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第59話
龍吾side
「ん~?今ね龍くんにあさちゃん頂戴ってお願いしたらダメだって言われたの。だからわかってるよぉって答えてた」
「定くんが俺欲しいの?」
「可愛いからね。俺もあさちゃん欲しいよ」
「じゃあ…助けてくれたお礼」
そういうとあさちゃんは胡座をかいて座ってた定くんの前に行き足の間に座る。そして自分の足を定くん腰に絡ませ頭を抱いた
「ちょっ!あさちゃん!!定くんも!にやけてないでよぉ」
「あさちゃん。積極的…可愛い…」
「定くん。ありがと…大好きだよ」
そういうと定くんの頬に触れてそのままキスをした
「あさちゃん!!!」
そのあさちゃんを定くんから引き離して抱き締め唇にキスを落とす
「あさちゃん。俺の目の前で他の男に絡み付かないでよ」
「龍くんのキス…えっち」
「はぁ…やっぱあさちゃん可愛いね。龍くん羨ましい。俺も欲しいよぉ」
「やだ!だめ」
「俺が誰よりも愛してるのは龍くんだよ。だから定くん。ごめんね?」
俺の腕から逃れて四つん這いで定くんに近付いていくと首をかしげながら上目使いで定くんを見つめながらそう言った…。
いやいや…嬉しいけどさ…でもさ…それ狙ってやってるでしょ?そんな体勢でうるうるさせながら上目使いとかさ…あさちゃんは小悪魔だ…亜咲斗さん出てきちゃってる…
「ん~でも…定くんとなら一度くらい…」
「こーら!こんなとこで亜咲斗さん発揮しないで!」
「龍くん…」
「あ…」
「…ふふっ。俺知ってたよ。あさちゃんが亜咲斗って。亜咲斗。今度は必ず幸せになれ。約束だからな?」
「…由?」
「やっぱわかっちゃうよね?」
「由…由…ごめんね…何度も何度も助けようとしてくれたのに…言うこと聞かなくて…ごめんね」
突然泣き出したあさちゃん。
「あぁ…二人で話す?ほんとは二人きりとか妬けるけど…」
「少しだけ…いい?」
「うん。俺は…」
「あぁ。隣客間だからそこで待っててくれるか?」
「わかった」
今は二人で話させなくっちゃ…やっとあさちゃんが…亜咲斗さんが…由斗さんやみんなの思いを理解して歩み寄ろうとしているのだから…
亜咲斗さんと由斗さんは…体の関係があったのは知ってる…だから少しだけ心配だけど…
彼らには彼らの人生があった。あの頃も今も…俺はそのあさちゃんの…亜咲斗さんの…
みんなのほんの一部しかわからない…
佐藤の時は琉輝さんに言われたことしか出来なかったし…今もまだあさちゃんと出会って少ししかたってない…
俺の知らないことの方が多い…好きって思いは偽りなんてないけど…でも…やっぱり…
「ちょっと…寂しいな…」
客間には本が沢山並んでる。寂しさを紛らわすために一冊の本を手に取りページをめくった
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