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「天青君にね今回の話を持ってこられたとき君の図面見て一瞬で気に入ったの。だからすぐにお願いしたんだけど…予想外なことがおきた。まさか天青君の想い人である君のものとは知らなかったし。君の話は聞いてたんだ。けどもう二度と会えないって聞いてたから安心してたのに…何で来ちゃうかなぁ?気にくわないよ」
「俺もこちらに来ることは予想外でした」
「天青君には幸せになって欲しい。ただそれだけだよ」
「それを貴方がやると言う考えには至らなかったのですか?」
「天青君が俺を相手にするわけがない。俺のことを弟みたいな存在だってしか思っていないからね」
「だから天青さんの想い人たちを奪ってきたのですね」
「失礼だなぁ。奪ったなんて人聞きの悪い」
「それはすいません」
「天青君に思われながら俺の誘いに乗るようなやつに天青君をあげられるわけないでしょ?」
「婚約者を離したのはあなたですか?」
「あぁ。あれ?あれは俺は一切なにもしてない。俺は彼を信じてたから。俺には靡かなかったし本当に天青君を愛していることはわかったし。だからさ。婚約破棄になったとき俺もかなりショックだった。だって酷くない?直前に別れるなんて」
「何か理由があったのでしょ?」
「知らない。調べる気にもならなかった。でもね、今回ばかりは邪魔させてもらうね。あいつの後天青君は臆病になった。誰かと幸せになることを諦めてた。そんな天青君を君みたいな精神的にも不安定な子に任せられないし。天青君にはもっと相応しい人がいるはずだからさ。だから。既成事実作らせてもらうね。あぁ。安心して?仕事は今のままできるよううまくやってあげるし」
「それはありがたいですね」
「随分と苦しそうだね。」
「流石に飲み合わせ悪いですね。この薬は」
「複数あるのもわかってるの?すごいね」
「媚薬の方は俺が寝てるときにでも投与したのでしょ?」
「うん。そうだよ。もう体が疼いて仕方ないでしょ?ほら。目の前にエサあるよ。おいでよ。まだ天青くんとはしてないから溜まってるでしょ?」
そう。恋人と言う関係になり数ヵ月は過ぎたのだがまだ体の関係はもっていない。欲情しないわけではないのだがまだ俺の中に不安が残ってるから。
多くの人を抱いてきたのに情けないが多くの人のことを抱いてきたからこそ本当に好きな相手を壊してしまいそうで臆病になるのだ
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