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天青さんの運転で訪れたのはマンションの一室だった。 「ここは元は父が独身時代に使っていた場所でね、母との思い出の場所だからとそのままにしてあってそのまま俺が住むことになったんだ。どうぞ」 中はどこか懐かしい…ん?…懐かしい…というよりも… 「あれ?」 「ん?気付いた?君のご実家の間取りと山善寺家の間取りをミックスさせて作ったんだよ。その方が君が落ち着けるかなって思って」 「そんな…俺なんかのために…」 「こーら。俺なんかとか言わないの。ね?」 「…すいません…」 「ふふ…大丈夫だよ。取り敢えずそこ、掛けて。お茶いれるね」 さっきまでより柔らかい雰囲気になった天青さん。の背中をじっと見つめる。ずっと…見ていたいくらいに惹き付けられる人だ。 「んー?どした?そんなに見て」 「あ…すいません」 「まぁた謝る。大丈夫だよ。はい。山善寺さんに聞いたよ。この紅茶が好きだったんだってね」 「彼に会ったのですか?」 「うん。とても素敵な方だよね。君たちのことを今も案じてらしたよ。今度またお会いする機会を伺ってる。会いたいでしょ?」 「はい。ぜひ」 あれだけ良くして貰ったのに結局彼には何も挨拶が出来ないままに別れた。会ったらちゃんと話したいと思っていたのだ 「それと…仕事以外ではもっと気を抜いて良いよ。俺と君同い年なんだよ」 「そうなのですか?てっきり年上だと」 「スーツきて髪セットしてると上に見られるんだよね。むしろそう見えるようにしてるの。華陵院傘下だもん。嘗められたら面倒だし。ちょっと着替えてくるね。あ!暉さんも着替えておいで。こっちに荷物運ばせてるから。おいで」 天青さんは自然と手を取り俺を案内する

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