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第40話 明日を信じて‥

康太は慎一に手を伸ばし…引き寄せた 「誰も…手出しはさせねぇ。心配するな。」 康太が言うと慎一は「はい。」と落ち着いて…答えた 「慎一…」 「はい。」 「お前は…隼人を支えてやってくれ。」 「………!……はい。」 愛する彼女を…亡くし…形見の子供を育てる慎一にしか解らぬ哀しみだから! 隼人を支えろと……康太は言った 愛する人を…亡くても…生きては行かなければ成らぬ…苦しみを…知っている慎一だから ……隼人を支えろと…康太は言った それは……慎一にも辛い作業だった 引き離され…別れた後に…彼女の死を知った時に………後を追おうかと…想った 愛する人を亡くす……悲しみ…絶望… 苦しみ… 今……見ている総てを…要らないと…想った日を… 涙で明日が見えなくて…心が血を流して… 叫んでた… 「康太…オレは…堕ちるしか出来なかった… 絵理と引き離されて…でも何時か…逢えると信じてたのに…彼女は亡くなった… 俺は…その訳も知らない…哀しみと絶望で堕ちた…そんな人間が…隼人を支えられますか?」 慎一は苦悩していた… 「そうか。慎一は絵里の死因は…自殺と…しか……聞かされてねぇのか…」 康太は…呟いた… 慎一は…康太の顔を凝視した 「貴方には…絵里の気持ちが…解るのですか?」 「知りてぇか?」 康太が聞くと…慎一は頷いた 「呼ぶか…それしかねぇか…」 康太は…果てを見て……言った 『その魂なら…転生の順番に入ったので呼べませんよ…』 康太が呟くと紫雲龍騎の声が聞こえた 「無理か…ならば何か…慎一に想いだけでも届けてはくれぬか?」 『やってみます…』 そう言い…紫雲の声は消えた 「慎一、絵理は…お前に子供を与えた 孤独なお前に…家族を与えたかったから…だ。 だけど…出産が…家族に居場所を教えてしまい…引き戻された。 絵理はな、慎一、精神なんて病んではいない。 双子とお前の側に行きたくて、親の目を盗んで何度も家出を繰り返した でも…それに疲れ…自殺未遂を起こした事もある……。 親への当て付けでだ。 そして、そんなある日…絵理の目の前で…双子を連れた母親が転んだ。 絵理は咄嗟に双子を助けたよ…自分の命と引き換えに助けた…。 絵理は…自分の子と重なったんだよ…。 それ位……お前と双子の側に帰りたかったんだ…。それが真実だ。」 慎一は…崩れて…泣いた 『康太…行って参った』 「どうだった?」 『想いを紡いで参った。 今宵…慎一の夢に紡いで入れる…。 記憶の糸と想いの糸を紡いで…夢を見させよう…。それで良いか?』 「ありがとう。悪かったな龍騎…」 『気にするでない。 我も…慎一の力になりたかった…。 これしか出来ぬが…精一杯…紡いで…夢に織り成す…。絵理の想いだ。』 「龍騎…本当に…ありがとう…」 康太の瞳から…涙が流れると…紫雲は… 一陣の風で慰めた 『泣くな…泣くでない…康太… お前が泣くと…桃香も我も涙が止まらぬではないか…』 「龍騎…悪い……。今だけ…許せ…」 『……我に出来ることならなんでもしてやる…。 だから……少ししたら…泣き止むのだ…』 「あぁ。…解ってる」 紫雲の気配は…消えた 「慎一、聞いたか?」 「はい。聞きました…」 「ならば…今夜は紫雲龍騎がお前へ夢を紡いでくれる。 絵理の想いを織り成して紡いだ想いを…お前の夢に織り成してくれる。 それは、間違いのない、久宝絵理の想いだ しっかり受け止めろ 紛い物でも…妖かしでもなんでもない。 絵理の想いだ。 紫雲龍騎が、黄泉まで行き、紡いで来た、絵理の想いだ。」 「ありがとう…ございます…」 「お前に辛い事を…頼む…酷い主なのに… お前は…礼を言うのか?」 「貴方は酷くなんかない。 隼人の気持ちが一番解るのは…俺しかいないから、貴方は言うんでしょ? 俺の心は…今も絵理を失って血を流している…それを知っているから…言うんでしょ? 誰よりも…隼人の心が解る俺だから…隼人の側にいる必要がある…。 隼人は優しさや同情なんて求めてなんかいない… 俺が…そうだから。 それでも…生きて行かなければならないのなら…誰かの支えがいる 俺には貴方が…なってくれた 隼人は…俺が支えます。 命に変えても…支えてやります。」 康太は…慎一の頭を引き寄せた 慎一の頭と康太の頭を合わせ… 「今夜は眠れ…。 何も考えず…目を閉じろ 解ったな?」 「はい。」 「明日からは忙しいぞ。」 「俺は精一杯の想い出を貴方と作ります。」 「あぁ。良い子だ。」 康太は慎一の頭を撫でた 「さてと、明日は、早えぇからな寝るかんな!」 康太はそう言い立ち上がると、榊原が康太を抱き上げた 「三階までお連れしますよ。」 康太は榊原の首に腕を回し…抱き着いた 「伊織は…優しすぎる…」 「君を愛してるので、君優先になるのは仕方がないですよ?」 榊原は、三階の寝室まで康太を運ぶと… ベットの上に寝かせた 寝室の鍵を掛けると…榊原は服を脱いだ 「大人しくは寝ない気か?」 服を脱いだ榊原が…康太の上にのし掛かる… 「寝れませんよ? もう…こんなんですからね…」 康太の目の前に…赤黒く血管が隆起した…榊原の性器を見せ付けられた… 「食べても良いですよ? 僕は君のを、食べます。 さぁ、君のお口で愛してください」 「その前に…キスして…」 言うと…榊原は、康太の口に…息も着かぬ接吻を送った 康太の口腔を…ねちゃねちゃ…と舌が絡み合い…蠢いた 康太は唇を離すと…自ら服を脱ぎ捨て… 榊原の肉棒に…唇を近付けた お口に入れるのは…無理な程…嵩を増した… 榊原の肉棒が歓喜して…康太の手の中で…震えていた 亀頭の口が開き…淫汁を流していた 康太の舌が…その口の中に射し込まれると… 榊原は悶えた 吸い尽くすかの様に吸われ…中を舐められると…思わず…射精しそうになった 「っ…康太…ダメです…イッてしまいます」 康太の秘孔解していた榊原が飛び起きて…康太を組み敷いた… 「ったく…巧くなりすぎです…」 榊原の肉棒が…康太の中に潜り込む… 「ぁっ…まだ…舐めたっ…」 「口で出したら…君の…ここを…掻いてはやれませんよ?」 榊原は腰を使いながら…康太に言うと… 康太は…仰け反った 「あぁん…そこぉ…イイっ…」 榊原のエラだけがくれる快感だった 挿入して…嵩を増した時にだけ…引っ掻いて貰える…快感だった 榊原のカリが開かないと…掻いては貰えない 「イイ…伊織…凄い……イクぅ…ねっ…イッていい?」 康太の腸壁が…榊原を絶妙に…締め付け… 射精を促す… 「良いですよ…僕も…イク……っ…」 榊原は、腰を奥まで打ち付け…康太の際奥に…精液を…撒き散らした… 康太の顔は…恍惚の…色香を滲ませ…イッた 康太の…体内で…熱い飛沫が上がり…肉棒が…ピクピク…震えた 中が…濡れる感触に…康太は…身震いをした 「伊織の…熱すぎるぅ…ゃっ…」 キュッ…キュッ…と身震いする…康太の腸壁が…榊原を締め付け…育てる 榊原は康太の耳の穴をねっとりと舐めあげ… 「君に…感じてるから…熱いんですよ…」 と囁いた すると…康太の中が…煽動する… 「君の中が…僕を欲して…蠢いてます…」 「やぁ…言わないでぇ…」 「君の可愛いのが…僕のお腹に催促してます。」 康太の性器が…再び…勃起して…榊原の腹に…擦り付けていた 「ねっ…伊織…動いて…ねがい…」 「嫌です…まだ、君の中を…楽しみたい…っ!……君は!」 康太の腸壁が…榊原の、カリを絶妙に締め付け…堪らなくする 榊原は、少しだけ…抜いて…それに絶えた… でないと…カタチを、覚えた康太の腸壁が… 悪さをして…射精させてしまうから… 「ゃん…やぁ…もっと奥ぅ…ねっ…伊織…」 「奥にいると…君は…イカせてしまうでしょ?」 榊原の性器が中にあるのに…物足りない… 奥に欲しい… 榊原のカタチに、嵌に込んで…欲しい… 康太のお尻が…もじもじと…動き出す 確かな…モノを探して…動き出す… そのうち…快感が過ぎて…堪えきれず… 康太は…泣き出した… 涙で…潤んだ瞳を向けて… 「伊織が…欲しい…ねっ……ねがい…」 そんな瞳を向けられたら…聞かない訳には行かない 榊原は奥まで…貫いた 「ああっ…イッちゃったぁ…」 康太は貫かれ…カリに掻き回された快感で… 射精してしまった… 「僕は…未だなのに…また君は…先にイッたんですか?」 榊原の抽挿が早くなると…康太は…喘いで… 「またイクからぁ…許してぇ…」と哀願した 惚れた弱味で…許すのは仕方がないが… そんなにイッたら、また気絶は…確実だった この夜も…康太が気絶するまで…行為は続き …気絶した康太の中に…射精すると… 榊原はわざと…抜かずに寝ることにした 疲れ果てていた… 意識がなくなるまで… 榊原に抱かれた もう…お尻には…感覚すら… ………有った… やだっ… 何で…入ってるの… 異物感を…押し出そうと… 腸壁が蠢く… すると…それが…刺激になって… 康太は…目を醒ました… そして…敏感に…尖った乳首が…擦れても… 感じてしまい…よけいに中が…蠢いた 「伊織…伊織…」 康太が名前を呼ぶと…背後に…いる榊原は 康太の乳首を弄った 指で…コリッと引っ掻くと…仰け反り…中を締め付けた 「何ですか…康太。 朝から僕を誘って…凄いですよ? 君の中は?」 榊原はわざと朝まで抜く気がないから、バックから挿入したのだ… 背後から…榊原の肉棒で串刺しにされ…乳首を弄られ… 寝起きの頭が…パニックになりそうだった ピアスの嵌まった…乳首を…弄られると…中が…連動してしまう 「伊織…今朝は…忙しいのに…」 「ならば、イッて差し上げます。 付き合いなさい。」 榊原は康太の腰を引き寄せると…繋がったまま…俯せにして腰を突き出させた 「あっ…イイ…イクぅ…」 康太は…シーツに…性器擦り付け…イッた 榊原は、康太の中へ…流し込み…イッた 最後の一滴まで…康太の中へ流し込むと…榊原は康太の中から…性器を引き抜いた 昨夜から入れっぱなしの…穴が…開いていた 開いた…穴からは…大量の… 榊原の精子が…溢れだし…流れていた 榊原は、その開いた穴に指を入れた… 「ゃっ…止めてぇ…伊織…」 掻き出すと…康太は…震えた 舐めて…舌を挿し込み…指で…掻き出す 中々閉じない穴は…歓喜して…ピクピク…痙攣していた 榊原は康太を起こすと…泣かせてしまった頬にキスした 「ごめんね。キツかった?」 康太は…頷いた 「体を洗ってあげます。許してね…」 康太は…榊原に抱き着いた 愛する男のする事ならば…例え殺されても…文句は言わない… 愛しているのだから…許してしまう… 榊原に中も外も洗ってもらい…支度をしてもらう 支度がすむと、リビングのソファーに座らせ…榊原は自分の支度をして…何時もの掃除、洗濯に精を出す 康太は…ソファーから榊原を見詰め… 元気だなぁ…と思う 抱かれて…康太はクタクタなのに… 榊原は、平然と…何時もの事をこなしていく 康太にじーっと見られ…榊原は康太の方へと行き、膝の上に乗せた 「何ですか?言いたいことが有りますか?」 「伊織…オレの体で…満足してるか? 今回の体は…ちぃさぃからな。 中々…お前の性欲を満足に受け止められない…。気絶するし…。」 不安げに言う康太に榊原は、キスして 「満足してますよ。 康太しか抱けないんですからね…僕は。 満足してるに決まってるじゃないですか!気絶する君は…可愛いですよ。」 「伊織、オレの伊織…」 朝から…熱々だった… リビングを、覗き…この光景を…朝から… 食らった、一生、聡一郎、慎一は…困っていた 一生が「まぢかよ…朝から…熱々かぁ…」ボヤいた 聡一郎は「この二人は…何十年経とうとも…新婚の様に…熱いんでしょうね…」と呟いた 慎一は「独り身は…俺だけだから…何か…淋しいかも…」本音を漏らした 一生は力哉と、聡一郎は悠太と、恋人同士なのに…慎一は…独り身だった 榊原は、一生達の姿に康太をソファーに座らせ…掃除の続きに行った 康太の瞳が…慎一を見る… 慎一の雰囲気が…少し変わっていた 康太は微笑み、慎一に 「夢は見れたか?」と、尋ねた 慎一は康太を頭を下げ、 「はい。見れました。 絵理の想いが…込められた夢を見れました…」と、涙して言葉にした 康太は慎一を呼び、ソファーに座らせた 「絵理は……俺を愛していました…。 死してからも…俺だけを愛してくれてます。 そして和希と和真…を愛して…想いを託してくれました。 絵理は俺に…愛をくれ…想いをくれました。 絵理の気持ちが解って…俺は…絵理を愛して良かったと…想いました。」 「そっか…。良かったな。」 康太は慎一を優しく抱き締めた 慎一は…この人が主で…本当に良かった… と、噛み締めた 掃除と洗濯が終ると、榊原は康太を抱き上げ、キッチンに向かった キッチンには、瑛太と悠太、玲香と清隆がいた 「あれ?じぃちゃんは?」 康太が聞くと、瑛太が 「コオの散歩に行ってますよ。 もうじき帰って来ます。」と答えた 「コオの散歩に行ってんのか…。」 「健康に気を使ってるんですよ。 康太が怒るから…。」 「ちげぇよ!瑛兄がじぃちゃんを脅したんじゃねぇかよ!」 「私は…源右衛門を脅したりはしませんよ!敬ってますから!」 「怖いって…溢してたもんよー…」 「それは、私ではなく、伊織でしょ?」 熾烈な兄弟喧嘩をフラれ、榊原も乗る 「義兄さん!僕は仏ですよ! 義兄さんとは違います! 義兄さんは、執行部の影のフィクサーでしたでしょ?」 「それを言うなら…伊織は鬼じゃないですか…。仏は私です。」 「嫌…義兄さんも鬼でしょ!」 収集のつかない言い合いになって来た… ここ最近、瑛太と榊原は、兄弟以上に仲が良い 京香が、ブチッと切れ 「うるせぇー!さっさと食わんかい!」と雷を落とした 最近の京香は…恐い… 瑛太が「最近の京香こそ、鬼じゃないですか!伊織…そう思いませんか?」と溢すと 「鬼ですね…。 僕の妻の様に優しくはないです。」 「でしょ?私も優しくされたいです。 康太と交換しませんか?」 「嫌です!僕は康太しか抱きたくありません!」 「そうですか…残念です…。」 瑛太が残念そうに呟くと… 京香の怒りのボルテージが上がる 仕方なく…康太が「京香…」とたしなめた 京香は…また盛大に…着けられた康太の首筋のキスマークを見ていた 康太は幸せそうに笑っていた 「解っておる。」と京香は返した 慎一が康太の前に玉露を入れる 慎一は、また男前が上がった 「さてと、今日から、滅茶苦茶忙しいんだよオレは。」と康太が言うと悠太が 「出ていってやる宣言祭をやられるとか…。」と、聞いてきた 「中等部まで知れてんのかよ?」 「貴方のやる事は…(噂が)走るのは速い。」 「追い出される前に、出てってやるんだよ! でねぇと、男が廃る。」 康太は喉を震わせて笑った 「それに、我等中等部も乗せて貰えませんか? 俺も春には高等部に上がる。」 「ならば、中等部の橋を渡れ。 全校生徒に問い質してみろ? 生徒の総意なら…参加させてやる。 但し、今回は俺は中等部の生徒までは守らねぇぜ。 参加するなら…お前等が守れ、良いな!」 「解っております。 貴方の手を煩わせたりはしません。」 「ならば、朝礼の時に来ると良い。」 康太は不敵に嗤うと…玉露を飲んだ 康太は…そう言い家族に… 「今日、隼人に逢いに行く。 その時に…院長に逢うつもりだ。」と告げた 玲香は、康太が院長に逢うなんて…よっほどの事だと…想った 「隼人の子を…産ませる。 そしたら…家族で居られる時間は…少しだけ…出来る…」 家族は…言葉を無くした 瑛太が「6ヶ月ですよね?」と確認するかの様に尋ねた 「そうだ、でも……今出さねば…奈々子は、自分の子供の顔も見れずに逝くこととなる…… それは…やりたくねぇ…。 酷すぎる…。 オレは…流して送ってやろうと想った…。 清香の所へ琴音の魂は送ろうと…想った…。 でも…人の命を…左右する…それは、しちゃぁいけねぇと…弥勒にたしなめられた。 ならば…産ませるしかねぇ…。」 瑛太は…康太を抱き締めた… 「君の背負う荷物は…私も持つと…約束したろ? 兄も背負うから…苦しむな…康太…」 瑛太は…抱き締めた…康太のつむじにキスをした 「お前には伊織もいる。 家族も仲間もいる。苦しむな…康太…。」 「瑛兄…」 「病院にお前が行くのなら、私は病院の駐車場で待っていよう。 礼を尽くさねばな。 飛鳥井の総代として…お前に同席しよう。」 「オレ等は、今、半日だ。 昼には家に帰って、制服を脱いで、それなりの服に着替えてから行く。 すると、4時前には駐車場に着けるように行く。」 「なら4時前には…駐車場で御待ちしております。」 瑛太は康太に…頭を下げると、キッチンを後にした

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