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第47話
三谷side
「三谷。こちらへ」
汀子様に呼ばれたので顔をあげる。
「この方愛桜海さんのお知り合いでしたの。ですから一緒に喜んでいただきたいからお願いしてもいいかしら?」
お知り合いであるのなら同じように悦ばせて差し上げなければ。そう思い了承した
「かしこまりました」
今来た彼の元へ行き彼の手をとった。
一先ず今鳴いている愛桜海のお姿を見せて差し上げようとベッド脇に手を引いて導いた
「あさちゃん!」
彼は愛桜海のところで声をかけた。するとさっきまで目を閉じ快楽に身を委ねていた愛桜海がゆっくりと目を開けた。彼と目が合うと呟いた
「…定…く…ん…どう…して…」
「あさちゃん…あさちゃん!みんなが心配してるよ。一緒に帰ろ」
「うん…帰りたい…でも…動けないの…気持ちよすぎて…もう力入んない…」
帰る?どうして?ここはとても居心地がいいのに?意味がわからなくて戸惑っていると
「三谷。まだ?」
汀子様のご質問が飛んできた。ふと二人のことを見つめるとまたさっきの頭痛がして俺の意思と関係なく言葉が漏れた
「…お嬢様…この者たちは帰してはどうでしょう?」
「どうして?」
「…もう…やめませんか?」
「どうして?」
自分でもこんなに言うなんて信じられない…
「…」
そんなの俺にもわからない…どうして?帰してやりたいの?
「ほら。始めて?定広さんも待ってらっしゃるわ。早く良くなりたいと」
「お嬢様…」
「じゃあこうしましょう。これから私が愛桜海さんの方をそして定広さんを三谷。あなたが良くしてくださるかしら?二人とも良くなったら幸せでしょう?そのあとご友人なのですから二人で交わるのもまた良いかもしれませんし。そうしましょ」
そうだ。そういうことか。二人同時に楽しんでいただければこの変な痛みとモヤモヤは消えるのかも知れない。
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