…流石由斗くんだ…そこも調べていたのか… そう。確かにあそこにいた奴等はそういうやつらばかりだった。泣き寝入りしてしまう被害者やその関係者たちの依頼を受けてあの店で制裁するのだ。 その他にもこれは一部の人間しか知らないが臓器売買などもしていた。やったことの罪の重さ。それと被害者の傷の大きさにより制裁内容を変えるのだ。 由斗くんたちにあっちの仕事ではなくこっちの仕事の方が知られていた理由は由斗くんの回りはみな金持ちの子供たちばかりだったからだと思う。 あの学園は金持ちの集まり。世間を知らない奴も多かった。金でものを言わせ被害者たちは皆泣き寝入り。法的手段に訴えようとしても大きな金と大きな力が動くので為す統べもないのだ。だからこそこっちの仕事が必要だった…おそらくその噂の方があの狭い学園の中では大きく、表の仕事の方の噂は掻き消されていたのだろう。どんな人間も悪い噂の方をするのが好きだろうから。特に俺から説明する必要もないと思っていたし逆らう者を出さないためにはそっちの方が都合よかった。智輝が俺を慕ってくれていたのは智輝だけは知ってたからだと思う 「ただ…貴方は智輝の交際相手に関しては扱いが違った…その罪を犯した人たちと同じ扱いをした…それってさ…貴方が…智輝を愛していたから…そうでしょ？だから…智輝の隣で笑っている恋人たちが許せなかった。罪を犯した人たちと同じくらい許せない存在だった。あの頃の恋人たちは割りと長く智輝と交際してる人たちばかりだった。長く智輝の側にいるみんなを許せなかった。特に亜咲斗に関しては他の恋人と違って智輝を抱ける唯一の人だった。智輝が仕事と関係なく抱かれることは貴方にとっては苦痛でしかない。そういう想いもあったんじゃない？ 確かに父親に汚い仕事は智輝へさせろと言われてきた。そして智輝にとってプラスになること全てを排除しろと。だから従ったと言っていたけど…でも本当は…そうすることで智輝は貴方に縛られ続ける。ずっと自分を慕い続け言いなりになり側にずっと置いておける…そう思っていたからじゃない？だから貴方は戸惑ったはずだ。路夏との出会いに…路夏と出会って生まれた初めての感情に…」 そうなのだ…俺は智輝に…血の繋がった弟にそれ以上の感情を持っていた…元から俺は汚れていたんだ…歪んだ愛を…智輝に抱いていたんだ…それ故、路夏くんとの出会いは…本当に予想外で戸惑った…