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第61話

「覚えてるよ。お前が壊れちゃいそうなギリギリのときだったでしょ?…義父とその他の男たちに初めて大勢で遊ばれたって言ってたね。いつも一人ずつだったのにって。俺の初めてはあの時。お前だったんだよ。でもあのときは俺はお前の心にかかった闇に気付いてやれなかった…それから少ししてからだよね?琉輝さんと智輝に…出会ったの」 「うん…」 「初めてのとき…お前を…拐っておけば良かったな…そしたらあんな最期じゃなかったかもしれないのにね」 「由が荒れたのあの後だったね」 「そうだね。お前がどうかしちゃったのを止められなくてもどかしくてどうしようもなくて…一瞬でも忘れたくて沢山の人に手を出した…そしてお前を夢中にした…って思ってた智輝と付き合ったのもその頃だった。無意識だったけどお前の側にいきたかったんだと思うよ。智輝とお前はどっか似てて…俺が智輝を好きになるのもそんなに時間はかからなかった…今思えばお前と重ねてたからだろうね。でも付き合っていくうちに亜咲斗のときみたいに壊れた智輝を助けられずに側で見ていくのが怖くなってしまったんだ。だから別れたの。その後のみっちーとの出会いは大きかった。みっちーなら皆を救えるんじゃないかって勝手に期待した。そしたら案の定そうだったね。皆を変えていった…ただそこに普通に生きているだけだったのにね。 みっちーの存在がお前が完全に壊れるスイッチになったのも気付いてたのに俺は見て見ぬふりをした。ごめんね…正義感振りかざしながら本当はとても臆病だった。誰も救えなかった…」 「ううん。由はいつも誰かを助けてたよ。由がいてくれたから智輝も救われたんじゃない?俺はあの後のことは知らないけど…」 「…でもやっぱり皆を救ったのは…みっちーだよ」 「俺はみっちーには恨みしかないけどね…でも…みっちーがいたから…琉輝さんの命を自分で終わらせられた…最期に優しい顔が見られた…変かもしんないけど何だか嬉しかったんだ。やっと琉輝さんも何かから解放されたって…でも…佐藤さんの存在や由のこと…もっとちゃんと思っていれば…もっと違う何かがあったかもしれないね…」 「亜咲斗…もっかい抱き締めていい?」 「ん…」 「顔あげて?」 「うん?」 そういうと顎を救われそっと額にキスをされた。優しい優しい慰めのキスだった… 「…そんな悲しい顔しないで?亜咲斗…本当はね俺がもっと沢山甘やかしてとろとろにしてあげたい…けど…その役目はもう俺じゃないから…でも…今のは秘密ね?龍くんに殺される…」 「あははっ!もう!定くんったら…ありがとう…いつも…側で見守ってくれて…大好きだよ…由も…定くんも…」 「うん。俺も大好きだよ」 「これからも側にいてくれる?」 「当然でしょ?そろそろ龍くんがそわそわしてるかもね。可哀想だから呼んできてあげて」 「うん」

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