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「暉さん」 部屋に入り天青さんが俺のことを呼んでくれる。それがとても、嬉しくてぎゅっと抱きしめた。天青さんは驚いて 「ひっ!ひっかるさっん?」 声が裏返ってる。そんなとこも好きだな… 「天青さん…好きです」 …ムードもなにもないけど直ぐに口にしてた。そしたらふわりと天青さんが笑ってくれる。あぁ…この笑顔をずっと隣で見ていたい… 「…ねぇ…暉さん…」 今度は少し沈んだ声で俺を呼ぶから胸がざわざわした。 「こんなの…おかしいですよね…出会ってたった数日なのに…俺の隣にあなたがいる未来しか想像できない…だから…俺と…生きてくれますか?まだまだ不安定だし…突然何をするのかわからないような奴ですけど…でも…俺… …天青さん…?…やっぱり…嫌ですか?…泣いてる…」 やはり早急すぎたろうか…泣かせてしまった… 「ごめんなさい…焦りすぎ…て…」 その時俺の唇に暖かいものが触れる…柔らかくて甘い天青さんの唇だった 「っ…ん…」 とても気持ちいい…嬉しい… 「本当に…俺でいい?」 「あなたが…いいんです…俺と…生きて…」 もう一度伝えると涙を浮かべながらも笑顔を見せてくれた 「うん…」 そして…照れたようにうつむき、頷いてくれた。 「…暉さん…好き…」 「嬉しいです…」 もう一度唇を重ねる。俺の背中に天青さんの腕が絡まる。そうされたのは初めてだからとても幸せだ…無意識に笑みがこぼれていた 「やっぱり…笑顔…とても綺麗だね」 そう言うと俺の頬を撫でる 「でも…初めての笑顔は俺が見たかったのにな…みんな…ずるいな。何がそんなに楽しかったの?」 今度は拗ねたように言う。その表情もとても可愛らしい。ずっと拗ねてられても困ってしまう…だって我慢が効かなくなりそうなんだ…そんな欲望を抑えるため先ほどの話をすることにした 「あぁ。あのですね…」 過去のこと…今のこと。これからのこと…沢山沢山話した。ずっとずっと…手を繋いだままで これからもっと多くのことが待ち受けてる。けど…一緒に越えていきたい…

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