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天青side ほくほく顔に見える暉さんを桐に会わせるのは少し…いや…正直やだ…けど…もしも…桐を暉さんが気に入って選んだとしても…うん…桐は大丈夫。 桐になら暉さんを任せられる。桐になら共に生きることもできる。 きっと過去の全てを受け入れて全てを愛してくれる…だから…そのときは背中を押す…そう決めた。 桐とはこれから仕事で一緒になることも増えるだろう。何せ暉さんに手掛けてもらおうと思っているのは桐が昔バイトしていたレストランの改装。つい先日そのオーナーから桐に譲渡されこれを機に初めて桐が飲食店のプロデュースをするのだ。 前々から服と何か絡めて飲食店をやりたいといっていて桐の会社は華陵院傘下でもあるし桐なら初めての仕事となる暉さんのことも助けられるだろうと思いその仕事を託したのだ。 桐に言われその事は暉さんや一緒にやる部下たちには伝えないことになってる 始めから桐と俺の繋がりが分かれば彼らも少し気が抜けてしまうかもしれないから。 構想が完全に固まり始まれば知られてもいいと思うので構想が固まるまでは打ち合わせは間に俺を通して行われる。 そこに暉さんのアイデアを組み入れながら作り上げるのだ。 「桐がここの中にあるテナントで働いてるんだ紹介するね」 暉さんも随分と人混みに慣れたように見えたから結局お店へ行くことにした。店に行くと直ぐに桐を見つけた 「久しぶり。桐」 「おぉ!!久しぶりぃ!天青くん。」 「桐さん…藤さんの息子さん」 「そうそう」 桐の顔を見てぶつぶつと呟いてる。さっきの記憶を辿っているのだろう。何かその姿も可愛いな… 「この人は?天青くんの新しい彼氏?」 「違うっ!」 桐は俺が誰かといると必ずそう聞く。桐と出会ってない人で俺がお付き合いしてると分かれば桐は自分の想いを始めなくて済むからかもしれない。前付き合ってた人で一番長かった人もそれで桐に会わせる前に始まってたからうまくいってた。まぁ結局色々あって別れたんだけど 「そうなの?天青くん好みの人じゃん!」 ということは桐の好みでもあって…俺にとっては好きだけど始められない恋なんだから変に勘ぐられても困る 「ちょっ…桐…黙って…」 「え?最近浮いた話のなかった天青くんがこんな人連れてるんだからそう思うでしょ?お名前は?」 桐はぐいぐい来るから暉さんもビックリしてる…ように感じる。 「…暉です」 名前を聞いて誰なのかわかったはずだけど敢えて知らない振りをしてくれる桐が言葉を続けた。 「暉さん!あ!あのね!さっき新しい生地入ったの!暉さん似合いそうだからちょっと合わせてくれない?」 戸惑っている…ように見える暉さん。でも桐のセンスは間違いない。だから作るなら桐がいい。 「暉さん。桐は煩いし空気読めないけどセンスはいいから合わせておいで」 「わかりました」 大人しく桐についていく暉さんを見送る。いくつもの生地をフィッティングルームに運ぶその合間で声をかけられる 「思った以上にカッコいいね。背も高くてガッチリしてて」 「そうだね。初めて私服をみたようなもんなんだけどびっくりした。」 「…ねぇ。天青君」 「ん?」 「暉さんのこと好きでしょ?」 「ビジネスパートナーだよ」 桐にはそれしか言えない。 「ふーん…」 桐も珍しくそれ以上は突っ込んでこなかった

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