそれと同じになった。 自分で蒔いた種なのに俺は… 龍に会わせたくなかった理由は男の俺からみても男気溢れてかっこいいって思ってたから。 あさちゃんは多分ゲイだと思う。それは随分前に気づいてた。だからその隣にいるのは俺しかいないって信じてた… でも…あさちゃんと龍が並んだとき嫌でもお似合いだと…そう思ってしまった。昔から隣にいたみたいに全く違和感もなくてとっても自然で… 龍は優しい眼差しであさちゃんをみてた。 そしてあさちゃんの龍を見つめる姿は本人に自覚があるのかわからないけど恋する目だった。 龍に会わせたくなかった理由は他にもある。貞くんと一緒にあさちゃんの写真を見てたときたまたまそれを見た龍があさちゃんを見つめ何か思いを巡らせてたから。 あさちゃん本人に会ってしまったらきっと瞬く間に惹かれ合って…そして… だからこの間のコンテストはあさちゃんが来れなくてほっとしてた…踊る龍をみたら俺なんか絶対目にはいるわけないから。 龍は誰より輝いてた。みんなの注目を集めてた。二人で一緒にやってるのに違う次元にいる人みたいにすっごくカッコ良かったんだ。 だから今日ダンスをみたいとあさちゃんに言われた時点で俺は相当焦ってて… 二人が帰った後ふつふつと沸いてきた勝手な独占欲のためにあさちゃんを無理矢理抱いた。 泣いて止めてと言ってるあさちゃんの姿にさえ欲情した。本当に…俺は…最低だ… あの時止めてもらえなかったら俺はきっと… 「ごめん…あさちゃん…」 「静。入るよ」 一人で布団に潜って泣いてたら定くんがきてくれた 「静…お前何考えてるんだ…あさちゃんを泣かすなんて」 「俺は…」 「…なぁ。静」 「…」 「無理矢理に捩じ伏せて満足か?」 「そんなわけないじゃん…」 「…お前さ…一気に爆発しすぎだ…」 「だって…」 「確かに龍は良いやつだしあさちゃんが惚れても仕方ないと思う。でもな、やり方間違えてどうすんだ。次会ったらどんな顔すんの?」 「俺…」 「あさちゃん明日は休むってさっきママさんが言ってた。まだ目覚めないみたいだよ…」 「…」

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