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第24話
静音side
そして…あさちゃんが申し訳なさそうにうつむき再度俺をみた。あぁ…これは…
「俺…龍くんと…付き合うことになったから」
いつかくるってわかってはいたけど…思った以上に早い展開…
止めどなく涙が溢れる。
でも…大好きだから喜びたい…
龍なら大丈夫…だから…
何度も頷いてそれを受け入れるしかなかった
「でも…勝手なことを言うようだけど…これまで通り仲良くして欲しいんだ…これからも俺の隣にいて欲しい…」
「いいの?あんなことしたのに…いいの?」
まさかそう言ってくれるとは思ってなかった…勝手でもいい…ううん…勝手だなんて思わない……龍の隣で笑うあさちゃんを思うと苦しくて苦しくて叫びたくなる…けど側にいることを許してくれるのなら…俺は全力であさちゃんを守るよ…
「うん…だって俺たち親友でしょ?」
「あさちゃん…」
酷いことをした俺にそんな言葉をかけてくれる…あさちゃんへの思いをやめるなんて当分出来そうもないけどそう言ってくれるのならそうなるよう俺も頑張るよ
「でもさもう色んな子と遊ぶのやめなよ。」
…あさちゃんが心配したように俺を見つめながら言う…もうしないよ…二度と…後悔したくないから…暫くはあさちゃん以上の人なんて見つかるはずもないけど…
「うん…」
「次の俺を出さないでね…」
あさちゃんがそう願うのなら俺は従うだけ…
ねぇ…わがまま言ってもいいかな?
「うん…あさちゃん…俺…頑張る…あのさ…最後に抱き締めていい?…もう…しないから」
「わかった」
頷いてくれたあさちゃんをそっと抱き締めた。これが最後…あさちゃんに触れられる最後の時だ…
「あさちゃん…大好きだよ…大好きだから…龍と幸せになってね…」
「ん…ありがと。」
暫く抱き締めあってゆっくりと離れる。
大好きだよ…本当に大好きだった…誰よりも側にいたかった。でも俺はやり方を大きく間違えてしまった…俺があさちゃんの一番近くにいたかったけど…もう…その場所は龍のものだから…全て俺のせい…。
あさちゃんがまだ俺を好きでいた頃…
あの時もっと違う行動をしていたらその隣には今俺がいられたかな?
どんなに思っても…もう…遅いけど…
「明日学校行くとき呼びに来てもいい?」
努めて明るく言う。
「うん。待ってるね」
あさちゃんは俺の大好きな笑顔で大きく頷いてくれた…うん…これでいい…これでいいんだ…
あさちゃんを見送ってもう一度ベッドに突っ伏した…もう最後にするから今だけあなたを想って泣いてもいいですか?
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