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第78話 卒業式

泣いて… 笑っても… これで高校生活は… 最後となる… 悔いのない日々を… ありがとう! 卒業証書授与式 卒業式第一部が終わると、生徒はそれぞれ昼食を取りに行った 康太は榊原や兵藤、清家、一生達や前期生徒会 執行部の役員、そして神楽四季と一緒に、桜林の屋上で昼食を食べていた 神楽が「卒業されたら…淋しくなります…」と呟いた 「四季、生徒は毎年やって来るぜ! そのうち、オレ等よりもすげぇ奴が来るかもな!」 「無理でしょ? 一人が凄くても…調和がなければ…成り立ちません…。 飛鳥井悠太では…役不足です…悪いですけど…」 「オレはアイツの保護者だからな、アイツの卒業式にも、入学式にも来るぜ! そのうちオレの子供が…入学する…待ってろよ」 「待ちますよ…。でも……淋しくて…」 神楽は泣き出した… 前期生徒会役員も執行部の役員も…鼻を啜り…泣いていた 「午後からは…オレ等の作る最大の見せ場だからな…気を抜くなよ!」 康太が言うと全員が「はい!」と返事をした 康太は立ち上がって…校庭を見渡した 「オレ等の道は出来たのか? …軌跡は遺せたのか?」 「遺せたでしょ?」 と榊原は、康太に言った 兵藤が康太の胸を叩いて 「遺らねぇ道はねぇ! 違うか?康太? 俺等の後には…道は出来て逝くんだよ!」 兵藤は、果てを視て…言葉にした 康太も遥か遠くを見ていた その横に…榊原が立ち…遠くを見ていた そして、兵藤も康太の横に立ち…同じ様に遠くを見ていた 「オレ等の終着点は…果てしねぇな…」 康太が…果てを見て言う 「君は…駆けて行けば良いですよ…着いて行きますから…」 榊原は、康太を見て……言った 「止まれねぇ…歩みを止めたら…道は途絶える…! 行こうぜ!康太!何処までも行こうぜ!」 兵藤は、この日が……スタートだと、心に決めた 「さてと、第二部があるかんな、行くとするか!」 康太が言うと…全員が立ち上がった 『 卒業式 第二部が始まります 在校生は体育館に集合して下さい 来賓の方は来賓席にご参列願います』 放送が入ると…在校生は体育館に集合した 卒業生が集まると、卒業生の手に、小さな花束を配られた 卒業式は、その花束を持って、体育館に入ると、入り口の所へ集合した 康太は司会の為、壇上へと行っていた 榊原は、ピアノ演奏の為に壇上にいた 兵藤、清家、一生達に前期役員も壇上にいた 榊原のピアノが体育館に響き渡る 康太がマイクを握り「卒業生入場」と告げると卒業生が拍手で迎えられた 康太は卒業生が着席すると、来賓に話しかけた 「今年の卒業式は、我等の手で作りし卒業式です! 例年の堅苦しい慣例は取っ払い、皆で話し合い、皆で作った卒業式です! 在校生の皆様…惜しみない協力を、有り難う御座いました」と一礼した 「我等卒業生は、在校生…来賓の皆様に… 日々の気持ちを込めて…卒業生全員で…気持ちを伝える…送る言葉を…伝えたいと想います」 康太が合図すると… 兵藤が壇上から 「我等卒業生は、今日、桜林学園を巣立って行きます!」と叫んだ 卒業生が一人づつ立ち上がり…その後を続けて…言葉を紡ぐ 榊原のピアノが、栄光の架け橋を弾く… 静まり返った体育館に…一人一人の想いが…紡がれ…吐き出されて行く… 生徒全員が想いを口にした 一通り喋ると…康太の番になった 「オレは…この学園で過ごした日々を忘れねぇ! 楽しくて…遣りたい事は、まだまだ尽くしてはいねぇけど! オレは…前へと進む…為に今日この学園を巣立って行く!」 康太の声が体育館に響き渡った 榊原が後を紡ぐ 「学園生活に悔いはなし! 僕達は、この学園に置き土産をしました! その置き土産を…越えてみなさい! 僕達の…道など越えて行きなさい!」 と、紡ぎ…兵藤へと渡す 「俺の道の前には道はねぇ 俺等の道の後に道は出来る! 我等がのこした道だ 飛鳥井康太が遺した言葉だ! 俺等を越えて行け! 俺等は絶対じゃねぇ! だがな!ちょっとやそっとじゃ越せねぇ軌跡を残してやった! 一人じゃ遺せねぇけど!皆で協力すればこそ成し遂げられた日々を俺は忘れねぇ! だけど俺等は…此処へは留まれねぇ! 進むから道は出来る! 進まねぇと道は出来ねぇんだよ! 卒業生の皆、悔いの残らぬ人生を送れ! 在校生の皆、悔いの残らぬ日々を送れ!」 兵藤は、マイクも使わず…その声を体育館に響き渡らせた 生徒も…来賓も…その迫力に…言葉を失った 康太はプログラムを進めて行く 『在校生…お別れの言葉!』 本当は送られたくない だが在校生の声も聞かねばならない 卒業生の想いだった 桜林は、高等部の在校生代表と、中等部生徒会からの在校生送辞もあった だから、朝から…悠太と葛西は高等部に来ていたのだった そのお別れの言葉を受け取る為に、壇上に康太達や兵藤、清家、前期役員も並んだ 在校生代表 現生徒会長の藤森が立った 「卒業生の皆様、ご卒業おめでとう御座います! あなた方は鉄壁な追い越すのも苦難な道を作られた… 少し恨み言を言わせて下さい! あなた方の後では…その存在感は…薄すぎて…生徒会長の顔なんて覚えてもらえません! 3年になったら僕は、絶対に生徒会長なんてやりません! やってられるか! あなた方が絶対過ぎて、追い越せません! あなた方が先輩で…本当に……… 良かったです! 有り難う御座いました! 卒業おめでとうございます!」 藤森は…康太達に…深々と頭を下げてから…場内に頭を下げた その瞳は涙な溢れ‥‥十分に印象的だった 「中等部、代表からのお別れの言葉」 康太が読み上げると…葛西と悠太が壇上へと、上がって行く 壇上に上がると一礼して、場内に向いて一礼した そして、送辞の紙を投げ出すと二人で読み上げた 「我等中等部の生徒からも…心より、ご卒業おめでとう御座いますと申し上げます あなた方高等部とは、合同祭、宣言祭と、多くの催し物に…参加させて戴きました あなた方と送った日々は忘れません… あなた方が卒業なさった後に…我等は…入学します あなた方の遺された軌跡は…決して忘れません… 兵藤会長…康太さん…先輩方… 僕達は…貴方のいない学園に…入学します… 貴方がたの遺された軌跡は大きい…… 俺達は後を辿って行くのは大変です… ですが何時か……先輩方を超えて逝きたいと想っています」 葛西が涙を堪えて想いを口にする 「先輩方…貴方を越えるのは…至難の技です ですが…俺は…貴方の遺した、この学園を…支えて行ける存在に必ずなります!」 悠太も泣いていた… 康太は「中等部、超えられねぇ道なんてねぇんだよ! お前らの道を逝け!」と笑って言葉を送ってやった 「卒業生 答辞」 と司会を榊原に変わると、壇上の演台に神楽四季が立った 「卒業生答辞!」 兵藤貴史と飛鳥井康太が、理事長の前に立ち一礼をした 兵藤貴史が紙を早々に理事長へ渡し、答辞の紙を読み上げずに…喋った 兵藤 「我等、修学館 桜林学園卒業生は、今日の良き日に卒業を迎える事が出来ました 来賓の皆様、在校生の皆様…本当に…有り難う御座いました!」 康太 「今日、オレ等はこれから、学園を巣立って行きます! 上に進学する奴も、外部に入学する奴も…いる 皆…まちまちの道を…辿る…事となる!」 兵藤 「道は別れても、我等は1つ! 誇り高き桜林学園の心を忘れるな! 此処で学んだ…楽しかった日々を忘れるな!」 康太「と、まぁ形式ばった答辞は、此処までだ! 読みてぇなら、その紙に書いてあっから、じっくりと読めば良い! オレ等が、そんな形式ばった答辞なんて読むかよ!なぁ貴史!」 兵藤「あたりめぇじゃねぇかよ! ちゃんとした答辞が聞きてぇなら、来年期待しな!」 康太「オレ等は…オレ等で作った卒業式をすんだぜ! そして、オレ等の言葉で…お前等へ送る答辞だ!」 兵藤「そう!お前等に送る、俺達の答辞となる! 俺等の言葉で言わなきゃな、誰もが送る卒業式になっちまう!」 康太「楽しかったぜ!皆! 桜林で過ごした日々は、オレの宝だ! 輝かしい…日々は過ぎるのが早ぇーな! もう卒業式だ!」 兵藤「俺も楽しかったぜ! まだまだ居座りてぇ気持ちはある! この場所にいてぇ気持ちばかりだ! だが、俺達は今日、卒業式を迎えた! 今日、この日が…俺等のスタートだ! 終わりなんかじゃねぇぜ!」 康太「失敗しても良いじゃねぇかよ! 悔いのない日々を送れ!」 兵藤「迷うなら…やり遂げろ! 絶対に後悔しねぇ日々を送れ!」 康太「悲しい時、辛い時、忘れないでくれ! 乗り越えられねぇ…壁はねぇって事を!」 兵藤「どんなに辛くても…朝は来る! 朝は必ずやって来る…明けねぇ夜はねぇんだぜ!」 康太「この先、何処へ進もうとも…我等は誇りを持て!」 兵藤「この桜林の生徒の誇り持って前へ進め!」 康太「オレ等は追い出されるのは性には合わねぇ!」 兵藤「卒業生の皆もそうだろ?」 康太「ならば!いざ進まん!」 兵藤「我等の道を突き進もうぜ!」 康太「扉を開けろ~!」 康太が叫んだ! 出入り口の扉が開けられた 兵藤「卒業生、立ちやがれ!行くぜぇ!」 すると、卒業生が一斉に起立した 康太「在校生の皆様… 我等卒業生は、追い出されたくはねぇ! やはりそれは貫かなきゃな男が廃る!」 兵藤「って事で…今回も追い出される前に出ていってやるよ!」 康太「卒業生、在校生に挨拶しろ!」 兵藤「日頃の気持ちを込めて、花束を投げやがれ!」 卒業生が一斉に…持っていた花束を…手にした 康太「卒業生、行くぞ!」 兵藤「俺等の卒業式を見せてやれ!」 兵藤が叫ぶと、卒業生は花束を…一斉に空へと放り投げた そして康太は壇上から飛び下り走り出した その後に…兵藤や榊原、一生達が続き 卒業生が、一斉に…体育館を出て…グランドへ駆け出した 卒業生の消えた場所には…花束が…残っていた 在校生は…その花束を…拾いに行った どれが…あの先輩のかは…解らないが… 卒業生の遺した…それは花束だった 藤森が…校歌をピアノで演奏する 在校生は…言われる訳ではないのに…歌い始めた やはり、誇り高き桜林学園の歌で送りたいから! 校歌を弾き終わると、藤森は立ち上がり卒業式の終わりを告げた 「これで、卒業式の総てのスケジュールを終わります! 在校生は…残って片付けをして下さい! 来賓の方は…校庭に出て記念撮影をして下さい! 本日は桜林学園 高等部 卒業式に御参列誠に有り難う御座いました!」 藤森の、終わりを告げる言葉を聞いても… 在校生は…涙を拭い…泣いていた… 来賓からは、割れんばかりの拍手が送られた 卒業生は、校庭に出て…卒業記念作品を全員で持って、正面玄関へと向かった 正面玄関への壁に…皆で寄せ書きした…オブジェを掲げる 寄せ書きの中央にはデカい字で 「オレの前には道はねぇ オレの後には道は出来る! その道を越えて行きやがれ! by 飛鳥井康太」 と書かれていた その横に…兵藤貴史が少し小さく 「失敗しても立ち止まるな 失敗したならやり直せ! 失敗するより後悔するな! 悔いのない日々を送れ! by 兵藤貴史 」と書いていた 「高校生活に悔いはなし! 完全燃焼しきるまで走り続けて道を作った この道は君達が繋いで行きなさい! by 榊原 伊織」 「やはり、大切なのは友である 共に走り、共に戦ってくれる友である 一緒に走り続ける友は大切にしろ! by 清家静流 」 「我等 四悪童…此処に在り… 最後に笑って皆と共に過ごした日々は宝となる! by 緑川 一生」 「我等四悪童…共に在り… 輝かしき日々は…友がいたからこそ味わえた by 四宮 聡一郎 」 「淋しいのだ…卒業したくはないのだ… 皆と…この場所にずっといたいのだ… でも、それは無理だからオレ様は進む! by 一条 隼人 」 「少しの間でしたが…共に戦い走って来れた日々は忘れません!有り難う御座いました! by 緑川慎一 」 その下に…3年生全員が言葉を連ね…書かれたオブジェを石碑にし掲げる 来賓席にいた瑛太は 「やはり…羨ましいな…」と言葉にした こんな、型破りな卒業式…遣りたいと思っても… 学園が絶対に許さないと想っていた 瑛太の横にいる笙も 「本当に…悔しい…我が弟は…幸せ者だと…羨ましくて仕方がない…」と呟いた 瑛太の後ろにいる神野は 「瑛太、こんな卒業式見たら…来年は…大変だなって思うな…」 と飛鳥井の五男が入学する事を…思う 「この時代に…こんな奴等が揃うなら…負けても仕方がないでしょ? 彼等は絶対の信頼の上に成り立ってる… 彼等は…康太が死ねと言えば…全員が喜んで死ぬ奴等ばかりですからね…勝てないでしょ?」 神野は…苦笑した…そして、瑛太の肩を叩いた 清四郎は…真矢と笙に… 「私は…施設の出でしたが…高校に入る年に、この学園の亡くなられた理事の方に援助を受け…桜林に通っていました 理事は、中学を出て働く私に言いました お前の未来は…こうして終わる気か?…って 私は言いました…終わりたくはない!…と。 そしたら、学園に来いと誘われました 学園の寮に入り、勉強をするようになれました 理事の方は、私に言ったのです 見返りもなく…施しはしないよ?と。 私は…何をされるのか戦々恐々でしたが、彼は言いました 名の有る役者になりたいのなら…なりなさい それが私に返してくれる見返りだ…と。 そして、お前の子供を…自分の力で桜林に通わせろ…と。 それが恩返しなると…言われました… 私は…卒業式のたびに思い出します… その日の事を…」と想いを語った 真矢は「伊織の子も…桜林に通いますわ そのうち、笙の子も…桜林に入れます そうして繋がって…行くのですね…」と言葉にした 理事長の神楽四季が清四郎の前に立った 「我が父は…その昔…九曜海路と言う…力持ちでした! 神楽海路となっても、その力を駆使して学園を造り上げた… その父の目には…今日の貴方の姿が…映っていたんですね… 貴方が見事、稀代の役者になって還る事は…見えていたのです… 貴方が…父の遺した布石でしたか… その布石…息子へと受け継がれ…後へと続く… 父は…確かなモノを私にやると言ってくれました… 受け継がれし…確かな存在を…と。 貴方でしたか…。 榊原伊織が父…榊原清四郎…貴方が…父の遺した軌跡です!」 神楽四季は清四郎に深々と頭を下げると… 「来賓の皆様、卒業生と記念写真を撮影の為 校庭へと出てください! 体育館は、卒業生の謝恩会の場となります」 と来賓に告げると…来賓は、立ち上がり…校庭へと場所を移した 清四郎は、神楽四季に深々と頭を下げ…校庭へと出ていった 校庭には…卒業生だけじゃなく、高等部在校生も、中等部の生徒まで来ていた 康太や兵藤達の回りには…人だかりが出来ていた 康太はその真ん中で笑っていた とても、眩しい…笑顔だった 進藤が…康太の前に立ち、深々と頭を下げた 「私にとって最後の卒業生が…貴方達で…本当に…感無量です!」と言葉を贈った 「進藤、お前の行く道は修羅へと続く… 情けをかければ…甘えて、厳しくし過ぎれば…その後には誰も着いて行かなくなる… お前の匙加減だ…勉強して行け」 進藤は「はい!肝に命じておきます!」と言葉にして、姿勢を正した 「卒業生、整列しなさい! 記念写真を撮ります!皆の希望通り、一枚は卒業生全員で! もう一枚はクラスごとに撮ります! その後、父兄の方を交えて写真を撮ります 合計三枚の写真を撮ります! 並びなさい!在校達は下がりなさい!」 と、進藤が号令をかけると、在校生は…後ろへ下がった カメラマンが朝礼台の上からカメラを構えると、卒業生が…ポーズを決める 康太は…ニカッと笑い、親指を立ててカメラを睨み付けた 兵藤は、康太と肩を組んで…親指を立てて笑った 榊原は康太の横で…優しく笑い 清家は兵藤の横で…同じ様に親指を立てた 一生も聡一郎も隼人も慎一も、康太の斜め後ろで…カメラを見詰め笑っていた 康太と兵藤の後ろは…誰も並ばす…空いていた 「はい!撮りますよ!」と声がかかると 康太と兵藤は跳び跳ねた このシーンを撮りたい為に……二人は…後ろを空けさせたのだ 物凄いフラッシュがたかれ…その中に…今枝浩二の姿もあった 次はクラスごとの写真になり、榊原は兵藤と並んで写真を撮った 「はい!撮りますよ!」と声がかかると 兵藤は、榊原と清家と肩を組んだ そして、全員で肩を組んで…写真を撮った 康太達は親指を立てた…ニカッと笑顔で… 写真を撮った そして、父兄との写真は…生徒の後ろに…父兄が立ち…写真を撮った C組の父兄が多過ぎて…かなり苦労した やはり……飛鳥井家の総出は…多過ぎた… 記念写真を総て取り終えて、謝恩会となる 父兄も交えての謝恩会は、今年は…学校の体育館で行われる 毎年…ホテルを貸し切ってやるのだが、今年は学園内で終わらせる、と決め進めた 業者に頼んで…料理も運ばせた 体育館の中に…良い臭いを撒き散らし、謝恩会は行われた 生徒達もテーブルを囲み…話に花を咲かせた 父兄達も…この日ばかりは…御近づきになりたい企業の人間に話しかけ、ちょっとした社交界の場となる! 榊 清四郎は最近は主婦層にも人気があった そんな清四郎よりも、主婦に人気となるのは、北城真矢…今は改名して榊原真矢は、若々しく…主婦の憧れの存在だった そして、飛鳥井建設社長、飛鳥井瑛太…彼の企業家としての戦略手腕は群を抜いていて、話しかけようとする人間が耐えなかった そんな大人の思惑とは別に、卒業生は最後の時を過ごす… 二時間少しの謝恩会は…楽しく会話が弾み…過ごされた 時間を押し迫って来た時に…兵藤と康太が…壇上に立った その後ろに…何時ものメンバーが立った… 康太は…兵藤の胸を拳で軽く叩いた 「今日は我等卒業生の為に…忙しい中お越し下さり有り難う御座いました! 我等桜林学園 高等部の式が総て滞りなく終われたのも、来賓、卒業生のお掛けです どうも、有り難う御座いました!」 と、康太は…言い…頭を下げた 「また、何時の日か、同窓会で逢おう! 例え…何処へ行こうとも…我等桜林学園の生徒は繋がって行く! 今日は本当に…有り難う御座いました! 来賓の皆様 卒業生の皆、卒業おめでとうございます! 後少しで…謝恩会は終わります! 本当に有り難う御座いました!」 兵藤も深々と頭を下げた 榊原が「これで、桜林学園 卒業生の謝恩会を終わります! 今日は本当に…来賓の方々お疲れ様でした! 気をつけてお帰り下さい」と終わりを告げた 最後は…全員で桜林の校歌を歌い…謝恩会は幕を閉じた 来賓の方々や、卒業生は帰し…康太達は後片付けをした だが、殆どが残って…後片付けを手伝い… あっと言う間の2時半の謝恩会は終わった 総てを片付けて、康太は…理事長の神楽四季に、深々と礼をした 兵藤も、榊原も清家も…一生達も…理事長に礼を尽くし…倣った 「また、遊びに来なさい! 私は…何時でも待っています!」 と神楽四季は康太を抱き締めた 康太は…離れると…背を向け片手をあげた 卒業式も謝恩会も終わると外は暗かった 時計を見ると午後6時少し前だった 春と言ってもまだ肌寒く…康太は…身を震わせた 「康太、この後、どうするよ?」 「二次会に行くとするか? 卒業式の後と言ったら、二次会に行くしかねぇべ!」と康太が言うと… 兵藤は嫌な顔をした 「夜通し…アニソンは…勘弁だな…」 「んな事言うな!さぁ、行くぞ!」 康太は、意気揚々とカラオケ屋に向かう! 榊原は、逃げようとする兵藤を捕まえ 清家や一生を引き連れ…カラオケ屋に向かう そして、途中で…藤森を拾い、現生徒会の数名を…引き連れ…カラオケへ向かった カラオケ屋の一番大きな部屋に入り…熱唱する… 何度も乾杯して…そのうち康太達がいるのを嗅ぎ付けた卒業生で、満員になり… ほぼ貸し切り状態になり、騒ぎまくった 午後9時まで騒ぎ…帰宅に着くことにした 名残惜しく…清家や藤森と別れ 康太達は兵藤と一緒に帰る 兵藤の家の前まで来ると…兵藤は康太を抱き締めた… 「本当に…良い…卒業式だった お前がいたから…作れた…卒業式だ!」 康太は兵藤の背中を撫で… 「オレ等は…終われねぇぜ! 卒業式は節目だ…道は続く…これで終われねぇぜ!」 「解ってるよ! でもな…重い制服を脱いだ日位…センチにならせろ!」 「またな!貴史。 お前は明日から取り敢えず飛鳥井で仕事しろ!ならな!」 「えー!聞いてねぇぞ!」 「その頭脳で…やって欲しい仕事があんだよ!なら明日な!」 「おめぇは人使いが荒すぎやしねぇかよ!」 「日々 是 勉強…精進しろよ!」 「うるせぇよ!俺は精進してんだよ!」 康太は笑って兵藤を離すと歩き出した 兵藤は、その背中に…「またな!」と声をかけた 康太は振り向かず…片手をあげた 飛鳥井の家に帰ると、榊原の家族や神野達が来ていた 康太は応接間に顔を出し…お礼を言った 清四郎は二人に「良い卒業式でしたよ!卒業おめでとう。」と言葉をかけた 真矢も「本当に良い卒業式でしたね 羨ましいな位に…。 私は…家族と疎遠なままの伊織だったら… 卒業式には出なかったでしょうね…。 きっと家族は今も…バラバラだったわ バラバラだった家族を1つに纏めあげてくれたのが康太で良かった…。 本当におめでとう」と感謝の言葉を述べた 笙も「ったく、高校生活最後の最後まで憎い演出するんだもんなぁ…。 羨ましくて仕方がないよ。 卒業おめでとう。 伊織は副社長になるんだろ? 大変になるけど…怠らない様にな…」とボヤきつつ労りの言葉をかけた 康太は深々と頭を下げ 「本当にありがとうございます! 仲間がいればこそ、成し遂げられた事です! オレ一人や…バラバラでは…成し遂げられなかった……。 学園の生徒一人一人が、自分の手で造り上げた卒業式なんです! それを見てもらえて嬉しかったです」 榊原も両親や飛鳥井の家族に深々と頭を下げた 「校内の至る所にあったリボンは在校生も卒業生も関係なく着けたリボンです。 皆の想いが…重なり1つに繋がり卒業式を造り上げた… その中の先頭を行く一人に連なって、卒業式が出来たのは、僕の誇りとなりました! そんな卒業式を、飛鳥井の家族や榊原の家族に見てもらえて本当に良かったです」 とペコリとまた頭を下げた 瑛太が「やはり、お前達の卒業式は、羨ましくて…当時に戻りたい位に…羨ましい… 晟雅…私は…もっと型破りな卒業式をしたかった…」と呟いた 「瑛兄…酔ってる?」 康太が聞くと…神野が… 「かなり、飲んだな… 何時もは酔わないのに…酔ってるかも…」とボヤいた… 康太達の前に…玲香と真矢からプレゼントが置かれた 全員形が違った綺麗なリボンの着いた箱を置かれた 「あんだよ?」 康太が問い掛けると「開けてみなさい」と言われた 康太は、包装紙を破き箱を開けると…腕時計だった 「これは?かなり高そうやん…オレが着けたら壊れる…」と情けない声で…榊原を見た 榊原が着けてるROLEXと良く似ている時計だった でもそれより、細くて薄くて小さかった 玲香は「それは真矢さんからだ」と告げた 「真矢さん…」 康太が呟くと…真矢は康太の腕に時計をしてあげた 「伊織の時計のメーカーのレディース向けの時計だけど… 康太には紳士物は似合わないものね…」と苦笑して着けてやり…頬にキスした 「有り難う御座います」 康太が礼を言うと真矢は清四郎の横に戻った 榊原が包装紙を綺麗に破き…中を見ると… 「万年筆?」と呟いた 玲香が笑って「その万年筆は、飛鳥井の清隆も瑛太も持っている! 伊織も持たねばな!」と言葉を贈った 榊原は「有り難う御座います」と礼を言い…その万年筆を抱き締めた 一生も包装紙を破き中を見た 「…………発売前の…PCですか…凄すぎる!」と叫んだ 笙が笑って「それは僕から!君は康太の策士だから、頭脳をプレゼント」と嬉しそうに話した 「有り難う御座います! すげぇな…凄すぎる!」とPC触った 聡一郎も包装紙を破き中を見ると… 「凄すぎる! 僕も…一生とは違う…最新のPCですか…」 と感激していた 瑛太が「君達はPCを酷使するので…家族で手分けしてプレゼントを渡すと言うことになった時に… 私が聡一郎の担当になりました…。 まさか…笙もPCを贈るとは思わなかったので…被りました…」とボヤいた 聡一郎は、そのPCを抱き締め…泣いた 「僕には卒業も祝ってくれる…身内もいないので…嬉しいです……」と泣いて…喜んだ 隼人も包装紙を破き中を見た そこには…七つの石をあしらった…腕時計があった 隼人は…それを見て…泣いた… 「奈々子…だから七つの石をあしらった…時計なのだ… 奈々子の誕生石と…オレ様の誕生石と、音弥の誕生石 そして康太、一生、聡一郎…伊織の…石が入ってる… そして慎一の石は…バンドの中に埋め込んである… 皆の想いが詰まった…時計だ…」 隼人は…その腕時計を抱き締めて…泣いた… 清隆は「まさか、真矢さん…貴女も腕時計を康太に贈るとは思わなかったので…被りました…。」と少しだけ拗ねた 慎一も目の前のプレゼントの包装紙を綺麗に破いた 「え!僕には…分不相応です……」 慎一の…プレゼントが一番大きかった… 「そんな事はない! 私のプレゼントは受け取れないと申すか!」と京香が目を据えて睨んだ 慎一の手の中には…ヴェルサーチのスーツが…あった 「一生に採寸させて作らせたのだ…内緒で作るのは至難技じゃ… 一生、強力ありがとな」と京香は嬉しそうに笑った そして、源右衛門から康太に…贈られたのは… 「じぃちゃん…これは…受け取れねぇよ…」 銀行の隠し金庫の鍵だった… 源右衛門の資産が…総てその中にあった 「わしは、玲香と京香に月々…小遣いをもらっておる…。 年金もあるしな、それで、わしは足りとる… 資産は運用せんとな…回らんわい!」 と豪快に笑った 玲香は「義父様…内緒だと申したではないか…」とボヤいた 清隆は「父に小遣いを…あげているのですか? 私には…一円も小遣いをくれないのに…父にはあげているのですか?」と嘆いた 「そなたには…給料があるではないか…」 玲香は……弱って…言い募る 「ならば、私の給料は、貴女が管理して小遣いをくれれば良かったのに…」 玲香は…清隆を慰め…苦笑していた 瑛太も「京香も源右衛門に小遣いをあげていたのですね…私にはくれないのに…」と拗ねた 「………私は…そんなにあげれる程…給料がない。 でも欲しいなら…やるぞ! 愛する瑛太の望むようにしてやる!」 と少しノロケて言った 「そうか…私の給料も京香が管理すれば良いんですよ」 「それは無理だ…康太にねだられたら、お金が足りないなんて…なりたくないだろ?」 「それは嫌です!康太が欲しいものなら…買えるものなら…買ってやりたい…それには…お金は…必要です…。 ならば、私がお前に小遣いをあげましょう! 何か、妻に小遣いあげるって…卑猥な感じですね…」 「瑛太…」 「お前が…源右衛門を大切にしてくれて…私は…嬉しいです。」 瑛太は妻に礼を言った 京香は少し照れて…はにかんだ 幸せな…飛鳥井の家族の姿が…そこにあった 清四郎や真矢も笑い…過ごしていた こうして夜が更け…榊原の家族も、神野と小鳥遊も帰っていった 自室に戻り…制服を脱いだ… ハンガーに掛けられる制服を…康太は名残惜しそうに…見た パンツ一枚の姿で…しみじみと 「もう…制服姿の…伊織は見られねぇんだな…」 と康太が淋しげに呟いた 榊原は康太を後ろから抱き締めて 「ご所望なら、時々…着てあげますよ?」 「……嫌…それは良い…この制服を着ている時のお前じゃねぇのに…それは良い…」 「例え制服を脱いでも…僕は…君と共に在ります… ずっと…この先も…この命が尽きる瞬間まで…一緒です…」 「この命…尽きても…お前は…オレの側にいる……」 「いますよ…ずっと君の側に…います! 君のいる場所は…僕達の居場所なんですから…」 榊原は、康太を前に向かせて…抱き締めた そして顔をあげさせ…息も着かない…接吻をした 互いの舌を絡め合い…貪り…味わった… 康太の膝が…カクンッと崩れる瞬間… 榊原の腕が…康太を支え…抱き上げた ベッドに康太を押し倒し…重なり合い… 確かめるような接吻をした 「ぁ…んっ…ん…」 康太の唇からは…悩ましい声が漏れる 榊原の指が、康太の体を…確かめるように這った 康太の指も…抱いた榊原の背中からお尻にかけて…確かめるように…這った 隙間もなく…抱き合う体が…熱を孕む… パンツだけ履いた股間が…シミを作り…濡れて行く 「伊織…パンツ脱がせて…」 「……まだ、君が足りません…待って…」 口腔を味わう榊原は、康太を離さなかった… 「あん…ねがい…熱い…」 暑がりな康太は…うっすら汗で体を濡らしていた 榊原は唇を離さすと…康太のパンツを脱がせた 脱がせ…勃起した性器に…口吻けた… 「ぁん…ダメぇ…イッちゃう…」 叫ぶ康太のペニスの根本を…ネクタイで縛った 「ひど…ゃぁ…伊織…助けてぇ…」 「まだ、解してもいないのに…一人でイク気ですか?」 「違っ…あっ…あっ…イキたい…」 「まだ…待って…」 榊原が、康太の脚を開き…慎ましく閉じている襞に触れると…康太の体は…跳ねた 指を挿し込み…ローションを垂らして…解して行く それと同時に…愛撫の手も休めない… 内腿に吸い付き…跡を着け…陰嚢の裏を舐めた 睾丸も弄び…転がすと…縛ってある康太の…性器からは愛液が…流れていた 「絞まりのない口ですね…」 亀頭の頭の口を…カリッと齧ると…康太は…仰け反った 「苦しい…伊織…助けてぇ…」 苦しめているのは榊原なのに…助けを求めるのも…榊原にだった 榊原は苦笑して…康太の…穴を開いた… 皺もなく…伸びる…そこに…榊原は肉棒を…挿入した 「康太…僕も…余裕ありません… イキなさい…僕も…イキます…」 挿入して、腰を強く打ち付け…グラインドさせ、康太の…根本を縛ったネクタイを外した… すると…康太の…性器は、精子を噴き上げた 「ぁ…ぁぁ…ぁ……」 ドックン…ドックン…と脈打つたびに… 康太の…性器は…精液を流し続け… 康太の…体内の…榊原も…脈打つたびに…血管を膨張させ…康太の体内で…震えた 康太の…精液が…榊原の顔にかかっていた… 「康太、君のは…良く飛びますね…」 顔の精液を拭い…榊原は舐めた… 康太に見せ付ける様に……その手を舐めた… 「伊織…ダメ…ゃあ…また来る…また…」 体内の…榊原が復活し…傘を開かせ…ドクドク脈を打っていた… 傘が開き切ると…榊原の性器は…完全な亀頭を…唸らせ…康太の腸壁を掻き回す… 康太の前立腺を亀頭のイボイボで引っ掛かれると…康太は…鳴いた… 榊原の傘は…立派すぎて…血管が浮き出ると…グロテスク過ぎる…卑猥な…性器に姿を変える… その肉棒を愛して止まない…康太の腸壁が絡み付き…蠢き…煽動して…育てる… 「あぁ…愛して…る…伊織…あん…」 康太の体が…ピクピク痙攣する… 腸壁も痙攣し…榊原を、刺激する 「あ…っ…康太…僕も…愛してます…」 榊原も快感で…声が震えていた 榊原は感じている事を隠さない 感じていたら…気持ちが良い…と声をあげた 「康太…僕の…ぁぁ…康太…イキそうです」 「オレも…イク…伊織…あぁぁっ…!」 康太は…榊原の腹に…射精した… 榊原は、康太の腸壁に射精し、震えた 二人は…時間が許す限り…求め合い…愛し合った

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