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天青side 「どう?桐」 「うん。スタイルいいしどんなもの合わせてもスッゴい似合う」 心なしか桐の声が弾んでいるように見える。…惚れた?かな?… 「そうだろうね。これから俺と一緒に働くんだ。着ることは少ないかもしれないけどプレゼントしようと思ってるんだ。全てお前に任せるよ」 「OK。任せといて」 とても嬉しそうだ。うん…恋してる人…そんな感じ…痛い…なぁ…俺ができるのはこういうことしかないなぁ… 「プレゼントなんて!そんなの頂けません」 暉さんならそういうと思ってた。 でもどうしてもあげたいんだ 「ううん。無理やりこっちにつれてきたようなものだからもらってほしい。」 「そう言う訳にはいきません」 なかなか、頑固者だ…じゃあ… 「じゃあ。出世払いにしよっか?今持ってるお金はご両親から貰ったものでしょ?出来れば使いたくないって言ってたじゃない?」 離れていたからか親には甘えたくないと二人で話したときにいっていたんだ、 「そうですが…」 それでも首を縦に振ってくれないから強引に進めることにした。俺があげたもの身に付けてくれるとそれだけで俺は幸せになれそうだから…特別な関係にはなれないのだからせめて…物だけでも… 「うん。そうしよ。桐。宜しくね」 「すいません」 「そゆ時はありがとうだよ!暉さん」 「ありがとう…ございます」 その後正確につくってもらうため採寸してもらってデザインをあげてくれた。 濃紺のうっすらとストライプの柄が入ってる段返りの三ボタンのジャケット。テーパードのスラックスだった。 暉さんの体格を更に綺麗に見せてくれるデザインだ 桐はそれをそのまま店の奥に併設されている工房へもっていった。 出来上がりは約一ヶ月後になるそうだ ネクタイやネクタイピン。シャツやカフスなどもそのスーツに合わせて購入し桐にお礼をいって店を後にした。 暉さんより俺の方が楽しみにしてるような気がする。 着ている姿を想像すると…うん…やっぱいい男だと思う

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