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「……っ、はあ、はあっ……」 息を切らせながら広い国内線のロビーを走り続ける。 眩しいくらいに明るいそこは、残る便数が少ないせいか、まばらにしか人がいない。 「どこだ……航……っ!」 苛立って叫んだオレの目がようやく、搭乗カウンターに向かう、マフラーをぐるぐる巻きにした後ろ姿を見つけ出した。 大きなトランクを転がしながら肩を落としてトボトボ歩いていたかと思うと、何もないところで躓いている。 「待てっ! 航っ!」 オレは手を伸ばす。 その背中に向かって必死に手を伸ばす。 オレはわかってる。 おまえの想いと言葉にどれだけ救われていたか。 本当はおまえに伝えたい言葉が、オレの中にも山ほどあるんだ。 おまえをもう不安な顔にはさせねぇ。 オレは悩みながらも迷いながらも、少しでもでかい人間になるから。 自分の想いを言葉にしても、おまえを絶対に裏切らねぇ人間になるんだ。 「オレもおまえが好きだ!」 そしてオレは、生まれて初めてそのセリフを航、おまえに吐くんだ。 ―――――――終わり 最後までお読みくださりありがとうございました!

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