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「まだ時間あるね。映画でも見る?」 「はい」 モール内にある映画館に来たのだが… 「俺…良くわからないので…お任せします」 「うん。わかった。じゃあねぇ…あ!これ!父の幼馴染みでもある母の弟さんが主演なんだ。準主演が藤さんの旦那さんの月さんだよ」 映画の内容はアクションだった。夕燈さんに良く似た華奢な体つきに見えるのに圧巻のアクションだった。それと敵対するのが月さん。こちらも文句なしの美貌と長い手足をしなやかに動かしていた。 「朝陽さんはね本当にすごいんだよ。ずーっと現役でやっててアクションシーンもどんな激しいものもスタント使わないの。あんなに華奢なのにね。それだけじゃなくて静かな役も悪者の役も何にだってなれちゃうんだ」 キラキラさせながら朝陽さんの話をする天青さんはなんだかとても可愛らしかった。 大好きなのが沢山伝わってきた。もや… もや?あぁ…これが嫉妬ってやつか… だいたい出会ってたった二日の俺の事を…いや…まだ不安定で無愛想な俺の事を特別に見てくれるはずはないのに… 初めて知った自分の女々しさに嘲笑する。とはいえ顔には出ていないはずだけど 「どうしたの?変な顔してるけど」 「何でもないです。とても素敵な方なんだろうと…思っていただけですよ」 「そう?来月華陵院グループの総会があるから会えるよ。だって暉さんは俺の秘書だから着いてきて貰わないとならないし。そのとき紹介するね。もしかしたら旦那さんも来るかもしれないけど」 「旦那?」 「えっとね、デザイナーさんなの。お洋服の。若い頃は芸能活動していた人なんだけどね。俺は彼のその時代はあんまりわかんないけど」 「あれぇ?天青?」 「ん?」 「久しぶり」 「お!久しぶり!縷紅。どした?珍しいね」 「うん。デート!ほら。」 「あぁ」 「こんにちは…」 「久しぶりだね。翠くん」 「はい。お変わり無いですか?」 「うん。元気だよ。また美人になったね。お母さんに似てきた」 「そうですか?ありがとうございます」 縷紅さんは藤さんより月さんに似てて背が高くてスタイルもいい。髪や瞳の色が異国の血が少し混ざっているのか淡い色合いだった そして隣に立つ少年。翠くん。背は平均身長よりは高そうだ。顔は中性的な美人だ。女の子に人気がありそうな子。物腰が柔らかくて優しい笑顔が特徴的な子 「お前もデート?それ?新しい恋人」 「違うっ!ビジネスパートナーになる人だよ!」 そんなに強く否定されたらちょっと寂しい。 「暉さんだよ」 「あぁ!噂の暉さんね。お前が一目惚…っ!、」 「ちょ…黙って…待って…」 「…?」 焦ったように縷紅さんの口を両手で塞ぐ。俺の事を知っているのか? 「んー!んー!!」 バンバンと天青さんの背中を叩く縷紅さん。翠さんはおろおろしながらそれを見てた 「天青さん…縷紅さん苦しそうですよ。離してあげたらどうです?」 「あ!!ごめん!縷紅」 「げほっ…げほっ…お前なぁ…」 「いやだってさ…」 「悪かったって。はじめまして。縷紅です。天青から話は聞いています。天青は仕事になると別人だけど普段はぼんやりしてるから支えてあげてくださいね。天青のこと宜しくお願いします」 「こちらこそ。宜しくお願いします」

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