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第161話

「静音さん?」 「…あ?」 「どうした?静音」 「…何でもないよぉ。俺は帰るからあとはお二人でごゆっくりぃ」 「ありがと。静音さん」 「うん。じゃあねぇ」 二人に背を向けて家路を急いだ。そうしないと涙が零れそうだったから どうして?なぜ?わからない…会えない時の中で何が…俺…俺は… 帰宅してドアを閉めたら立ってられなくてその場でしゃがみこんだ…もう我慢しなくていいから静かに泣き続けた。 失恋ってこんなに痛いの?こんなの知らない…あさちゃんの時とはまた違う苦しみ… 「善くん…善くん…」 どんなに呼んでもここに来るはずもないのに… 「善くん…」 そのまま、泣き疲れ玄関先で意識を手放して朝気が付いたら風邪ひいてた。だっさー…俺 重たい…鉛のように重たい体… 「…これ…やばいなぁ…熱高そう…取り敢えず…シャワー…」 まっすぐ歩けなくて壁に寄り掛かりながら移動して熱めのシャワーを浴びた 今日が休みで良かった…どうにかこうにかシャワーを終えてベッドに潜り込んだ 「きついよぉ…」 心細い…寂しい…助けて… どんなに叫んでも誰もいない…真っ暗闇にもう一度落ちていった 次に目覚めたらまだ体は熱くて… 「喉…乾いた…」 枕元に置いてたミネラルウォーターを取ろうと手を伸ばすけど落としてしまう 「最悪ぅ…もう…しんどいのに…」 ただ落ちただけなのに悪態をつく。 「苦しいよぉ…」 どれだけ泣いてもいつまでも止まらない。心なんて失くなっちゃえばいいのに… 「静音くん。」 幻聴まで聞こえてきた。あぁ…もう!!重症だぁ…こんなにも好きになってるなんて予想外だし…

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