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第44話
定広side
俺は配達員を装って家に入ることになった。
行方不明者の中に数人いたのだ。ここへの宅配を最後に行方がわからなくなった者が
荷物の中には小型カメラや盗聴器など色々なものが入ってる
俺の服には遠隔操作ができる録音機がつけられてる。
呼び鈴を押すと重たそうな扉がゆっくりと開いて広大な庭が広がる。
長い長いアプローチを進み大きな扉の前。ここで荷物を引き渡したら普通なら戻れる…
俺が気に入られればいいんだけど…
「受け取りのサインをお願いします」
中もとても広くて綺麗だった。こんなところにいなくなった人たちは皆いるのだろうか
「ありがとうございました」
「少々お待ちいただいてもよろしいですか?」
…かかった…かな?
使用人みたいな人が中に戻って内線だろうか?電話を掛けてる。暫くして戻ってくると中に通された。
普通なら中に入らない。入るわけがないのだ…でも何故だろう…わからないけど勝手に足が進む…
なんだろう?香だろうか?頭がボーッとする香りが漂ってて…
通された部屋には高級感漂う大きなテーブルとソファーがあって促されるままにそこに掛けると直ぐにお菓子とお茶が運ばれてきた。
喉も乾いてないしお腹だってすいてない。だけど勝手に口に運んでしまうのだ…
そうして暫くすると黒髪の清楚な美少女がやって来た。この子が多分汀子さんなのだろう。
「初めまして。汀子と申します。あなたのお名前は?」
「定広」
「定広さん…とても綺麗な方ですね。わかりました…あのお部屋へご案内して差し上げてください」
使用人みたいな人に連れてこられた部屋には異様な光景が広がってた。ガラス扉の部屋が沢山あるのだ。
「今別の方がいらしているんです。ですから貴方はこちらのお部屋へ」
汀子さんが俺が部屋に通されたすぐ後に戻ってきて部屋の中央にある扉に迷うことなく入っていく
扉が開かれたときかすかに聞こえた声は…
「あさちゃん…」
ここで急速に意識がはっきりしてきた。ガラス扉の奥の部屋を良く見るとどの部屋にも顔の綺麗な男達がいた。
各々の時間を過ごしているようだ。
それをしっかり映像に納めた。あの香りは意識を朦朧とさせて催眠術的な何かで従わせるものなのだろう。
ここにいる人たちは皆不安や恐怖はなさそうで幸せそうだった…
「どうぞこちらへ…」
そう言う女性を振り切ってさっき汀子さんが入っていった部屋へ向かった。扉の鍵はしまっていなくて容易に入ることはできた。
そして直ぐに見つけた。拘束されながらも気持ち良さそうに声をあげるあさちゃんを…
「あさちゃん!!」
俺の声に驚いて汀子さんが振り返る
「どうされましたか?定広さん。あなたのお部屋はあちらですよ」
「何言ってるの?あさちゃん返して」
「お知り合いでしたの?では同室でいいかもしれませんね」
会話にならない。それどころかもうすでにあの微笑みになってて…悪いことをしている自覚がないのだろう
「三谷。こちらへ」
そう彼女が言うとあさちゃんの中心部に顔を埋めていた男がこちらを見た。その欲に濡れた顔が恐ろしく綺麗で男の俺でもドキリとした。
「この方愛桜海さんのお知り合いでしたの。ですから一緒に喜んでいただきたいからお願いしてもいいかしら?」
「かしこまりました」
そういうと男が寄ってきて俺の手をとった。俺は体格の割りに力は強い方なのだが…この人…すごい力だ…
振りほどけずそのまま引き摺られるようにベッド脇に連れてこられた。
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