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第34話

「ただいまぁ」 愛菜が帰宅した。 「あいくん。お客さん?」 愛菜の声はとても良く通るので部屋にまで聞こえてきた 逆にあいくんの声は全く聞こえない 「龍くんきてるの?」 部屋で聞いてると愛菜一人で喋ってるみたいだ 「ふふ…愛菜ちゃん元気だね」 「うん。うちでも一番元気なんだよね」 「あさちゃーん!」 呼ばれたので名残惜しいけど龍くんから離れて扉を開ける 「おかえり。愛菜」 「うん。ただいまぁ。龍くんもいらっしゃい」 「お邪魔してます。」 「ご飯食べてくんでしょ?さっきあいくんに聞いたの」 「うん。お言葉に甘えてね」 「あいくんのご飯美味しいから期待しててね」 「愛菜。俺に何か用があったんじゃないの?」 「あぁ。うん。これ預かってきたよ。お手紙」 「誰から?」 「ん?学校の友達。ラブレターじゃないかな?」 「そんなの貰っても困るよ」 実はこうして手紙を預かってきてくれるのは今回だけではない。 毎度毎度無視するのも悪いからお返事を書いて渡してる 何故か年下には気に入られるみたい。 「返事書くからまた届けてくれる?」 「うん。わかった」 「書けたら渡すね。」 「はーい」 愛菜が自分の部屋に戻ったのをしっかり確認して部屋の扉を閉める。そしたら龍くんが急に壁に俺を押し付けて逃れられなくなった 「いつも…そうなの?」 「え?何が?」 「お返事書いてるの?」 「うん。だって愛菜の友達だし中学生だし申し訳ないしで」 「もう…やめてくんない?」 「え?」 「あさちゃんが書いたあさちゃんの直筆の手紙を誰かが持ってるなんて…やだ…」 「…龍くん…意外にヤキモチ焼き?」 「あのさ。真面目にいってるの。そうやって毎度丁寧にやってるとそのうち漬け込まれるからね。あさちゃんは危機感が無さすぎ」 「わかった…なら今回までは書くね。次回は貰わないようにする…」 「…今回も止めてほしいけど…わかったよ…」 龍くんの言葉が近く現実になることを俺は知らない

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