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第57話
「定くん」
「あさちゃん。龍くん。…良かった…あさちゃん大丈夫そうだね」
「定くんは大丈夫?」
「俺は何もされてないし大丈夫だよ」
「囮だなんて…無茶して…」
「あさちゃんのためなら何だってするよ。大切な人なんだから。体は平気なの?」
「うん…龍くんに沢山上書きして貰ったの…」
「…可愛い…羨ましい」
「へ?」
「いや。何でもない。龍くんがいてくれて良かった」
「定くん…あさちゃんあげないからね」
「わかってるよ。でも可愛いんだろうな…昨日のあれも…可愛かったし…」
「さーだーくーん!」
「定くん?なんかいつもと違う」
「俺だって男ですからね。あんな色気たっぷりの可愛い姿見たらドキドキするよ」
茶化したように笑う定くん。きっと元気づけようとしてくれてるんだろうな。
「これから龍くんとこにいくんだぁ」
「龍くんち?龍くんちすごいよぉ」
「行ったことあるの?」
「あるよ。なーに?ヤキモチ?」
「凄いってどうすごいの?」
「えっ?スルー?ふふっ。先ずね部屋から見える景色すごい。中もすげー広いしカッコいいかんじ」
「そなんだぁ。楽しみだなぁ。あ。ごめん!定くんちょっとトイレ貸して」
「うん。いいよ」
定くんの部屋を出てほっと息を吐いた
「よかった…定くんも平気そうで…」
とても心配だった。定くんだって服を脱がされてあの光景を見たんだ…何かしらあったらどうしようって…でも定くんはいつもと変わらなくて心底安堵した。
定くんがいなきゃあそこにいた皆も汀子さんも暉さんも他の使用人の皆さんも救われなかった。
定くんは緊張感もあっただろうし責任感もある人だから相当精神的疲労はあったと思う
「定くんは由斗みたい…行動力とかその場で空気変えちゃうとことか…人の気持ちとか察知する能力とか…ふふ…まぁでも流石に由ではないか…そんなに沢山同じ時を生きた人と会えるわけないもんね。」
勝手に一人納得した
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