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第71話 卒業式制作 5日目
「伴侶殿、康太の体の中から…蓄積された毒は抜いておいた…。
昨夜、見て解られたであろう…。
均衡が歪めば…あの結界は張れはしなかった
内臓に侵食した毒は…追々抜いて行かれれば、今世は、早死にする事はないであろうて…
伴侶殿には重なる無礼を此処で詫びようぞ…。すまなかった」
弥勒は榊原に深々と頭を下げた
榊原は、慌てて弥勒を止めた
「止めて下さい!
康太を想えばこそ…ならば、僕は許せます。
本当に弥勒、紫雲…有り難う御座いました」
榊原も深々と頭を下げた
「弥勒はどうされます?
帰るのであればお送りします!」
「ならば、送ってもらおうか…。」
弥勒が言うと、榊原は微笑んだ
そして、康太を抱き上げると…本殿を後にした
康太を助手席に座らせて、弥勒と一生と兵藤は、後部座席に乗り込んだ
菩提寺を後にして…弥勒の家へと向かい、家の前で下ろす
「伴侶殿…助かり申した!
また、康太と顔を見せに来てくだされ!」
「ええ。それではまた!」
榊原は車を出すと…飛鳥井の家へと向かった
駐車場に車を停め…車から降りると、瑛太が飛び出して来た
榊原は「帰りました!」と、疲れた顔で言うと、瑛太に康太ごと抱き締められた
一生と兵藤に労いの声をかけると、兵藤は、自宅に帰っていった
榊原は、飛鳥井の家に入っていくと…三階の自室に戻った
寝室の鍵を開け…ベッドに康太を寝かすと…接吻した
「目を醒ましなさい…康太…」
榊原が呼び掛けると…康太は…目を開けた
康太の頬に手をあて…榊原は、額をあてた
「康太…愛してます…君だけを…」
「伊織…夢を見てた…」
「どんな?」
「魔界に帰った…四龍の夢…。
風馬に尻尾を咬まれた…青龍の夢だ…」
「………康太…それは、夢ではないですよ
君が愛してくれた蒼い龍の尻尾を…バカ馬が咬んだのですよ!」
「綺麗だったな…弥勒が見せてくれたんだ…
オレと弥勒は…覇道を結んである…だから、思念を送れ合うんだ…。
弥勒の思念が…眠るオレの中に…流れ込んでいた…。
初めて…あの湖の前にある、お前の家の中を見たな…
湖に聞こえるピアノの音は…青龍が弾いていたものだろ?
部屋のど真ん中にピアノとは……」
「還ったら…あの家で暮らしましょうね
黒龍に頼んでおきました…家具とか揃えてくれる様に、ね!」
「本当に…青龍は、誰とも暮らしていなかったんだな…」
「僕は嘘は着きませんよ?」
榊原はそう言い康太に口吻けた
そしてさらに続ける
「言ったでしょ?
妻なんて名ばかりで、一度も抱いた事すらない…って。
僕には…性欲が無かったんですよ!」
日頃の…榊原の行動を考えれば…その台詞は絶対に当てはまらない…
「誰かを抱きたいとか…性欲を押さえられない…なんて…君を知るまで…有り得ませんでした!
妻なんて…初夜すら…なかった
五月蝿いから適当に、はい。はい。言ってたら……気が付いたら結婚してました
初夜にベッドの上で…勃起すらせず…
妻の性器を見て…処女ではないのですか…と、非難したら…逃げていきました…」
あまりの酷さに…康太は…現実の恐ろしさを知った
「愛と言う事が…理解すら出来なかった…
だから、机上の空論を振りかざして…規律を正して…来てしまった…」
「今なら…解るのにな…」
「そうですね。今なら…僕は愛を知っているので間違いません!
新婚当初から…僕が抱いていたのは…君ですからね…
僕が…如何に…誰も抱いてないのは…君の体が…一番解ってるでしょ?」
「…ゃ…学校に行けなくなる…」
榊原が熱い股間を…康太に押し付けた
「解ってますよ。
トイレに行くので…少し待ってて下さい…」
と、離れようとすると…康太が榊原を掴んだ
「シャワーを浴びよう…。
そしたら…口で…ねっ…。」
「無理しなくて良いですよ!
なら、洗ってあげます。
そしたら、学校に行きましょう。」
「無理じゃねぇ…。」
「でも、目覚めたばかりでしょ?
僕は無理はして欲しくないんですよ!」
榊原は、康太を浴室へ連れていき…洗った
康太が…榊原の股間を見ると…そこは大人しく…通常のサイズをしていた
この男は…どれ程の理性で…その欲望を押さえているのか…
康太は…榊原の性器に手を伸ばした
「康太…ダメですよ!」
やんわり擦り抜け、自分の体を洗う
そして、浴室を出ると…何時もの様に…
康太の髪を乾かし…先に康太の支度をして、制服を着せた
「伊織…飲みたい…」
榊原を誘惑する
これ位誘わないと…鉄壁の理性は…崩せない…
「康太…僕を…苛めてますか?」
「オレはお前の妻だぜ!
夫の精液を求めて何が悪い!」
「康太…」
抱き締めて…貪る接吻をする
康太は…榊原の剥き出しの股間に吸い付いた
榊原はまだ着替えてはいなかった
舐めて…扱いて…吸うと…愛液で…口の中が…粘りつく
康太は、上目使いで…榊原を見ながら…舐めた…
すると…堪えきれず…康太の口の中に…精液を撒き散らした
「っ…ん…康太…」
イッたのに康太は…榊原の性器を離さなかった…
「康太…離して…これ以上は…良いです…」
「伊織が…欲しくなっちゃった…」
ドキッとする欲情した瞳を向けられ…康太の手の中の…榊原の肉棒が膨れ上がる…
それを理性で…押し止める…
「君の中を…今、汚せば…僕は止まれませんよ?
そしたら、学校へは…行けませんよ?」
「理性が有りすぎ…」
その言葉に…榊原はキレた
貪る接吻を康太にして、乳首を弄った
「僕が…どれ程の理性で…この衝動を押さえているか…君は…知らない…
君の作る卒業式でしょ?
僕は…我慢するしかないでしょ?」
辛そうに…吐き出される言葉に…康太は胸が苦しくなった
「康太…僕は君に触れば…何時でも欲しくなる…欲しくて…欲しくて…堪らない…」
「ぁぁっ…伊織…欲しがって…オレを…欲しがって…んっ…」
「ゴムを、嵌めて…一度だけ…。
そしたら、学校に行きましょう…」
「生が良い…例え…ゴム一枚でも…お前を感じられないのは…嫌だ…」
「止まれませんよ?
そんなに可愛く誘われれば…僕は…もう………限界だ…」
榊原の指が…着せた康太の制服を脱がした
ツンと尖った乳首を舐めて…体を弄ると…康太の体が跳ねた
「伊織…欲しくって…中が止まらない…」
康太は腰を擦り付け…訴えた
康太の目の前で…榊原は自分の指を舐めた
そして、その指を…康太の秘孔へと埋め込んだ
康太のヘソを舐め…性器を舐め…中を…掻き回す…
「ねっ…挿れて…イッちゃうから…」
「康太…僕のは…既に傘が開いてます…痛いですから…一度出します…握って…」
「痛くても良いから…欲しい…」
榊原は康太の手を取り…を握らせた
その上から…榊原の手が包み込み…オナニーをする
「康太…こんな開いたのを入れたら…立てれませんよ?
ねっ…我慢して…イキます…ぅっ…」
康太の手の中に…榊原の熱い白濁が吐き出された…
吐き出しても…榊原の肉棒は…強度を保って聳え立っていた
「康太、僕のに…塗り付けて…そしたら、あげるから……」
康太の手の中の肉棒に…精液を塗り付ける…
榊原の手に飛んだ…精液は…康太の穴に塗り付けた
そして、康太の脚を…広げ…康太の穴を肉棒で解しにかかった
濡れた先っぽで…穴を…解す
奥まで挿れて欲しいのに…肉棒は…少し挿って出て行く…
焦れったくて…康太は喘いだ
「奥に…ぁぁん…もっと奥に…」
「解し足りないと切れますよ?」
「痒い…奥が…疼く…ねっ…掻き回して…」
榊原は、奥まで…貫き…康太の体を抱き締めた
康太の脚が…榊原に、絡まる
榊原は、康太の首筋に…むしゃぶり着きたくて…舐めた
制服やスーツに隠れぬキスマークは……着けぬように…気を付けていた
でも、康太の首筋や鎖骨を見れば…噛みたくて…
でも……胸の少し上を吸い上げた
「ぁっ…イイッ…伊織の傘が…イイ所に当たる…ゃん…」
榊原は、抽挿を早めた…
「康太…イキます…一緒に…」
榊原は、康太の中から抜いた…
抜いて…康太の腹に…射精した
康太は…自分の腹に…射精した…
学校が有るから…榊原の配慮だと解るが…
欲張りな自分は…榊原の総てを…欲しがる…
康太は…起きると…浴室に向かった
こんなんなら…やらなきゃ良かった
夜まで待てば…でも、体を心配する榊原だ
身も心も…交われはしないかも…
「康太…待って!
何が気に食わなかったんですか?」
榊原が浴室まで追ってくる
「学校に行くぞ!」
「嫌です…君が…怒ってるのに…離したくない…」
「オレは欲張りなんだよ!
お前の総てが…欲しくて…堪らない…外で出されるのは嫌なんだ…!
そんなんなら抱かれない方が良い…」
「抱き潰してあげます!
泣いても抜きません!
君の中を…僕の精液で溢れさせてあげます!覚悟なさい!」
浴室の壁に…手を着き…お尻を出した状態で…繋がった…
ガシガシ…康太の中を…掻き回して…射精した
康太は…壁に…精液を飛ばした…
射精すると…康太は…床に崩れ落ちた…
床に崩れ落ちると、榊原の膝の上に乗せられ…下から突き上げられた
幾度も幾度も…中を…蹂躙され…中に吐き出された
そして……幾度目かの…責めに…康太は根を上げた
「ゅ…許してぇ…伊織…ゃっ…ダメぇ…」
「君が…欲しがって…火を着けたんですよ?
僕はセーブしたのに…君が欲しがった」
「だって…欲しかった…あぁっ…もぉ…ねっ…」
康太の悲鳴が…浴室に響いた…
いい加減…逆上せて…意識が…なくなりそうだった
体を洗って…浴室から出て支度をする頃には…10時は回っていた
「立てれますか?」
「ん…何とか…」
「だから言ったでしょ?
辛くなりますよ…って…」
「……でも…欲しかったんだもん‥‥
身体中で…伊織を感じたかった……」
「…ベッドに戻りますか?」
流石と…それは嫌だった…
「…それは…無理だもんよー」
「…言い出しっぺが遅刻では…
示しが着きませんよ?」
「伊織…意地悪すんな…」
榊原は、康太を抱き締めた
そして、唇にチュッとキスを落とすと
「一緒に謝ってあげますからね。」
と康太を、抱き上げ…一階へと向かった
キッチンには、一生と隼人が待っていた
しかも…兵藤までいた
兵藤は「怠そうだな…濃いなお前等は…」と、ボヤくと一生が
「何時もの事だ…。
二人がイチャイチャしてねぇと、逆に気になる…。」と、返した
「そう言うものか?」
「あぁ!そう言うもんだ!気にするな!
康太が愛され疲れなら良いが、全くエッチしねぇ状態になったら…逆に心配じゃねぇかよ!何があるのか…見通しが着かねぇからな…」
一生の真剣な物言いに兵藤は笑った
その横で、康太は沢庵をポリポリ食べながら…ガツガツご飯を食べていた
静かに榊原は、珈琲を飲み、サラダを食べていた
「悪かったな…貴史…。
言い出しっぺなのに…。遅刻だ…。」
康太は…兵藤に謝った
榊原も「貴史…康太は悪くありません…。
総ては…僕の暴走です…すみませんでした」と謝った
「気にすんな!
清家と聡一郎と慎一が動いてる
康太は体調が悪いのは…全校生徒が知っている…。」
「貴史、僕は康太を主治医の病院に連れて行くので車で行きます!
一緒に行きましょう!
帰りは一生が力哉を呼ぶので、それに乗って帰って下さい」
「解った!なら行くとするか!」
立ち上がると…康太は榊原に抱き着いた…
榊原は康太を抱き上げ…駐車場へと向かう
助手席に康太を座らせると、後部座席に一生と隼人と兵藤が乗り込んだ
運転席に乗り込み、エンジンをかけると、榊原は車を走らせた
学園の駐車場に着くと、康太は助手席を降りた
兵藤も榊原も一生、隼人も車を降りると、榊原はロックをかけた
康太は迷う事なく…体育館へ向かった
体育館には…全校生徒が集まっていた
体育館の中に康太が姿を現すと、場内から
「お帰り!」の声がかかった
康太は誰か解らぬ声に「ただいま、」と返した
「少し寝込んだが、遅れを取り返すぜぇ!」
と気合いを入れ、体育館の中央へと向かった
すると、聡一郎が走って近寄って来て
「体は?大丈夫なんですか?
無理しないで…康太…今日は休んでなさい!」
と、心配して言う
慎一も心配して近寄って来る
「大丈夫なのですか?
今日一日休まれたとしても…誰も何も言いませんよ?」
と、心配して言葉を紡ぐ…
康太は二人の肩を叩き「大丈夫だ!」と、言った
「伊織と一生と貴史が…弥勒と龍騎の所へ連れて行ってくれ、体内の毒を抜いた!
後は、臓器の毒を毎日抜きに通院する…
心配かけたな…オレはもう大丈夫だ!」
慎一は…深く息を吐き出した…
「貴方に…何かあったら…」
慎一が…涙を堪え…言う
「安心しろ!大丈夫だ!
それより慎一、卒業証書授与式のリハーサルはしたのか?」
「はい!今、終わって出来映えを静流と話し合っていた所です!」
康太は、そうか…と呟き、清家に近寄った
「静流。悪かったな…遅くなった!」
康太がそう言うと…涙を溢れさせて…抱きついてきた
「あんな!顔色が悪い時位亭主に働かせとけば良いだろう!
お前が無理して…動くのを学園全員見たい訳ではない!
そう言う時は亭主を働かせろ!」
清家静流…人形の様に美しく…その容姿同様…人の心を持たぬ人形だった
遣りきれない想いを…残虐な…嗜好に変えて…発散し姿は…悪魔の様で…恐怖すら覚えた生徒は少なくない
その清家が…涙を流し号泣していた…
役ではなく…泣きじゃくってていた…
「すまねぇな静流…。」
優しく背中を撫でられ…清家は、生まれて始めて…人前で号泣した
兵藤が「明日、朝から通し稽古をするから、弁当を持ってこい!
持って来れねぇ奴は、弁当の予約を入れて、お金を払う…と、言うことにする!
で、どうだ?」と提案する
慎一は宣言祭の時に弁当の注文をしたから、名乗りをあげた
「ならば、俺がやります!
お茶を着けて、一人800円徴収して…予約してきます!
明日の昼には、予約表を見て、弁当を配ります!」
慎一が言うと、康太は
「聡一郎、PCから生徒名簿を出して、チェックを手伝ってやれ!」と、聡一郎に指示を出した
聡一郎は鞄からPCを、出して名簿を立ち上げ…チェックをする
生徒は…ほぼ全員、その後ろに並び、予約とお金を渡した
「伊織、オレ等も弁当を予約してお金を払っといてくれ」
康太が頼むと榊原は、お金を支払い予約入れた
それが、終わると…少しだけリハーサルの予定を見て、解散となった
榊原は、康太を主治医の病院へと、連れて行く為に駐車場へと向かった
康太を助手席に乗せ、車を走らせると、康太はスマホを取り出し、戸浪へ電話を入れた
「あ、若旦那、昨日はわざわざ病院まで来て下さり、有り難う御座いました!」
『病状は…どうなんですか?』
戸浪は心配そうに…話しかけてきた
「弥勒と龍騎が…解毒をしてくれたので、何とか一命は取り止めました。
我が伴侶や一生、貴史の協力もあり…早死には避けられそうです!」
『そうですか…本当に良かった…これから食事でもどうですか?』
「少し遅くなりますが、それで良ければ!
これから、解毒をしに行きますので、終わったら連絡を入れます」
『待っています!』
戸浪は…康太の声を聞き…安堵して電話を切った
「伊織…若旦那に逢う…。
お前…龍の眼で…現れたろ?
瑛兄も、若旦那も何も言わねぇが…何か勘づいてるかもな…」
「あ!…そうでした…。
緊急でしたから…眼は…中々…戻り難いのです…。
まぁ、あの二人なら他言はしないでしょ?」
「しねぇけどな…。」
「康太、そんな事より体調はどうですか?
痛かったり苦しかったりしませんか?」
「大丈夫だぜ!
オレの蒼い龍が…助けてくれたからな…。」
「康太…」
「伊織…あのさ…」
「何ですか?」
「お前のお尻…の、少し下に…噛み跡が…着いていた…。風馬が?」
「…………やはり……着いてましたか…
お尻は…見えませんからね…!
僕の尻尾に噛みついたんですからね!
あのバカ馬!」
榊原は……かなりご立腹だった
「オレは二度と…魔界には戻らぬつもりで…天馬を眠らせた…。
お前の霊峰で…眠りに着かせた…
風馬は…契りし馬だからな…待ち続けたんだろうな…悪い事したな…。」
「僕は…風馬を…そのままにして行きましたからね…。
黒龍辺りが育ててくれたのかな?」
「閻魔だ…風馬は…閻魔に育てられてる…」
「え?嘘…何であの方が…?」
「オレと…人へと堕ちた龍を…憐れんで…育てたみてぇだな…」
「…閻魔に…返してくれとは言えませんね…
と、言う事は…新しい馬を見付けねばなりませんね」
「伊織…風馬は…主と決めたら…主は一人
天馬もそうだ!
お前が還れば、風馬は還ってくるさ…」
「そうですか。
ならば、風馬も夫婦で飼うしか有りませんね…」
康太は残念そうに呟く榊原に笑った
主治医の病院の駐車場に着くと、康太は車を降りた
榊原も車を降り…院内に入っていった
少し顔色の良い顔になった康太を見て、主治医は安堵していた
榊原が、結界を張って体内の毒素は抜きました…
でも臓器に染み込んだ毒素は抜けないので解毒をお願いします…と頼み込んだ
康太は、軽い検査をされて…結果が出るまで、解毒を続ける事にして、結果が出たら治療方針を決める…と言う事にした
点滴を射って…飲み薬を出してもらい…この日は帰ることになった
治療は、月曜から金曜まで毎日…通う事となった
総て終わって車に乗り込むと、午後3時は回っていた
康太は戸浪の電話を入れた
「若旦那、お待たせしました!」
と、言うと、主治医の病院の近くにいます…と告げられた
主治医の病院の近くのシェラトンホテルにいますから、と言われ
康太はシェラトンへ向かった
車寄せに車を停め、keyを渡してホテルの中へ入っていくと、榊原が、フロントへ聞きに行った
フロントに連絡が来ていて、康太と榊原は…戸浪のいる部屋に案内された
ドアをノックすると、戸浪海里がドアを開けた
康太は部屋の中へ入ると、戸浪に挨拶をした
「若旦那、心配させたな…」
「いえ…お元気な顔を見られて…良かったです」
「飛鳥井の…悪習が…こんなに早く体を蝕むとは思いもしなかったので…死にかけました」
「本当に大丈夫なのですか?」
「大丈夫です。
それはそうと…若旦那、昨日…伊織の瞳を…見ましたよね?」
康太に言われ…戸浪は押し黙った…
「オレは…人に落ちる前は…神だった…
炎帝と言う…神だった…
そして、伊織は…四神と四龍の両方に名を連ねる…青龍…だった
……………なんて話をしたら…信じますか?」
「信じるよ…。
君は嘘はつかない!
その君が言うのであれば、それは真実だと、私は思います!」
戸浪は言い切った
「オレは…魂の選別…と言うのが…出来なかった…。
この魂は助けられるが…この魂は…駄目だと選別するのが…出来なくて…
総て昇華してしまい…総てを《 無 》にしてしまったんで、人へと堕とされた…。
伊織は…人の世に堕とされるオレと共に…堕ちてくれた……愛するオレの蒼い龍です
それから、幾度も転生しました…
そして、幾度目かの転生で…飛鳥井に根を下ろし…転生し続けた…そして、今世、飛鳥井康太…として、生涯を終える…
オレの転生は…それで終わりです…
魔界へ来世は還ります…。」
「青龍…そうか…それで、黄金の眼をしていたのか…!
こんな、大切な話を…私がお聞きして宜しいのですか?」
「構いませんよ…。
信じるも信じないも…貴方次第ですから…」
「私は信じていますよ…
戸浪は…貴方には見えてるでしょうが…
元々は…海神と…人の落とし子供が始まりですから…。
戸浪は…怒ると…眼に…それが出ます…
ですから、伊織も…そうなのかと想いました…。青龍…ですか!」
康太は、優しく微笑んだ
「万里は…もろ…それが出る子供ですね…
って言うか…万里は先祖帰りしてますから、海神の血は強い…《 わだつみ 》の血が…濃く出てる…
彼はその血の由来をまだ知らない…
悩ませるなら…話してやらねぇとな」
戸浪は…康太に頭を下げた
「駄目な父親で…まだ、話せません…」
「ならば、折を見て話してやろう!」
「すみません。
しかし…伊織の瞳は…美しかったですね…」
「その全身は…結晶の如く美しい
鱗の一枚さえも輝き…総てが美しいんですよ…オレの蒼い龍は…」
康太は、うっとりと、話をした
戸浪は…それを優しい顔をして見ていた
そして、ディナーを部屋に運ばせ…
弾んだ会話に…美味しい料理を食し、2時間と少しの時間を過ごした
戸浪と別れて康太は、会社へ行ってくれと頼んだ
「瑛兄にも話をして…清四郎さんの所へも行く!
あやふやにしとけば…疑問は残る…残れば…疑心暗鬼の目で見られる!
それは避けたい…総て話し…相手の判断に任せた方が良い…!
オレはな伊織…誰にもお前をそんな瞳で見させたくはねぇんだよ!」
「康太…」
「オレは怪異の目で見られ続けた…
そんな瞳を伊織に向けさせたくはねぇんだ!」
「別に僕は構いませんよ?」
「お前が構わなくても…オレは構う!」
「なら、康太の好きにすれば良いですよ」
榊原は優しく康太の手を握った
そして、飛鳥井の地下駐車場へと行くと、車を停めた
最上階へ行くエレベーターを待っていると、後ろから声をかけられた
「康太、ひょっとして私に逢いに上へ行きますか?」
振り返ると…瑛太だった
「瑛兄!どうしたんだよ?
体調でも悪いのかよ?」
康太は駆け寄り…瑛太のスーツを掴んだ
「お前が気になって家に帰ろうかなと…思ってたんですよ?
たまには定時で帰宅も良いかと…」
瑛太は…バツの悪い顔をした
「瑛兄、話せる所へオレ等を連れて行け!」
「車は?どうしますか?」
「帰る時に会社に下ろしてくれれば良い」
有無を言わせぬ康太の言い方に…瑛太は折れるしかなかった
「ならば、会社の側のリッチモンドホテルで構いませんね。車に乗りなさい」
瑛太はベンツの後部座席のドアを開けた
康太と榊原は…後部座席に乗り込んだ
瑛太は会社の側のホテルの駐車場へ車を停めると、ホテルの中へ入っていった
康太と榊原を、待たせてフロントに行き部屋を取った
瑛太は慣れた感じで…案内もなしに…部屋へと向かう
部屋の鍵を開けると、瑛太は部屋の中へと入った
スーツの上着を脱ぐと…瑛太はソファーに座った
「話って?ひょっとして伊織の金色になった瞳の事ですか?」
「そうだ!」
「普段ならないないなら、私は気にしませんよ!」
「………でも、気にしねぇと言いつつも……
何故金色になったのか…怪異の瞳で見られるなら…ハッキリ言っといた方が良い!!」
「なら、聞きましょう!どうぞ!」
「見ての通り…伊織は人外の者だからだよ!」
康太は、言った
瑛太は予想していて…驚きもしなかった
人に堕ちて…の下りから…何かあるとは思っていた
「オレは…人に堕ちて…って言ったよな?」
「はい。言ってましたね…」
「オレは…人になる前…が在った
そして、伊織は…その時に…オレと人の世に堕ちてくれた…愛するオレの…」
「人に落ちられる前は…?
何だったのですか?
尋ねても宜しいか?」
「どっちのを聞きたい?
オレと伊織は…種族が違う……」
「でしたら、お二人のを……」
「オレも伊織も…神と呼ばれし存在だった
オレは…浄化を司る神…炎帝
伊織は…四神と四龍の2つに名を連ねる…青龍…」
「青龍…龍の瞳でしたか…。」
瑛太は納得した
「どうせ、弥勒辺りが…伊織を挑発したのでしょう?
伊織は康太が絡むと…見境がなくなる…
普段出ぬのなら…構わないじゃないですか!
お前は私の大切な弟、そして伊織はその伴侶
何も変わりませんよ?そうでしょ?
バカですね…私が…軽蔑するとでも想いましたか?」
康太は……頷いた
瑛太は康太を優しく抱き締めた
「お前が選んだ伴侶を軽蔑したり怪異の瞳で見たりはしません!
伊織は、お前が絡まなければ…理性を崩す事もない!
もし…目撃したとしても…黙ってれば良い
文句を言うなら、私が排除してやります!
だから、お前も伊織も悩まなくて良い!
お前達二人は私の大切な弟だ!
私は命を懸けてお前達二人を守ると決めた!
その心は揺らがない!
まぁ伊織が狼男と言われれば、あぁ成る程…と笑えるのですが…青龍では笑えませんね…。」
しれっと言われ榊原は「義兄さん…」と、情けなく呼び掛けた
「伊織、私はお前が龍だろうが…神だろうが…構いません!
今、私の目の前にいるのは榊原伊織!
そして、私の弟の飛鳥井康太!
前は関係ありません!
今、君達は私の弟だ!
違いますか?」
康太も榊原も頷いた
「なら、軽いランチを取って…榊原の家に行きなさい!
心配してましたからね!
それはそうと、康太の体は?
どうなんですか!」
「伊織と一生と貴史が魔界に行って、歪んだバランスを軌道修正して来てくれ、弥勒と龍騎が結界を張って解毒してくれたからな…あらかたの毒素は抜けた!
後は内臓に染み込んだ毒素を抜いて行けば、多少の早死には避けられると言ってたな」
康太がそう言うと…瑛太は…疑問をぶつけてみた
「康太、伊織が青龍ならば、一生と貴史は?
何かあるのですか?」
「…………聞きたい?」
「…………出来れば…」
「一生は四龍の一人赤龍で、貴史は四神の一人朱雀だ…。
まぁ今は人で…緑川一生で、兵藤貴史…だけどな。」
「私も…榊原一葉の生まれ変わりだと言われますからね…
世の中…理解を越える事もあると言う事で終わらせます!」
「だな!それで良い!
オレ等は変わらねぇ!
これからも、飛鳥井の家の為だけに在る!」
瑛太と軽いランチを取って、会社の地下駐車場まで送ってもらうと…康太と榊原は後部座席から、降りた
瑛太は笑って「では、行ってらっしゃい!」と言い送り出してくれた
榊原の家に車で向かう
榊原の家の前で車を停めると、榊原は呼び鈴を押した
真矢が出ると、榊原は車で来てる事を告げた
玄関の前に停めたままでも構わないと言われ…榊原は解錠して貰った門を開けた
康太と共に榊原の家に入っていく
玄関のドアを開けると、真矢が出迎えてくれた
「伊織、今日辺り来ると父さんが言ってたから待ってたんですよ」
と、告げられ…榊原は、眉を顰めた
応接間に通されると…清四郎も真矢も笙も揃って座っていた
「昨日の伊織の姿の事で…おみえになりましたか?」
清四郎は、単刀直入に聞いた
「それもある。
そして、病状の報告もしとかねばならないので来ました。」
「ならば!お聞きしよう!
我が息子、伊織の瞳が金色だった訳を…お聞かせ下さい!」
「オレは此処に来た時、何度も人に堕ちる前…と、言いましたね?」
「はい。聞きました。」
「オレも伊織も…人に堕ちる前があった…
と、言うのが…真実です」
「人に堕ちる前があった…と言う事は…
前は…何だったのか…お聞きしても構わないですか?」
「伊織は、四神、四龍に名を連ねる…青龍です!」
「貴方は?貴方も龍なのですか?」
「オレは、浄化を司る神…炎帝!」
「…………神で…在られたか…」
清四郎は、呟いた
「本来なら…青龍は、人に堕ちる事はなかった…。
追放されたのはオレ一人…青龍は、共に人の世に堕ちてくれた…伴侶です…」
「貴方は何故…人の世に…?」
「オレは浄化を司る神…炎帝だった
だが…この魂は救えても…あの魂は救わなくて良い…と言う事が嫌だった…
だから、オレは昇華の焔で…総てを無にしてしまった
無にすると言うのは…人の世の輪廻を断ち切る行為になり…人の世のバランスが取れなくなる…。よって大罪をおかし…人の世に追放された…。」
「その時に…青龍も?」
「そうです。青龍はその身を投げ出して…人の世に共に堕ちてくれました。
青龍がいてくれたから…人へと堕ちた…屈辱を…乗り越えられた…」
「二人は…神と呼ばれた時からの…恋人なのですか?」
清四郎に聞かれ…康太は押し黙った…
そして……その瞳にみるみるうちに涙を溢れさせた…
「……これは……奇跡なんだ…」
「え?奇跡??……」
涙を流す康太をみれば…何も言えなくなってしまう
何か悪い事を言ったのかと、清四郎は慌てた
変わりに…榊原が口を開いた
「不実な青龍には、名ばかりですが妻がいたんですよ…。
そして、互いの気持ちを確認したのは…炎帝が人に堕ちる前でしたからね…
恋人同士なのか…と、聞かれれば…答えに窮します…」
「それでも…青龍は、愛していたから人の世に堕ちたのでしょ?」
「そうです!
愛する者は…今までもこれからも、未来永劫、唯一人!ですからね!」
「そうですか…青龍ですか。
私は龍じゃないかと言い、笙は絶対に狼男だと言い、賭けをしたんですよ!
狼男なら、あの性欲は納得行く!!と笙は言ってたんですけどね…青龍とは…笑えないですね…」
清四郎が謂うと榊原は嫌な顔をして
「………それ、瑛太さんも言ってました…」とボヤいた
「血は繋がってるので似るんでしょ?
笙、狼男ではなかったので…君の奢りです!」
清四郎がそう言うと笙は、残念そうに肩を竦めた
笙は「伊織、康太、今夜は泊まって行きなさい!
これから、デリバリ奢ります!
お前の部屋も在るのに一度も泊まりに来ないんですからね、たまには泊まって行きなさい!」
「兄さん…」
「康太、体調はどうですか?」
康太は榊原にしがみついて…顔をあげた
「…昨日よりは良い…」
ボソッと…呟いた
「なら、好きなのを取ってあげます」
笙は、楽しそうにデリバリのメニューを取り出した
「兄さん…今夜は帰ります…」
「えっ!何で?遠慮なんてしなくても良いんだよ?」
「康太が…そう言うの気にします…
寝るなら…寝室は別に…して下さいね」
「何で?お前達は夫婦も同然でしょ?
なら、同じ部屋で寝れば良いでしょ?」
「………康太は、駄目なんです……」
「それって、榊原は、他人だから?」
「そう言うのとは違います…康太は…軽蔑されたり…怪異の瞳で見られ過ぎたんですね…
嫌われるのに…敏感なんですよ…」
「伊織…榊原の家族は誰も康太とお前を軽蔑なんてしない!」
「解ってますよ…康太も解ってます…
康太は…臆病な…子供なんです…
康太、慣れる為に今夜は泊まりますか?」
康太は…不安な瞳で見て……頷いた
「…伊織……触らないで…」
「触りませんよ…だから安心して…ね」
康太は…頷いた
真矢は…康太の怯えた瞳に…堪らず康太の横に行き…康太を抱き締めた
「伊織は康太のですよ!
夫婦仲良く…多少、伊織が触ったって大丈夫よ!
部屋にはドラム式の洗濯機も浴室もあるからね!心配しなくて良いのよ!
飛鳥井の家も…榊原の家も…康太と伊織の家なんですからね!」
「真弥さん…」
「怖がらなくて良いの
誰も貴方を変な目で見たりしないから!
飛鳥井の家同様、私は貴方と伊織を守ってあげます!
だから、怖がらないの…康太は…本当に臆病なハムスター並の子供になってしまうのね」
真矢は、康太の子供に戻ったような顔を見て…笑った
「だから、もっと泊まりに来てね
この家は康太の家でもあるんだからね!」
康太は頷いた
笙も康太の前に座り、康太の頬に手をあてた
「こんな悲しい顔しないの!
今夜は伊織は大人しく寝るでしょ?
今朝方、伊織は暴走したんでしょ?
だったら、安心だから、ねっ!」
と、笙は榊原を、揶揄しながら言った
「兄さん…何で知ってるんですか?」
「だって、その時まだ飛鳥井にいたもん!
父さんとお祖父様の所にいたもん!
一生と貴史が…部屋に連れ込んだら5時間は来ねぇな…とボヤいてました…
僕が5時間は…流石に無理でしょ?
と聞いたら、伊織なら…毎回5時間か6時間で、抜かずの7発は犯るのは、何時もだ…って言ってたからね…。
流石と5時間も犯った後だから…無理だろ?」
と、笙は問い掛けた
「まさか、康太が横にいれば…僕は常に臨戦態勢でいられます!
だから、触らないで…って康太は言ったんですよ…。」
「まだ犯る気なんですか!呆れます…」
「初めて康太を抱いた時は連日連夜…抜かずに朝まで…なんてざらでした」
真矢は「大丈夫ですよ!伊織の部屋は防音ですからね!」と、言った
康太は真っ赤な顔になり…榊原の胸に隠れた
真矢は「可愛いわ!なんて可愛いのかしら!」と、興奮していた
清四郎も笑って二人を見ていた
榊原は、康太を膝の上に抱き上げると…頬にキスした
「ハードルを越える為に、今夜、頑張って君を抱いてみます!」
榊原の宣言に…康太は涙目で、それは嫌だと訴えた
「大丈夫ですよ!
飛鳥井で初めて君を抱いた時だって…乗り越えられたハードルでしょ?」
「伊織…ズルい…」
「君の愛する男でしょ?
そしてこの家は君の愛する男の家族がいるんですよ!遠慮は禁物なんですよ!」
康太は…仕方なく…押し黙った
その夜、夜更けまで楽しく話に花を咲かせ…
康太と榊原はジュースを飲んで料理に舌鼓を打っていた
清四郎と真矢と笙はお酒を飲み、楽しそうに笑っていた
そして、康太が目を擦ると…榊原は部屋は何処ですか?と尋ねた
すると笙が、自分の部屋に行くついでに榊原の部屋を教えた
「康太、気にしないで!
此処は君達、夫婦の部屋なんですからね!おやすみ」と言い笙は部屋に帰っていった
榊原は貰った鍵で…部屋を開けた
部屋の電気を着けると…広々としたリビングに、テラスがあり…一番良い部屋が…榊原に当てられていた
そして、奥の部屋のドアを開けると…そこには、デカいキングサイズのダブルベッドが…あった
クローゼットには二人の服が用意してあるから…と言われた
クローゼットの扉を開けると、二人分の服が用意してあった
榊原は、康太を抱き上げると…ベッドへ運んだ
そして、ベッドに康太を放って、制服を脱ぎ出した
「伊織…冗談は…」
「僕は嘘や冗談は言いませんよ?」
ベッドの上を後ずさる…
榊原は、意図も簡単に…康太を引き寄せ…息も着かない…接吻をした
「ぁ…んっ…嫌…伊織…許して…」
「この先も…泊まれと言われますよ?
そのたびに僕はお預けですか?」
「ゃ…触らないでぇ…」
康太の制服のボタンを外し…露になった乳首を吸った…
舐めて…舌で転がすと…康太は首をふった
ズボンの中に手を差し込むと…そこは勃起していた
「まだ、朝の情事で柔らかいかな?」
ズボンを下着ごと脱がし…穴を探ると…
そこは…柔らかく…蠢いていた
「僕はゴムは持ってません!
中出し…しますよ?」
「……うん…ゴムは…嫌だ…」
康太の体に…愛撫の雨を降らせる…
首筋にも…堪らず…吸った…
全身に…愛撫を降らせ…柔らかな穴を掻き交ぜると…康太は鳴いた…
此処が…榊原の実家だと…解っていても…
体に火が着き…榊原を欲する…
「ぁん…イイ…もう…挿れてぇ…」
「欲しいなら君が挿れなさい」
榊原は寝そべると…康太を跨がせた
「君の下のお口が…我慢出来ずに…動いてますよ?」
康太は自らの穴を左右に開き…榊原の肉棒を食べ始めた
「あぁ…イイ…傘が…開いてる…伊織の…硬い…」
「良いでしょ?
感じなさい…此処が何処だなんて…気にしなくて良い…」
「ぁん…はぁん…すご……」
榊原は、康太の中を突き続けた…
そして、同時にイクと……康太は意識を手放した
流石と…朝も…夜もは…病み上がりにはキツい
榊原は、康太の中から抜くと…康太を抱き上げ…浴室へと向かった
浴槽に湯を貯め…その中に康太と一緒に入ると…康太を抱き締め…穴の中へ指を挿れた
「アァッ…熱い…お湯が入る…」
康太が魘された様に言うと…榊原は肉棒を突き立てた
穴の中にお湯と一緒に…榊原の肉棒も押し挿って来る
「ゃぁっ!伊織…だめ…あっ…やぁ…」
「愛してるよ…康太」
「ゃん…オレも…ぁん…愛してる…んっ…」
康太の脚が…湯船の湯を蹴る…
湯の中に…康太は射精した
榊原は、康太の中で…薄くなって来た精液を飛ばした
浴室で体を洗い…出ると、榊原はシーツを変え、ついでに制服のYシャツと下着を洗濯機に入れ乾燥までセットした
新しいシーツに変え…康太とベッドに入った
「伊織…酷い…」
康太は恨み言を少しだけ言った
「どうして?何時かは…泊まらないといけないでしょ?
ならずっと僕はお預けですか?」
「違うけど…まだ恥ずかしい…」
「気にしなくて良いんですよ」
榊原が、康太を胸に抱く…
康太は榊原の匂いを…嗅いで…瞼を閉じた…
力強い腕が康太を抱き締める…
康太は、眠りへと落ちた
榊原も眠りに落ち…優しい夜の帳が…二人を包んだ…
朝、まだ康太が寝ている時から…榊原は静かに起きて動いていた
部屋の掃除に…洗濯機の洗濯物をアイロンをかけ、整頓した
ベッドを覗くと康太が起きていたから、制服を着せ…支度をする
そして、リビングに座らせておいて、部屋の外の廊下の掃除をする
笙が起きてきて「康太は?」と尋ねた
「リビングに座ってます」
と言うと、笙は部屋の中に入り、ソファーに座っている康太を抱き上げた
「笙…歩ける…」
「キッチンまで連れていくから大人しくね!」
と、楽しげに呟き笙は、キッチンに康太を連れていった
笙の腕の中で大人しく抱っこされている康太を見て、真矢は微笑んだ
「笙が連れて来たのですか?」
「たまにはね。
僕は康太の様に抱っこして歩ける弟が欲しかったですからね。」
「笙!ぁ…」
真矢は慌てて止めようとしたが、遅かった
「スミマセンね兄さん…こんな可愛いげのない弟で…」
「お前も可愛いよ!
最近の伊織は余裕がない…。
見ていて助けてやりたくなる!」
笙が楽しそうに呟いてると、清四郎がキッチンにやって来て、康太を笙の手から奪った
「康太、体調はどうですか?」
「……大丈夫…」
清四郎は、康太の首筋を見て笑った
「伊織に着けられましたか?
首筋…吸われてますよ?」
清四郎に言われ、康太は真っ赤になった
「本当に康太は可愛いですね!
瑛太が溺愛するのが解りますね!」
清四郎は笑って、康太を椅子に座らせた
その時、榊原の胸ポケットの携帯が鳴った
見てみると、康太のスマホの方だった
着信は一生からだった
「一生ですか?
昨夜は飛鳥井に帰っていません!
メール見ましたか?」
『おう!見た。
お前達はそのまま、学校に行くのか?
貴史が来てるから聞いとかねぇとな』
「このまま学校に行きます!
向こうで逢いましょう!」
一生は了解と言い電話を切った
榊原も通話を切ると…着信が一件残っていた
見ると…神野からだった
「康太、神野から着信がありました」
スマホを渡すと…康太はそれを見ただけで、手には取らなかった
「伊織、神野には病院が終わったら事務所の方へ行くと伝えておいてくれ!」
解りました…と言い榊原は、神野に電話してその旨を伝えた
そして、電話が終わると胸ポケットに2台しまった
笙は「その携帯は康太のか?」と尋ねた
「そうですよ!
こっちのKのキーホルダーが着いてるのが康太。
そして、Iのキーホルダーが着いてるのが僕です!」
「どうして二台も持ってる訳…
伊織って恋人の携帯まで…束縛するタイプ?」
言われ康太は爆笑した
康太は笑うだけで説明はしないから…榊原は説明した
「康太はスマホよりPCとかタブレットを駆使するので、携帯は持ち歩いてくれないんですよ…。
でも、掛かってきますからね…持ち歩いてるんです!」
「伊織、弁当代払っておいてくれた?」
「払っておきましたよ!」
榊原が答えると、笙が
「ひょっとして、お金も持ちたがらないの?」と、尋ねた
「康太は財布が嫌いなんですよ…。
裸でお金を入れるので…落とすんですよ…
後、康太に現金を持たすとゲームに消えますからね…」
「ケチ…。」康太はべーっとした
笙は「あんましケチだと、嫌われるぞ」と
進言した
笙は「康太、ケチな弟に変わって、兄がゲームを買ってあけます!
ねっ!今度好きなのを買ってあげますから買いに行きましょうね」
と甘やかし…誘惑を投げ掛ける…
清四郎も「ゲーム位なら…買ってあげますよ!私が!
どうして伊織は康太に意地悪するんですか!」と甘い人間が増殖する
榊原は、嫌な顔をした
「康太を甘やかさないで下さいね!
時々…瑛太さんに泣き付いて買わせてるんですからね!」
康太は舌をベーッと出した
「瑛太さんは甘いんですよ!
瑛兄欲しいよぉ…って泣きつけば買えないものでない限り買いますからね!」と榊原はボヤいた
「僕も買えるものなら康太に買ってあげますよ!
今度からは僕にも甘えなさい!」と笙が誘惑する
「私も買えるものなら買ってあげますよ!」と清四郎も言う
「あら、私だって買えるものなら買ってあげますよ!
欲しいものならCMに出れるのなら出て…もらってあげても良いし!
康太、これからは甘えてくれて良いのよ!」と真矢まで…乗ってくる
康太は笑って有り難う御座います…と言い席を立った
「伊織、今日は仕上げだ!行くぞ!」
康太の顔付きが…違っていた
康太は……こうして生きてきたのだ…
自分を奮い立たせて…踏ん張って…立っている…
それを支えているのは…榊原伊織なのだ
榊原は、支度をすると、康太を促し…榊原の家を出た
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