桐side 「…でもそんな素振りなかったじゃん！」 「だって桐は誰かを想ってるってこと気付いてたし。俺が普通に口説いたとこで落ちやしない。どうしようもなくその人が好きなんだなぁって思ってたから。だったら側にいられればいっかって思って敢えて口説かなかった」 「え？好きな人いるって気付いてたの？」 「うん。だってパートナーいるっていってたけど幸せそうじゃなかったし本当は他にいてその人と上手くいかない理由が何かあるから仕方なくパートナー作ってんのかなって。まぁその恋も終わったんだしもういいでしょ？俺のになんない？」 「なりません」 「えぇ？即答？…だよね。わかった。んじゃこれから頑張って口説くわ。けどさ桐。困ったときとか悩んだらいつでも頼って。俺じゃ頼りないかもしんないけど」 「…萩くん。俺とやりたい？」 「そうだね。本音はそうだよ。けど…好きだから無理強いはしたくない。」 「…いいよ。抱いてよ。今はそんな気分なの」 「やんねぇよ。ばぁか。無理すんな。…んー …でもそうだなぁ…折角のお誘いだからぁ…これだけ頂戴？」 そう言うと萩くんはキスしてくれた。 「ん…」 「桐さ…キス…好きだよね。よく竹緖くんに強請ってた」 「…」 「知ってる？キス好きな人って寂しがり屋で甘えん坊な子が多いみたいだよ。」 「何情報よ」 「俺の経験値から出た答え？」 「根拠それ？」 「後ね自分に自信がない子…」 「…」 「桐はさ何でそんなに自信ないの？人からの信頼も持ってるし何でも出来る子なのに」 「…近くに完璧な人いたら…」 「あぁ。縷紅？」 縷紅と萩くんは同じ高校だった。縷紅は他校からも噂されるくらい完璧なやつだった。それは物心ついたときからそうで俺の中では絶対的なヒーローだったのだ 「縷紅も…幼馴染みもね。それに父や母も」 「…そうだなぁ。桐は頑張り過ぎたんだね。よしよーし」 「子供扱いしないで」 「もっと甘えていいよ。桐のことだから他の人には出来ないでしょ」 「むー…でも…ありがとう。じゃもっかいキスして」 「了解」 その後も何度もキスをねだった。今は誰でもいいから甘えたかった…萩くんが俺を好きだと言うのは正直信じらんない。けれど萩くんとのキスはとても心地よかった ねぇ。天青くん。俺頑張るね…早く君への想いを思い出に出来るように… 大好きな人…きっとそれは形が変わっていく。けど君を嫌いになんかはなれない…一生近くにいたい…どんな形であっても… 俺も愛し愛されるような相手といつか笑って君たちの側に立てるように 俺も前に進まなくちゃね