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縷紅さんに手を引かれ部屋の外に出た 「…ここは…」 「病院の方がいいと思ったけど天青がこっちがいいって」 天青さんのご実家だった 「暉ーっ!!大丈夫なの?天青は?」 駆けてきたのは夕燈さんだった 天青さんにしてしまったことを知ったらここにはきっといられない… 「…すいません…俺…」 今やってしまったことを夕燈さんに話す 「そっか…暉…苦しかったね…辛かったね…」 「え…」 「天青は大丈夫だよ。だから俺とお話しして待ってようね」 そう言うと俺の手を引きリビングへ連れていってくれた 罵られるかと思った。顔を見せるなと言われてしまうと思った。なのに… 「…暉。少しお話ししよ。お茶いれるから待っててね」 手際よく準備をし戻ってきた夕燈さんは俺の隣に腰かけて俺の膝に手をおいた 「今から千景くんも来るから少し待てる?」 「はい」 わざわざ代表がやって来るなんて…やはりここには置けないと言うことなのだろう… 天青さん…俺は…間違いをおかした…やはり貴方の隣に立つことは許されることではなかった…俺なんかが特別な感情を持ってはならなかった… 本当に…すいません… 「お待たせしたね」 ゆっくりと扉が開いてすっと背の高い千景さんが入ってきた。 「君に会わせたい人がいて。連れてきたんだ」 そういって後ろから入ってきたのは 「愛桜海さん…」 「こんにちは。暉さん。お久しぶりです」 「本当は…もう少し落ち着いてからって思ってたんだけど…暉さんの場合は早めがいいと思って」 「お邪魔します…」 「定広さん…」 それと難いのいい男の人。もう一人愛桜海さんの腰を抱いた綺麗な人がいた 「兄の愛偉兎と恋人の龍吾です。覚えてませんよね?」 「はい…すいません…あのときは…」 「大丈夫です。みんなが居てくれたから。もう平気ですよ」 そう言うと愛桜海さんは綺麗に笑った。そして俺の側へ歩み寄り俺を抱き締めた 「琉輝さん…」 「え…」 「…いるんでしょ?そこに」 そう言われた途端またも激しい頭痛が襲う 「苦しい?辛い?俺が受けてきた仕打ちはもっと酷かったよ?わかってるでしょ?琉輝さん。ねぇ。」 「亜咲斗…」 「久しぶりだね。琉輝さん。俺に話があるんでしょ?由斗と律、そして佐藤さんも一緒に聞いてくれるみたいだよ貴方の話」

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