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第49話 想いは続く

榊原は…夢を?を見ていた 最近…何だか…視界がチラチラする… その人の姿に…何かが被る…のだ… それで疲れて…本調子が出なかった… 宝珠を手にした後…辺りから…おかしかった この夜は…康太を抱く事なく…眠りに着いた 深い眠りに入ると…… 目の前に…黒龍の姿が…見えた 黒龍は…最後に見た時と変わらぬ姿で…笑っていた そして…その横には弟の地龍が… 黒龍が「おっ!やっと、お前に逢えたな!」と笑って手を上げた 地龍が「本当に…数千年振りに…見ても重苦しいですね兄さん…」と笑って手を上げていた 榊原は何も言わず…二人を見ていた 黒龍が、地龍を突っついた 「おい…見えてる筈じゃねぇのかよ」 「う~ん、寝てんですかね?」 二人は…戸惑い…ボヤいた 黒龍は「まさか!兄の顔を忘れたとか…?」 と信じられず…呟いた 地龍も「弟の顔を忘れてしまったと言うんですか?」と呟く 榊原は 「いえ…覚えてますよ 我が兄、黒龍と我が弟、地龍 貴殿方にまさか…逢えるとは想いもしなかったので、失礼。」と取り成した 黒龍は「青龍、お前…宝珠をわざと置いて…炎帝と堕ちた…だろ?」と揶揄した 「人になるのに宝珠など不要。我は宝珠より、炎帝を選んだ。 捨てた時点で…持つ資格などないと…置いて堕ちたのに…」 榊原は…心境を吐露した 「赤龍が…お前を心配してるぞ。」 心配してるなら…そこに居るだろ?普通? 「姿を現さないのに…?」 「現せねぇでしょ? 還らぬ弟に焦れて人の世界に迎えに行って住み着いてるから…」 「え!!嘘…」 榊原は…信じられず…呟いた 「嘘じゃねぇって! 嘘言っても得しねぇでしょ?」 黒龍は笑った… 魔界を出た時と…寸分違わぬ笑顔だった… 「青龍、お前さぁ…赤龍を誤解してる。 まぁ堅苦しいお前には…チャラく見えるのは仕方ねぇけどな… お前に一番期待して、誇りに思ってたのは赤龍だぜ。 まさか炎帝と駆け落ちするとは想いもしなかったけどな!」 「…下半身に節操がないタラシでしょ?赤龍は!」 「まぁ…節操はねぇわな お前がいた頃のアイツはまだ本当の愛を知らなかったんだよ 許してやれ」 榊原は押し黙って要件を聞いた 「僕の前に出てきた要件は? 何なんですか?」 「兄弟に逢うのに要件が要るのかよ?」 「…………ただ逢いに来ただけと…?」 「そうだ。」 「そうですか…」 黒龍は「ならば!聞きたかった事を聞こうか? 青龍、お前は本当に炎帝を愛してるのか?」と問い質した 何処かで信じられなかった… 敷かれた決められた人生の上を淡々と生きて来た弟が… 破天荒な炎帝を愛して…一緒に人間界に堕ちた…なんて 信じられずにいた 榊原は黒龍の瞳を射抜き… 「炎帝を愛してます。 僕は炎帝しか愛せません。 この命、尽きようとも、僕は離す気は有りません。 愛して…惚れて…手離せない…。 もう彼に…哀しい想いはさせない! 青龍の時に…彼を軽く扱った…。 そんな想いは絶対にさせない! 愛してる! 彼しか愛せない! 離したくないんです! 離れろと言うなら…僕は彼を殺して…死にます! 彼は僕の命です…いいえ、僕の命より大切だ! もう…無くしたら生きては行けない…。 こんなに愛しいと…愛してると想った事は有りません。 手にすれば…止まらない…位に…抱き潰してしまう…でも止まらない… 愛してるから…抱いて確認したくなるんです」 榊原は…切々と語った まさか…青龍の刹那い心の内を…語られるとは想ってもなく…黒龍と地龍は驚いた 無機質なロボット… 法の番人…青龍 彼に…感情が有ったとは… 誰よりも青龍は真剣に炎帝を愛しているのだと…知らされた 離れろと言うなら…炎帝を殺して…自分も死ぬと…言ってしまえる…愛だった 黒龍は「お前の感情が有るのに驚いた… お前は無機質なロボットみたいな奴だからな…。 何処かで…信じられない想いもあった 愛を知った青龍は…慈悲深く…話が解る様になるなんてな…。 しかも…お前とこんな話が出来るなんて…想わなかった。」と本音を吐露した 地龍も「貴方が…魔界におられる時には、あまり話もしませんでしたね。 何かを話してもバカにされてる…みたいで貴殿方を敬遠してました…。 今の貴方は…変わられましたね。 炎帝がいればこその変化なのですね…」 しみじみ…言葉を綴った 「地龍…君とはあまり話をしませんでしたね 僕はあまり良い兄ではなかった。 黒龍達にとったら、あまり良い弟ではなかった。 僕は…感情や愛なんて要らないと…妻さえ一度も抱いてはいません。 愛した事も…好きと想った事もない。」 榊原の言葉に…黒龍は 「ちょっと待て! お前…妻とはセックスした事ないのか…?」 「ないですよ。 無視して放っておいたら出て行きましたから!」 「なら、子供なんて…出来やしねぇよな!」 「出来ませんね。 僕は炎帝しか抱いてません。 炎帝は抱きましたよ。 人間界に堕ちる迄の4年間…炎帝だけ抱いていました。」 青龍の結婚生活は…人間界に堕ちるまでの…4年と少し…と言う事は… 「おい…4年って……新婚当初から…炎帝と出来てたのかよ!」 「そうです。」 榊原は、サラッと言った 「僕は‥‥家族の誇りでいたかった だから一族の為になるならば‥‥と結婚した だけど愛せませんでした‥‥‥ 家族を裏切っている想いはありました 一族を裏切っている想いはありました‥‥ だけど‥‥総てを敵に回したとしても‥‥ 僕は‥‥炎帝の傍に行きたかった‥‥」 「…………お前の妻…。 お前が失踪してから出産して… その子供は…青龍の息子だと… 後継者の申請してるぞ…。」 「僕が戻る事はないと思ってるんでしょうね…。 僕は…性欲が無かったんですよ。 思春期の頃も…寝てみた事は有りますが… そこまで…良くはなかったので…それ以来…セックスしてませんでした。 だから無理矢理…妻を押し付けられても… 抱く気すらしませんでした。」 と榊原は…青龍の時を思い出し……語った 黒龍は…「なら……あの子供は…お前の子ではない……と。」と言うしかなかった 「一度も抱いてないのに、妊娠するなら…… 僕は凄いですね…。」 榊原は苦笑した 黒龍はビシッと背筋を正すと、地龍も背筋を正した 「青龍、次の転生はない。 魔界に還られる事に決まった。」 「ならば、兄さん、僕の子供なんていたら、炎帝は暴れますよ…」 榊原は、兄と弟に…本心を…語った 「炎帝は僕しか愛しません! 僕を愛してるので、僕を誰かと共有する気なんて、更々ない! 僕も炎帝を誰にも触らせる気もないです! 髪の毛一本、誰にもやりません! 炎帝は、僕のモノです! 僕だけのモノです! 炎帝を手にしたら一晩中でも抱けます。 抜かずに…何回だって犯れます。 自分の中にこんなドロドロとした欲望も感情もあるなんて想いもしませんでしたが、これが僕です。 僕の妻は未来永劫、炎帝唯一人」 そして、晴れやかに榊原は、笑った 黒龍も…地龍も…見た事のない笑顔だった 黒龍は想わず…「うわぁ‥‥一晩中…かよ‥」と呟いた 地龍も想わず…「抜かずに…何回も…」と呟いた 榊原はクスッと笑って 「先日、抜かずの7回やりました」と付け加えた 「お前…本当に…青龍か?」 黒龍は想わず…聞いた 「ええ。僕の如意宝珠で貴方達に逢えたなら、間違いなく四龍が一人青龍に間違いありません!」 秩序と規律を織り成した鎧を着る魔界の法の番人 青龍 その彼が‥‥ 黒龍は言葉もなく 「抜かずで…7回…すげぇな…炎帝…良く体が持つな…」 地龍は…信じられない想いで一杯だった 「黒龍兄さん、貴方の姿が見えてる時点で僕は貴方の弟です… 地龍…炎帝を手にすると暴走してしまうんです…。愛してますからね。」 そう言い榊原は優しく微笑んだ 黒龍はしみじみ榊原の顔を見て 「お前…そんな風に…笑えるんだな 俺はお前の兄として…生きて来たが…そんな笑顔は見た事はなかったな…。 青龍…幸せか?」 「幸せですよ。 幾度転生しようとも僕には炎帝がいた。 辛い事も…沢山有りました。 悲しい事も…沢山有りました。 幸せな時ばかりではなかった。 でもその時…総てに炎帝がいて…僕は炎帝と生きて来た… 炎帝と一緒だから乗り越えられた…。 愛してると…想えば…堪えれた。 痛みと辛さ…楽しさに幸せ…人として生きて来た日々は…僕には大切な時間だったんです。」 黒龍は…目頭を押さえた 「俺は…お前の兄である事を誇りに思う そして、炎帝の友だと言う事も…誇りに思う 無事、帰還される事を願っております。 お前が帰れるように…妻の件は片付けておこう。 炎帝が嫉妬して泣くのは…可哀想だからな…」 兄として黒龍は約束した 地龍も涙を拭った 「今の貴方なら…誰よりも公明正大な裁きが出来る事と想います。 人間界で悔いのない日々を送られる事を願って止みません。 人間界での寿命を全うされましたら、愛する炎帝と……帰還される事を願っております。」 姿勢を正されて言われたら、榊原もそうぜずにはいられなかった 姿勢を正し… 「有り難う御座います。 地に堕ちた…四龍の恥さらしと言われても…仕方のない僕の事を…忘れず…こうして逢いに来て下さった事を、感謝します。 またお逢い出来る日を楽しみにしております」 深々と頭を下げた 「青龍!我が友、炎帝にヨロシクな」 黒龍は、そう言い笑った 「兄さん、炎帝を壊さぬ様に……。 今の炎帝は…ちぃさぃですからね。」 と言い笑った そして……黒龍は… 「さぁ、眠りから目覚めろ!」と呪文を吐いた… 後は…意識を無くし… 白い…世界に…包まれた… 「………り、…り、……伊織!」 ん?……炎帝? 「伊織!起きろ! 伊織!どうした! 腹でも痛てぇのか?」 目の前に…必死な康太の顔が… 寝惚けた榊原は「炎帝?」と…転生前の名を呼んだ 「伊織!伊織!何が有った?」 榊原の視界は…クリアだった そして目の前には…康太の姿が有った 「愛してます。君だけを。」 康太は榊原の唇に…唇を重ね…キスした 「伊織。愛してる。 だから、何が有ったか、吐きやがれ!」 「夢を見てました」 「どんな夢だよ?」 「黒龍と地龍が…目の前にいました。 赤龍は、人間界に住み着いてるそうです。」 「伊織…それ…夢じゃねぇぞ」 「え?夢でしょ?」 「お前…如意宝珠を手にしたろ? アレを手にしたお前に逢いたいと、黒龍と地龍が願えば…お前に逢うのは容易い事だ 逢いに来たんだよ、二人は。」 「なら……次の転生はない。……って決まったって…本当なんですか?」 「………本当だ。 この命が尽きたら…俺達は…還る事となる。 還ったら…お前には…妻がいる……」 「何とかしてくれるそうですよ黒龍が。 僕の妻は未来永劫、唯一人。 君だけですよ。」 「伊織…」 「さてと、起きましょうか。」 「あっ!そうだ。 オレの誕生日…出来なかっただろ? それを週末にやるって、瑛兄が言ってた。真矢さんも退院するし、祝いも兼ねてやるそうだ。」 「なら、康太にリボンを結んで食べてもらわないとね。 生クリームも良いですね。 用意しときます。」 榊原は、何だか楽しそうだ 康太は押し倒されたら起きられないと さっさと支度をして…リビングで榊原を待つ事にした

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