とうとう定くんも脱がされたその瞬間だった。 大勢の屈強な男たちが雪崩れ込んできて三谷さんと彼女をつれていった 俺は直ぐに龍くんに抱き締められていた 「あさちゃん！あさちゃん！」 龍くんはポロポロ涙をこぼしててこんなに心配させていたのに気持ちよさに負けていたなんて…申し訳なくて… 「ごめんなさい…」 「あさちゃん…痛いとこない？大丈夫？」 怒るどころか優しくしてくれる龍くんに俺も涙が出て… その後監禁されていた他の人たちは保護されたのだがそのすべての人がここに残りたいと言っていた。 あながち汀子さんのやったことは間違ってなかったのかもしれない… 結局汀子さんも三谷さんも罪に問われることはなかったし残りたいといった人たちは山善寺の主人が援助金は勿論のこと多方面で手を貸した 汀子さんと三谷…暉(ひかる)さんは海外にいる本当のご両親に引き取られていった。 華陵院の話によると実は汀子さんは海外に住んでいて幼い頃その見た目の美しさから三谷さんとともに誘拐されていたのだ。実は二人は血の繋がった兄妹だったのだ。 二人はどこかの趣味の悪い金持ちに売られてその後捨てられて…それを何度も経験していくうちに二人とも壊れてしまった…山善寺の主人には妻も子もなく元々子供好きだったと言うのもあり不憫に思って二人を引き取ったそうだ だが山善寺の主人は仕事で家を空けることが多く二人の世話を使用人たちに任せっきりだった。そのことをとても悔やんでいた。 この状況を主人は本当に知らなかったようだ。 そしてこうなったのは使用人の一人が実は催眠術的なものを掛けることが可能な人で精神的に弱りきっていた二人は格好の餌食だったのだろう… 暉さんを汀子さんに偽名で呼ばせ、主人と従者という記憶に摩り替えたのもそいつ。2人が兄妹ということを理解していたとしたら万が一催眠が溶けた場合が思ってもない方向に転がる可能性があるから… とにかくそいつは二人を自分の欲を満たすために利用したのだ。まだ若い二人を…なんて酷いことだろう… 勿論他の使用人も同じように暗示にかけられていたそうだ。