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第26話
定広side
「はよ。あい」
「はよ…定…静には暫くはきついかもしんねぇな」
「そうだね…でも…静のことだ。大丈夫だろう。静はあさちゃんが笑ってる顔が一番好きなんだから。龍吾ならそれができるだろ」
「そうだな…だって…二人は…」
「前世も繋がっていたのだから」
実は俺たちには前世の記憶がある。それを知ったときは二人して驚いたっけ
「まさかまた同じ時を生きることになるなんてな…」
俺は前世は由斗という名前で亜咲斗とは同級生だった。そして愛偉兎も律という同級生だった。いつからだったか何がきっかけだったかは忘れたけどあさちゃんが亜咲斗ってことに気付いた。
あさちゃんが前世の記憶があるわけではないけど。
亜咲斗の前世は散々だったから必ず幸せになって欲しかった。
だから静と両思いだと知ったときは何度も静を諭したのだが静は変に臆病でその想いが交わることはなかったでも…
「…よかった…亜咲斗が…幸せでいてくれて…」
「龍吾に出会う前は静が幸せにしてくれる相手だって思ってたのにね…」
龍吾と出会ったときすぐにピンときた。佐藤さんだって。だってあの頃亜咲斗の墓の前で何度も何度も話したから。その時の雰囲気はそのままだったから。大きく違うのは体格。それと顔。
佐藤さんと話していたとき彼はお世辞にも綺麗な顔とは言えなかった。火傷の痕が酷かったから。
「龍吾もあさも前世も繋がってたって知ったらどうするんだろうな」
「さぁな」
あいと顔を見合わせて笑い俺たちも学校にいく準備をした。途中で龍吾とは会うから途中からは三人で向かう
「おはよ。龍」
「おはよう。二人とも。今日あさちゃん大丈夫だった?」
「うん。朝から静が迎えに来たよ。まだ微妙に距離はあった気もしたけどまぁ二人のことだ。大丈夫だろう」
「うん…静には悪いことしたかな?」
「いや。静の自業自得だよ。それに静のことだよ。立ち直りが早いから心配すんな。な?」
「うん…」
「龍吾。あさに告白したの後悔してんの?」
「してない!!」
「なら堂々としてろ。あさを泣かせたら許さねぇ」
「うん。わかってる。みんなの大切なあさちゃんだもん。大切にする。それに…」
「ん?」
「ううん…何でもない」
龍の深い深い愛は見てるだけでわかった。
…ただ今の表情…何かあるのだろうか?
まさか…静にも前世の記憶あるとか?…んなわけないよね…
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