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第151話
「ごめんね!お風呂入ってた」
『今日は来れないって…言ってたから連絡控えようと思ったんだけど…ごめんね!我慢できなかった。側にいてくれないのやっぱ寂しかったみたい』
「何でよぉ!今日は時間あったから遊んでるかと思ってたよぉ。俺と会ってたら溜まっちゃうじゃん?だから好み…」
『静音くん!』
これまで聞いたことないような低い声で善くんが言う
『俺の気持ち知っててそんなこと言ってる?』
「わかってるよ。だからさ、俺の気持ちは全く揺れないんだから…諦めてよ!時間の無駄だよ!」
「おい。静くん。その言い方は…」
『男?誰かといるの?』
「友達だよ。今日は楽しんでねぇ。おやすみ」
『静音くっ…』
何となく苛ついてつい電話を切ってしまった。結局何の連絡だったのかはわからない。
その後すぐになったけど音を切ってソファへ放り投げて腰を下ろした
「静くん。今の善くんって人?」
「うん!善くんと初めて出会ったのは…」
それから聞かれてもないのにペラペラと善くんの話を龍に聞かせた。
「だからさ!本当にいい男なの!俺には勿体ないの。だから諦めてくれるように言ったんだけどなぁ」
「…静くん…ねぇ。今どんな顔してるかわかってる?自分が泣いてるのわかってる?」
「へ?…あれ…」
龍に指摘されるまで全く気付かなかった。自分が涙を流していることなんて
「…っ?あれっ…?なんで…?え?あっ…う…」
自覚したら涙が止まらなくなった。本当に意味がわからない…
「ねぇ。静くん。あのさ。静くんもうずっと前から善くんのこと善くんと同じ意味で好きだったんじゃないの?」
「…っえっ?んん…わか…な…い…」
「…静くん…自分の気持ちに気づかな過ぎ。折り返して上げ…」
その時インターフォンが鳴る
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