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天青side 「亜咲斗ってだれ?」 ダメ元できいてみると会話が成立した 「久遠…亜咲斗…俺が苦しめた…」 「君は誰?」 「醒井 琉輝…あなたは誰?」 「神楽坂 天青」 「神楽坂?あの大病院?」 「知ってるの?」 「あぁ。とても腕のいい医師たちがいると古くから評判だった。俺は裏社会で生きたようなものだからそこにはいけなかったけどね」 「亜咲斗さんって?」 「…俺を純粋に愛してくれた人…それなのに俺が…あいつを追い詰めた」 「何が起こったの?」 そして色々聞いた。この人は暉さん。けど話の内容から前世の記憶があるということがわかった。 千景さんは実はその手の物も見える人だ。会ったらこの事を伝えてみよう。何かこの人を救うための手立てが見つかるかもしれない… 「俺は…死んだ。そして暉として生まれ変わった。でも暉の環境が…亜咲斗と少しだけ似てて…そしたらこの記憶があることを忘れてしまった。でもこれでよかったのかもしれない。暉としてこれから人間らしい暮らしをすれば何か変わるのかもしれない。」 「…前世の記憶があるんだね?」 「まぁ…そうだね。でもこの記憶も完全に暉からは消えるだろう。元々覚えている方がおかしいんだし。」 「もし暉さんが知りたいといったら?」 「教えても構わないが暉は根が優しいから辛いかもしれないな。そのせいでもっと暗く沈み浮き上がることは困難になるかもしれない、そのときはあなたが側で支えてくれますか?俺の見解が正しければあなたは暉に惹かれているでしょ?」 「…わかりますか?」 「はい。あなたの瞳はそう言う想いで溢れています。貴方ならきっと…暉を救えるのかもしれない。…少し…話しすぎました。暉の体力がまだ戻っていないのに。この会話は暉には届いていないだから貴方もこの事は内密に…お願いします」 そう言うと一度目を閉じてそしてまたゆっくり目を開けた 「大丈夫?」 「…?ここは…どこ?」 「これからお父様とお母様のところに戻るんだよ」 「汀子さま…は?」 さま?まだ名残があるみたいだ。 「隣で眠っているよ」 汀子さんは俺の肩に頭をもたれて眠ってた。その光景に驚いたように暉さんは目を見開いてそして優しく笑ったように見えた。勿論無表情ではあるから俺の憶測でしかないが 「よかった…汀子は…気を許した人とでないと眠れないから…」 「気を許してくれたのかな?だったら嬉しいな」 「…うん」 幼い子供みたいに大きく首を縦に降った 暉さんもまだ不安定だ。今みたいに小さな子供みたいなときもあれば冷酷に人を見ているときもある。本来の暉さんはどこだろう? 早く見つけて抱き締めたい…早く癒されて欲しい… 「僕は…汀子を守れなかった…悲しい」 「ううん。守ってたよ。側にいたことで汀子さんは守られてたんだ」 「ほんと?」 「うん。大丈夫だよ。もう少し眠ったら?まだぼーっとしてるみたいだし」 「ん…ありがと…お兄さん…」 そう言うとぎゅっと俺の手を握ってきた。左右にきれいな子達を連れてこうしているのは何だか役得だな そう思い微笑んだ。

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