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第61話 日常へ
瑛太が「副社長室に来なさい。」と康太や榊原や一生達を呼んだ
皆は副社長室に向かった
康太はソファーに座ると榊原に抱き着いた
瑛太は「伊織…運転…出来ますか?
出来ないなら車を置いて、後で誰かに持っていかせます。」
「乗って帰ります。
康太は疲れてる…。
僕の膝で寝かせて帰ります」
「伊織……無理はしなくて良いですよ?」
「無理でなく…僕の車には、触って欲しく有りません!」
と潔癖症の榊原ならではの答えに…瑛太は苦笑した
「一生、怪我は痛みませんか?」
「早く帰って康太の血糊を拭いてやりてぇ
見てるだけで…俺はそれが痛てぇ!」
一生は、康太が総てだった…
何よりも康太が傷付くのは…嫌だった…
「では、一生は、私が送っていきましょう
慎一、聡一郎、隼人も私の車に乗りなさい」
「瑛兄…仕事は?」
瑛太は康太の頬に手をあて
「私も君以上に…大切なものなんてないんで、少し位は多目に見てもらいます…」
瑛太は康太や一生達を促し、地下駐車場へと向かう
榊原は、運転席に座ると…手の不自由さなんて感じさせない運転をした
そして飛鳥井の家に帰って行った
飛鳥井の家に帰り寝室に向かった
康太は血に染まったスーツを脱ぎ捨て…ゴミ箱に捨てた
そして榊原のスーツを……康太は脱がせた
血に染まったスーツとズボンもゴミ箱に捨て
下着も…総て取り去ると…
包帯の巻かれた手に、ビニール袋を被せ
浴室へと榊原を押し込んだ
「オレが洗ってやっからな!
風呂の中で…イタズラは…ダメだかんな!」
「………我慢します…」
「傷が開くから…エッチはお預けな」
「嫌です…康太が上に乗ってくれれば…出来ますよ…」
榊原は、康太の耳元で囁いた
危うく榊原の、ペースに乗せられそうになって…康太は慌ててシャワーを、出した
浴槽に湯をため…榊原にシャワーをかけた後に洗った
スポンジでゴシゴシ洗われると…気持ち良くて…ついつい
「康太…此処も…洗って…」
と勃起した…性器を指差して…震わせた
康太は泡の着いた手で…榊原の肉棒を触ると…扱いて…射精を促した
榊原は、康太の体に…白い飛沫を…飛び散らせた…
康太は榊原を、洗い流すと浴槽に入れ
自分の体も洗い、浴槽に一緒に入った
そして、浴室から出ると…榊原の体を拭いて
ドライヤーで髪を乾かし…世話を焼いた
榊原の服を着せ様とすると、榊原に阻まれた
「康太に…世話を焼かれる日が来るなんて…夢にも思いませんでした…。
ねっ…康太、君を抱きたい…。ねっダメ?」
「手を使うから…良くなるまで抜いてやるからな。」
「嫌です!君の中に…入れさせて…。
君の中を掻き回させて…。
僕の開いたカリで擦られるの好きでしょ?
カリの後ろのイボイボで、刺激を与えられるの好きでしょ?
僕のカリじゃないと、君の好きな所は引っ掻けないよ?」
「伊織…やっ…言わないで…」
康太の瞳は欲情していた…
でも怪我したばかりなのだ…無理は…ダメなのだ
康太は……泣き出した…
その瞳から…ポロッと涙が出ると…榊原は我慢するしかなかった
「解りました…我慢します
でも……何日もは無理ですよ?」
「怪我したばかりで無理すれば…治らねぇからな…。せめて2、3日は…手を使うな…」
「なら、康太が出してくれる?
このお口で…出してくれる?」
「出してやるから、無理はするな。
キッチンに行って昼を食って、薬を飲め
そして、早く治せ…なっ?」
「解りました。治します。
康太、日々の生活のサポートだけお願いします。」
「サポート?」
榊原は、服を取り出すと、不自由な手を駆使して器用に服を着た……
「そう。こうして服を着たらボタンを嵌めてくれるとか…で、良いです。
出来る事は自分でします」
「おう。良いぜ!」
康太は榊原の服のボタンを嵌めた
そして、ズボンをホックを留めファスナーを、上げてやった
「何か……君に…ファスナーを、触られるだけで…変な気分になります」
「伊織…耐えてくれ…」
「解ってますよ。」
榊原は、康太の旋毛にキスを落とした
キッチンに行くと、一生達が康太を待っていた
「一生、体を拭いて貰ったか?」
「おう!慎一にやってもらったぜ!」
「オレも拭いてやっからな…早く治せ」
「康太…気にしなくて良いって言わなかったかよ!
おめぇが勝手に刺されて…死にそうになってるのを見る位なら、俺は自分が刺された方が良い!」
「一生…」
康太は…一生を優しく抱き締めた
「それでもオレは…お前達が…怪我をするのは嫌なんだ!
飛鳥井の家の揉め事に…巻き込みたくはなかったんだよ!」
「康太、お前は前を進め
俺等は、お前の進む道に邪魔がいたなら排除する!
だから前だけを見て進めば良い
邪魔物は…俺等が排除してやるから!」
一生が言うと聡一郎も康太を抱き締め
「僕等はそうして生きて来たでしょ?
これからも変わりません!
君の行く道の邪魔をするならば!
総て排除する…それが僕等の存在です!」
隼人も康太に抱き着き
「お前が傷付かなくて良いならば、オレ様は自分の身を差し出してやる!
オレ達は、そうして生きて来た
我等は四悪童として生きて来た!そうだろ?」
確かな絆が…そこに在った
辛い時も…悲しい時も…死にそうな時も…
楽しい事も…幸せな時も…
分かち合った仲間がいた
「一生…聡一郎…隼人…」
康太は堪えきれずに…泣いた
一生は「お前には旦那もいる、俺等もいる、そして慎一もいる!
捨てて行こうとするならば、阻止する強者ばかりだぞ!どうするよ?康太」と笑った
慎一が「席に着きなさい!伊織と一生が薬が飲めないでしょ!」と怒った
康太は席に着くと、慎一が榊原の椅子を出して座らせた
そして、食事を置かれて行く
榊原の所には…ホークとスプーンが置かれてた
「伊織、オレが食わせてやんぞ」
「………慎一、僕は左右同じ様に使えるので、箸で構いません。
康太、あ~んしてってのなら勘弁願います」
「世話の焼きがいのない奴だ…」
「……世話、焼きたいのですか?」
「怪我した時は…な。」
「……慣れてないのですよ…僕は…。
子供の時から…自分の事は自分でして来ました
中学から寮に入りましたから…。
何でも出来る子は…あまり構われないんですよ?」
「少しずつ慣れろ!」
「……努力してみます。」
榊原が言うと一生は
「そう言えば旦那は何でも完璧を求めるから、同室者は逃げたしてたよな?」
と、思い出し笑いをした
「朝早くから掃除に洗濯、そして夜中まで勉強。
そんなんやられたら同室者はたまんねぇよな…。
出来すぎなんだよ旦那は!」
「………僕の同室者は皆…僕と同じ空間で息をするのも嫌みたいでしたよ?
1ヶ月と持ちません…。
息が詰まって死ぬ…とまで言い出した奴がいましたからね!」
榊原はため息を着いた
「僕は…小学校の頃から家の掃除が好きでやってました。
そしたら、母に…嫌がられました…。
母は僕に…その性格を直さないと康太に捨てられますよ!とまで、言いましたからね」
榊原が淋しそうに言うと康太は大爆笑した
「伊織の気の済むまで掃除しろ!
足りねぇなら一生の部屋もあるぞ!」
康太が言うと一生が
「ちょっ!バカ!余計な事を言うな!」と怒った
「そう言えば…貴方、昔っから掃除、嫌いでしたよね?」
と榊原が想いに耽いり、言葉にする
「掃除してんぜ!
今の時代には便利なワイパーモップってのがあるからな!」
「安心して下さい!
貴方の部屋までは掃除はしませんから!」
そう言い榊原は、黙々と食事を始めた
康太もガツガツ、ポリポリと食事を始め、皆が食事を始めた
そして、食べ終わって、少し経つと慎一が榊原と一生の薬を用意した
慎一は「明日から毎日、学校が引けたら病院に消毒に行きますからね!」と告げた
慎一に言われれば…仕方なく…頷いた
薬を飲んで、寝室に戻ると…榊原はベッドに寝かされた
薬が効いて…暫くすると眠くなって…眠った
康太も榊原に抱き着き…眠りに堕ちた
榊原は無意識に…胸の中に収まる…暖かな存在を探る
そして……確かな暖かさを確認すると…
深い…眠りに堕ちた
康太…何処へも行かないで…
君のいない世界には…
僕は…一秒もいたくない…
急に眩しい光に襲われ…瞳が開けられなかった…
徐々に目が慣れると…
榊原は肘を着いて、少しだけ体を起こしてドアの方を見た
ドアには瑛太と清四郎と真矢と笙が立っていた
瑛太が「ノックしましたが、応答がなかったので、ドアを開けました。
傷は…痛みますか?」と心配そうに声をかけた
「君に怪我をさせてしまったので、清四郎さんに詫びに行きました。
そして、お連れしました。
康太は?隣で寝てますか?」
榊原は布団を捲ると…榊原の胸に顔を埋め眠る康太の姿があった
隙間もなく…榊原の擦り寄る姿に…
二人はこうして…寄り添って…支え合い…生きてるのだと…想い知る…
「康太は泣いてましたからね…疲れたみたいで、薬を飲んで寝てる僕より爆睡です。
起きますから、下で待ってて貰えますか?」
と、榊原が言うと、瑛太はドアを閉めた
榊原は康太を起こした
すると寝惚けた康太が榊原に擦り寄った
「康太、僕の両親と兄が来ました。
服を着て下に行きましょう」
と声をかけると、康太はやっと目を醒ました
起き上がると、ソファーにかけた服を榊原に渡した
そして自分の服も着る。
振り向くと…榊原は……包帯から出ている指先を使い、ボタンまで嵌めていた
本当に…世話のかからない男だった
康太が拗ねると榊原は苦笑して、
「康太が上に乗ってくれれば…甘えてあげますよ。」と優しく囁いた
康太は仕方なく榊原と共に一階の応接間に向かった
応接間に行くと、全員いた
父も母も兄も祖父も一生達も、榊原の家族も揃っていた
康太は応接間の中に入って行くと、何時ものソファーに座った
今の康太は……寝起きと…ショックからか幼い顔をしていた
榊原の服の端を掴んで座る姿は…他所に御呼ばれして、緊張して親の服を掴む子供の様だった
康太は清四郎と真矢と笙に頭を下げた
「オレは…見えていた…なのに…傷を追わせた…。
本当に…すみませんでした…」
康太の瞳から…涙が溢れ…流れた
榊原は、康太の頭を引き寄せると抱き締めた
「康太は僕をエレベータの中に閉じ込めたんですよ!
傷をしない様にエレベータの中に閉じ込めた
僕は…足を挟み込み緊急停止ボタンを押して、ドアをこじ開けて、康太の所へ行き、突き刺さるナイフを握り締めたので、康太に非は有りません!
僕は康太が傷付く位なら、命を投げ出して刺された方が良い!
何たって、僕の性格に堪えられるのは…康太しかいないじゃないですか!
僕は愛する康太を失うなら死にます!
父さん、母さん、兄さん、僕はそう言う人間なので諦めて下さい」
榊原が言うと、真矢は
「もう、とっくの昔に諦めてますよ。」
と溜め息混じりに呟いた
清四郎は、飛鳥井の家族に
「息子が、無謀な事をして本当に申し訳ない
伊織は康太の事になると、見境が着きません…。許してやって下さい」
と頭を下げた
瑛太は「頭を上げて下さい!勿体ない…。
飛鳥井の会社での不祥事は社長の私の責任です。」と謝った
清四郎は、瑛太に「社長になられたのですか?」と問い質した
「はい。4月から私は社長になります。
父は会長になり、副社長には伊織がなります。」
清四郎は、えっ!と驚いた
「伊織が…副社長……本気ですか?」
「本気です!
会社でも既に実績があり株主総会でと満場一致で可決されました。
決定です。
本人も、納得してくれたので4月からは、副社長です。」
「………こんなに性格が難ありまくりなのに……飛鳥井の方々に大切にされて…伊織は幸せです…」
感激する清四郎に瑛太は、榊原の家族の中でも、榊原の性格は違和感を感じていた
だから敢えて問い掛けた
「清四郎さん、伊織は誰に似ているのですか?」
「伊織は…我が兄…榊原一葉に…そっくりです。
若くして亡くなった兄に…伊織は…生き写しです。」
「お兄様がおられたのですか…」
清四郎は、胸ポケットから兄の写真を取り出し、瑛太に渡した
そこは…飛鳥井瑛太が…笑って写っているかの様な出で立ちだった
「兄は…私を庇って…死にました…。
正義感が強く、綺麗好きで、融通がきかない頑固者でしたが…誰よりも優しく…潔かった
その兄に伊織は…生き写しなんです
兄は…役者になりたかった…私はその意思を継ぎ役者になりました…。」
瑛太は写真を榊原に渡した
榊原は、受け取った写真を見て……
これは自分と言うより…瑛太ではないか…と、ボヤいた
榊原は、父親に写真を返し、優しく抱き締めた
「父さん、僕は生きてます。
取り敢えず性格には難がありますが、飛鳥井の家では重宝されています。
僕は妻を養う為に飛鳥井の副社長になります。
そして、僕達の子供が明日の飛鳥井を担って行く。繋がって行くんですよ。」
「伊織……」
榊原は、父親から離れると、康太を抱き上げ膝の上に乗せた
康太は榊原の首に腕を巻き付け…離れなかった
儚く…幼い…康太を見れば…心が痛む…
笙は「康太が可愛すぎる……犯罪だぞ伊織」と揶揄した
真矢も「康太ちゃんは、中学生にも見えるんですもの…犯罪よね…」と揶揄した
榊原は「母さん…」と嫌な顔をした
真矢は「幾ら何でもナイフは握っちゃダメよ!康太ちゃんに刺さるでしょ!
そう言う時は足で蹴り上げるのよ!」
とアクション好きを丸出しにして言った
「母さん、手で掴んでしまったのは仕方ないでしょ?」
「伊織、護身術に通いなさい!
そんなんでは愛する康太を守れませんよ!」
母は…どこまで行っても厳しかった
康太は玲香に「母ちゃん、デリバリ取ってよ。お酒もね」と言うと、清四郎は、
「帰るので、良いです!」と辞退した
「明日は朝からロケです。妻の真矢も仕事を入れました。
ですので、今日はこれで失礼します。」
と丁寧に断り、榊原の家族は帰って行った
康太は「腹減った…」と溢し…皆、キッチンへ向かった
夕飯を食べ、慎一が榊原と一生に薬を飲ませた
薬を飲んだのを見届けて、康太は榊原と共に自室に帰って行った
榊原は康太の温もりに触れ、幸せに浸りながら目を醒ました
時計を見ると朝の6時前だった
榊原は腕の中の康太を抱き締めた
康太の旋毛に顔を埋めると…股間が…反応した
ムクムクと勃起する感覚に…榊原は身震いした
硬く、聳え立つ肉棒を…康太の体に…擦る…
康太の腰を抱き寄せ…康太の腹に…擦ると…
康太の性器も勃起していた
「伊織…ゃっ…」
康太の性器に…榊原の肉棒を擦り付ると…ぬちゃ…と濡れた音がした
腰を引く康太の体に脚を絡め…股間を押し付ける
「ぁ…康太…君が欲しくて…こんなんだよ」
「伊織っ!口で…するから…あぁっ…」
「お口じやなく…君の中へ…入れさせて…」
「乗るから……イッちゃうから…擦らないでぇ…」
康太の体を解放すると、康太は起き上がった
「待てないので、僕にローションを垂らして、入り口に擦り付けなさい…少しずつ…濡らして…慣らして…」
康太は言われる通りに、榊原の肉棒にローションを垂らして濡らした
そして、その上に跨がり…肉棒で穴を抉じ開け、襞を解した…
ぬちゃ…ぐちゃ…と卑猥な音が部屋に響く
体を弛緩して…自らの穴を開き…榊原を受け入れる
少し解すと…ぐちゅぐちゅ…と言う音を立て…榊原の肉棒を飲み込み始めた
康太は自ら腰を使い…イイ所に擦り付け…
腰を廻す…
榊原は、焦れったくって、下から突き上げた
それが刺激になり、腸壁で肉棒を締め付けられ…
思わず…榊原はイッてしまった
康太より早かった…
「酷い…康太…その締め付けは…ァッ…緩めて…康太!またイッちゃいます」
康太の腸壁がうねり、締め付ける
その締め付けに合えば…呆気なく…射精してしまう…
康太は、榊原の精を搾り取るかのように…締め付けイカせた。
榊原は康太の乳首に吸い付き…甘えた
「康太…愛してます…」
乳首を吸い上げると、康太は……堪らなく射精した
そんな康太の首筋を吸い…紅い痕を散らす…
感じる康太の締め付けに…榊原は思わず…また…イカされ…イキ続けた
榊原の性器が…力なく…萎れるまで……搾り取り…康太は2回イッた
とても、不本意な…イキ方に…榊原は拗ねた
「僕が…康太をイカせたかったのに……
君の締め付けに合ったら…イッてしまいました。君を感じさせて…あげたかったのに…」
「オレは伊織が挿れば、それだけで感じる…
伊織に愛されてるって思えば…感じすぎる
たまには…なっ!イカされるのもイイだろ?」
「覚えといて下さいね!手が治ったら…
泣かせまくりますからね!」
「何か……それは……嫌かも…」
「浴室で…僕の精液を出す所を見せて下さい
君の指で掻き出して…行く所を…見せて、ねっ」
不自由な手に、ビニール袋を巻き付け、浴室へと康太を急かす
康太は……湯気の立った浴室の壁に手を着き
脚を広げ…穴に指を挿し込み…掻き出していた…
榊原は、その様を、浴室の床に座り見ていた
「もっと指を入れないと…出ないですよ
僕の、肉棒は、そんなに短くは有りませんよ」
卑猥な言葉で…康太を責める
「伊織…助けて…ぉねがっ…」
「僕は手が使えませんよ?
さぁ…もっと指を入れて…こうして掻き回すんですよ」
榊原は、康太の穴に指を押し込み…掻き交ぜてやると…康太は…浴室の壁に…精液を飛ばした
そして……ガクガクの膝が崩れ…床に…崩れ落ちた…
「犬の様に……手を着いて…お尻をこっちに向けなさい」
榊原に言われる通りにすると、怪我してない方の指が入れられた
そして掻き回して…精液を出して行く…
康太の前立腺を刺激して…引っ掻く…
すると…床に…康太の白濁した液が…飛び散った…
「良いですよ。さぁ、僕を洗って下さい」
ヨレヨレの康太を駆使して、榊原は体を洗ってもらう
康太は榊原を洗い、自分の体を適当に洗うと…シャワーを浴び…浴室を出た
これ以上…入ってたら倒れる…
榊原は苦笑して康太の体にバスタオルをかけた
そして、自分の事はさっさと片付け、康太を拭いてドライヤーを、かけてやった
学校に行く支度をすると、榊原は、日課の掃除と洗濯を難なくこなし、不自由さを感じさせない動きで…動いていた
康太がソファーに座ってると一生が姿を現した
「おい!何で制服着てんだよ!」
康太が怒っても知らん顔で…一生はソファーに座った
「そんな傷で学校になんて無理だ!
休め!一生!」
「嫌だ!宣言祭があんのによぉ休んでられっかよ!」
康太は一生の頭を引き寄せた
額を合わせて…逃げられなくすると…
「無茶すると入院だぜ!寝てろ!力哉を着けてやるからよぉ!寝てろ!」
「嫌だ!お前が動く時、俺は動く!
お前の行く道を邪魔する奴は、俺が排除する!それだけは!何があっても譲れねぇんだよ!」
「お前は…本当に…バカだな!」
康太は一生の唇をペロッと舐めた
「消毒には、ちゃんと行けよ!」
「解ってる。……所で…旦那は…朝から元気にエッチに励んだのかよ?」
「何で?」
「首筋に…新しく吸われた痕がある…」
「………上に乗って…って言うからな
惚れた弱味だ…仕方がねぇ…」
「本当にお前は…アイツが好きだからな…」
一生は優しく康太を抱き締めた
榊原は、その光景を、優しい瞳で見ていた
「一生、学校に行く気ですか?」
榊原が、一生に問い掛ける
「おう!休んでられるかよ!」
「無理はしないで下さいね!
さぁ、キッチンへ行きましょう」
康太は榊原の傷付いてない方の手を握り、歩いた
「オレ、腹減った…。」
「でしょうね。エッチの最中にお腹の虫が鳴ってました」
榊原が言うと一生は「腹の虫鳴ってるのに…勃起するとは…すげぇな。普通なら萎えるぞ」と感心した
「康太を手にすれば、腹の虫なんか気にもなりません!」
榊原が言うと「マニアだ…」と一生は揶揄した
キッチンへ行くと制服姿の一生に……皆が驚いた…。
瑛太は「大丈夫なんですか?」と問い質した
「康太が動くのに俺が寝込んでて、どうするよ!
康太の道の前を行くのが、俺等の務め!
寝てられっかよ!」
「消毒には行きなさい!」
「慎一が、見張ってるからな、それは行く」
瑛太は榊原の方を見て
「伊織も学校に行きますか…。無理しない様に…しなきゃ治りませんよ!」と、制服姿の榊原にも釘を刺しといた
朝からスッキリして……愛し合いました…と言う顔をして…負傷しても…やりますか…と言う感じだった
今朝の康太はガツガツ食べて沢庵をポリポリ食べていた
康太は力哉に
「戸浪の若旦那との会食を予定に入れといてくれ。後、笙のCMを撮るからな、夜には飛鳥井の家に来させてくれ。」と指示を出す
力哉はタブレットを取り出すと、スケジュールの管理を始めた
「力哉、一生を学校まで届けといてくれ
オレは貴史の所へ寄って歩いていく」
「解りました。」
「当分、一生は送り迎えだな。」
「 冗談!俺は康太と一緒に行く」
康太は立ち上がると、「無理したら入院させるぞ!」と脅しを入れた
一生は……諦めて、口を尖らせた
康太はその唇を舐めてやった
「なっ!舐めんじゃねぇ!おめぇはコオかよ!」
「力哉に乗せてって貰え!」
康太は笑うと、玄関へと向かった
兵藤の家へ行くと兵藤が家の外に出ていた
康太の姿を見ると兵藤は、走って近寄って来た
「会社で殺人未遂事件があったってニュースでやってたから、力哉に電話したら…取り込んでるから、明日、本人から聞けって…言われた…。誰が刺されたんだよ!」
「一生がオレを庇って肩を刺された…
伊織がオレに降りかかるナイフを…握り締め…手を怪我した…。」
「だから、一生はいねぇ…嫌…いるじゃん」
兵藤がそう言うと…皆は驚いて
えぇぇぇぇぇ!と叫んで…振り向いた
そこには…一生が……困った顔して…歩いていた
「なっ!何だよ!」
一生が怯んだ…
兵藤は「刺されてんだよな?」と康太に聞いた
康太は「あぁ。何針か縫ってんぞ!肩には包帯が巻き付けられて…傷してる…」と答えた
「歩けるのかよ?」
「みてぇだな。オレは止めとけ!って止めたぞ!しかも力哉に乗せてって貰え!って言ったかんな!」
「言うこと聞かねぇのが…緑川一生だからな…仕方ないしょ?」
康太は榊原の服の裾を引っ張り、顎でしゃくった
榊原は自分を指差すと…康太は頷いた
仕方なく榊原は一生の前へ行く
「怪我人は、大人しく言う事を聞きなさい!」
「おめぇも怪我してんじゃん!」
一生に言い返され…榊原は戻って来た
兵藤は笑って一生の横に行くと
「どっちを刺されたんだ?」と問い掛けた
一生は、右側の背中辺りを指差した
兵藤は「右背中か…康太を庇って…盾になったか…」と呟いた
盾にならなければ…右の背中は…傷付かない
康太に刃先が及ばないように…全身で庇えばこその……負傷だった
「なら、ゆっくり歩いていくぜ!」
兵藤は、一生の鞄を然り気無く取り上げ歩く
「おい!貴史!」
「気にすんな!康太、後3日だ気を抜くなよ!」
「おう!何の為に始めたんだよ!
オレ等の痕跡を遺す為だろうが!
歩みを止めてどうするよ!行くぜ!貴史!」
康太と兵藤は、風を切って歩く
その歩みは…着実に…確かな手応えがあった
その日も…校門には沢山の生徒が出ていた
その中に、戸浪万里と千里が…生徒に紛れていた
康太は片手をあげて…横を通りすぎて行く…
その中に…飛鳥井悠太も紛れて…その姿を見ていた…
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