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ああ、俺のか。 俺は人事部の手際の良い仕事に改めて感心する。 「笹川君と、それに、東海林課長の……」 え、課長にも、辞令? 「僕の?」 課長も訝しんだ表情で舞浜さんの顔を見つめ返した。 俺と東海林課長と舞浜さんは、急いで実験室に戻った。そして舞浜さんが操るパソコン画面を背後から覗き込む。 イントラネット上の人事部の掲示板には俺の異動に関する辞令が載せられていた。 そして次のページにもう一枚。 それは、東海林課長に解雇を告げる辞令だった。 「これ……、どうして突然、課長が解雇だなんて……」 舞浜さんが怯えたように声を震わせ、課長の様子を伺い見る。 東海林課長は青ざめた顔で、息を詰まらせ、ただその画面をじっと見つめていた。 「あ……!」 俺は思わず呻きそうになり口を覆った。 ドクンドクンドクンドクン…… 鼓動の音が煩いほど耳の中で鳴り喚いている。胃に刺し込むような痛みが走った。 東海林課長の解雇! 俺のせいだ……! 俺の最終報告書が、この結果を招いたんだ! 「……っ」 しかし、先ほどの課長の言葉が蘇ってくる。 『僕、イワオさんの元へは行かなかったんだ』 胸に様々な感情が押し寄せてきた。ギュッと拳を握り締める。 くそっ! 「俺、本社行ってきますっ!」 俺はそう叫ぶと、パソコンの前から踵を返して走り出した。 「ちょっと、笹川君!?」 舞浜さんの驚いた声が背中を追いかけてくる。 けれど俺は立ち止まらず、青ざめた課長を残したまま、実験室を飛び出していた。

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