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第31話
「こら。ここどこだと思ってんだ…ったく…いちゃつくなら部屋でしろ」
あいくんは気配を消すのがうまいのか?また戻ったの気付かなかった。
「ふふふ…いいでしょ」
「ったく…まぁ…いいけどさ。ケーキこれ?」
「うん!」
自分でさっさと準備してしまうあいくん。
昔から家事全般得意で仕事で母が遅くなるときは俺たちの夕飯も作ってくれてた。
あいくんは何でもそつなくこなす人でまるで智輝をみてるみたいって思ったことも一度や二度ではない
「どうした?あさ。そんなに見て」
「ん?何でもない。ただ、あいくんすごいなぁって思ってただけ」
「すごいか?これくらい誰でもできるだろ」
「そうだけど。その見た目でそれって」
「どんな偏見だよ。まぁ。いいけどね。これ持ってきてくれたの静?」
「よくわかったね」
「俺のいつも頼むもの入ってたし。よく見てるよな」
「それが静のいいとこでしょ」
「そうだな」
あっという間に平らげたあいくんは俺たちの分の片付けまでやってくれた。
「あ。そうだ。龍吾」
「ん?」
「せっかくだし今日泊まってけば?服は俺の貸すし」
「いいよぉ。また今度で」
「んならさぁ今日俺が飯当番なんだ。食ってけよ。帰りは送るし」
「一緒にご飯食べたい…だめかな?龍くん」
「ううっ…可愛い…そんなの断れるわけないじゃん。じゃあご馳走になろうかな」
「そうこなくちゃな。飯出来るまであさの部屋にでもいってたら?」
「うん。ありがと」
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