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天青side
暉さんが選んだのは母が初めて自分で出した店だった。母は今も現役でキッチンに入っている。
今日は他の店舗の視察にいっているのでいないけど初期メンバーの藤さんという人はフロアにいるはずだ。
藤さんには俺と同世代の二人の子供がいて俺が小さい頃は両親が仕事が忙しいときいつも藤さんのご実家に厄介になって二人と遊んでた
両親に会えないのは少し寂しかったけど二人と遊べるので楽しみでもあった。
二人とは今も連絡は取り合っているし会えるときは会う。最近は互いに忙しくなかなか会えていない。
とりあえず食事の後、暉さんが大丈夫だったら弟である桐がマネージャーを勤めている店にいって就職祝にスーツでもプレゼントしよう。紹介するのは少し心配もあるが。
実は昔から俺と桐の好みがとても似ていていつも同じ人を好きになってしまっていたのだ。
ということは暉さんのことも気に入るはず…桐は藤さんに良く似て中性的美人だしそれでいて明るいのでだいたい皆桐の方を選んでた。
兄の縷紅は世界でも活躍したモデルでもあり、俳優でもある父親に良く似ていて背も高くどこか日本人離れした見た目をしていて。昔から良くモテた。そんな成りの癖に誰にでも優しくてスマートだった。
縷紅は多くの人から声はかかったけど本当に自分が好きになった人じゃないと付き合ったりしなかった。今は俺の仕事関係で出会い俺が紹介した年下の彼に夢中だ。
…やっぱり桐みたいな人が…好きかな?暉さん…だってあの屋敷に閉じ込められてたのはどちらかというと桐に雰囲気の似たような人が多かったから。
暗示をかけたやつの趣味とは聞いてるけど毎日そんな人を相手していたんだから俺みたいな奴だと…って…何一人で悩んで落ち込んでるんだよ…絶対に特別な関係になってはならないのに!!…でも…もう…だめかも…やっぱり好きという気持ちに蓋ができない…
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