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天青side 『お疲れ!暉さんにお酒飲ませ過ぎて潰しちゃった!ごめん!!帰れそうにないからうちの方が店から近かったから今日は泊めるね!本当にごめんね!!』 …桐から連絡が来た…あぁ…今日で…終わってしまうのかな… こんなこと過去にもあった。そのときは俺の好きな相手が間違ってお酒を飲んでしまって潰れたんだっけ。高校のとき最後に好きになった人。 彼は桐の部活の人で先輩の送別会とかで食事会があってそのあとカラオケにいって… あの人も桐を待つ俺に好意を持ってくれて告白してくれて…実は俺も桐を待つ口実で彼を見ててたんだけど楽しそうに部活に励む姿をいつの間にか好きになってたんだよな… 暉さんには誰とも付き合わなかったって話したけどあれは交際になるかわかんなかったからそういったんだよね。 だってOKした翌日には桐と関係を持ってたし。それがあの送別会の前日だったから。 彼もそういう自分が許せないって泣きながら謝ってきたんだよね 暉さんはまだ俺のことは抱いてくれない。俺のことはいつも良くしてくれるし毎晩一緒に眠ってるのにだ。 忙しくなって纏まった休みが取れないのも理由の一つだけど… 体を重ねることが愛だなんて思ってないけどやっぱり好きだからもっと繋がりたいって思うものじゃないの?俺ではそうなれない? 俺では反応しないってことではないはずなんだけどな…まだあんなに固くなっても俺には触らせてもくれないんだ… このまま…終わるの…嫌だな…でも…どうしようもないし…だって暉さんの心は彼のものだから…桐を選ぶのなら…それでも…けど… その時電話がなった。取引先の相手だ。この人はいい仕事を持ってきてくれるけど最近俺を見る目が何か少し…変だ…しかもこんな時間に… 「お疲れ様です」 『お疲れ様です。神楽坂さん』 「何かありましたか?」 『少し困ったことになってます。大きなミスがありましたよ』 「どちらになりますか」 詳細を聞くとそこを手掛けたのは最近一人立ちした社員だった。彼は入社当初からとても優秀でミスと言うミスはなかったはずだ。 何かがおかしい。 「明日朝イチで向かいますので」 『明日?明日じゃ遅いんじゃないかな?』 「…わかりました。これから担当の者と連絡を取り向かいます」 『あの子じゃ話にならないから君だけできてよ』 「それはできかねます」 『…じゃあ…そちらとは提携を切らせていただきますね』 別にその会社1つと切られようが特に問題はない。ただ部下は相当なショックを受けるだろう。それはなんとしても止めたい… さぁ…どうする?…

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