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第11話
静音side
「まぁ…あさちゃんのことだから…次会うときはお前を許すんだろうね…でも…あいつはそうもいかない」
「静音!!!」
「噂をすれば…」
扉が勢いよく開かれる。あさちゃんとは全く似てない体育会系の兄。愛偉兎(あいと)だった。
あいくんは俺に掴みかかると思い切り頬を殴った
「許さねぇ…あさを泣かすなんて許さねぇ」
何度も何度も馬乗りになって殴られる。当然のことだろう。
「あい!止めな」
何度も定くんが止めてくれるけど血が登ったあいくんは止まらない。
「あい!!あい!!もう止めろって!!」
華奢な定くんのどこにそんな力があったのか。暫くすると大柄なあいくんを後ろに引き倒していた
「あい!!落ち着け!!このままじゃ静が死んじゃう」
「…さ…だ…」
「…静のやったことは許されない。だけどこんなことしてあさちゃん喜ぶと思う?」
「…思わない…」
「静の顔…こんなにして…もういいんじゃない?あさちゃんはどうすると思う?」
「…あさは…許すと思う」
「だよね。静。お前のしたこと俺たちは許さない。肝に命じておいて。冷やすもの持ってくるから待ってて」
さだくんはあいくんを部屋に残してキッチンへ向かったようだ
「あいくん…ごめんなさい」
「俺に謝ってもしょうがねぇだろ。これまでお前がやって来たことの報いだ。これだけじゃ足りねぇけどな。静。あさが誰を選んでもお前に口出す権利はねぇぞ。前から言ってただろ。」
何度も何度もあいくんに言われてた…そんなことしてもあさが傷付くだけ。お前の思い通りにはならないって
「でも…俺は…」
「自分の気持ちに気づいた時点で変なことせずまっすぐ伝えれば良かったんだ。その方が…あさを泣かすこともなかった」
「…わかってるよ…でも…」
「もう聞きたくねぇ。悪かったと思うならあさに誠心誠意尽くせ。俺は帰る。あさはまだ眠ってる。今日はくんな。」
「…わかった…」
あいくんが部屋を出ていったと同時に定くんが戻ってきてくれて冷やしてくれた
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