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体が熱くてたまらない。
今すぐ桐さんに襲いかかりたい…この熱を全て吐き出したい…
けれど俺は必死で耐え続けていた。
ここで襲いかかれば楽になれる…けど俺は…俺の心は天青さんのもの。全て彼に捧げると誓っている。それにここで桐さんの思惑通りに動いてしまえば桐さんもまた深い傷をさらにおってしまいかねない。天青さんだけを思い続けた真っ直ぐで純粋な思いを踏みにじりたくはない。かといって天青さんを彼に渡してしまうことはできないけど…
その思いだけで必死に耐えているお陰でまだ俺は服に乱れは一切ない。けれど桐さんはいつの間にか美しい裸体をさらしている。
そんな理性と本能の狭間で揺れる俺のもとへ突然の着信がきた。
相手を確認したら桐さんに出るよう促された。
『暉っ!!』
「夕燈さん…」
『なにしてるの!!』
桐さんは俺から電話を奪い話し出す
「もしもし。夕燈さん」
『桐?』
「すいません。お酒飲ませちゃって酔っちゃったみたいで今俺の家にいます」
『桐の家?よかった!!暉に伝えて。今すぐこれからいう場所へ向かってと。そっちに迎えを寄越すから』
「何があったの?」
『…取引先で天青を邪な目で見ていた人がいるんだ。かなり大口の相手ではあるのだけど』
「え?」
『大きなミスがあったとかで天青が呼び出された』
「そんな…」
『暉に変わって』
「はい」
『動けないの?』
「大丈夫…いきます」
『桐と何かあったの?』
「本当に酔っているだけ」
『本当に動ける?』
「大丈夫です。行かせてください」
『…わかった。うちのボディガードも一緒に寄越すから』
「はい」
『暉!天青をお願いね!俺が行けたらいいんだけど…俺は相手のこと急いで調べるから』
「わかりました」
電話を切り桐さんを見つめる
「桐さん」
「ごめん…なさい…天青を…助けて…」
「解毒剤的なものはありますか?」
「…ある…」
そう言うと注射器に入っている薬を寄越す。
「ありがとう」
「すぐに…効くから」
「桐さん…天青さんのことを思うなら…自分を傷つけるようなことはもう二度としないで…貴方はとても素敵な人です。そんなことしなくたって愛される人なのだから」
桐さんに服を着せながら語りかけた
「でも…俺は…」
「天青さんを譲るなんてことは絶対にできません。諦めてください」
「…わかってるよ…ねぇ…暉さん…どうしてさっき俺にされたこと言わなかったの?」
「言う必要はないと判断したからです」
そのときインターフォンが鳴る。
「ではまたゆっくり話しましょうね。行きますね」
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