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秋4

熱くて硬いものがじわりと下から割り入ってきて、僕は思わず上ずった声を上げた。 「ん……、優さん、すげぇ、気持ちいいっす……」 笹川君は僕の耳元で、快感に浸った息を大きく吐いた。その感じ入った低い声音は、僕の官能をより刺激する。 「ぼ、僕も……っ、気持ちい……っ」 潤んだ襞を太くて硬い熱に埋められ、あまりの充足感に気が遠くなりそうだった。感嘆の声を漏らしながら、僕も笹川君の律動に合わせて腰を揺らした。笹川君の首に縋る手のひらが汗ばんでくる。 「優さん、……どこが、気持ちいい、ですか?」 荒い吐息の合間に囁かれた問いに、僕は唇の端から唾液が零れ落ちるのも厭わず、淫らな願いを口にする。 「奥……もっと……、あ、笹川君、もっと奥まで……っ!」 その途端、笹川君が大きく腰を引いたかと思うと一気に突き上げてきた。 「ああっんっ!」 笹川君でいっぱいになった身体が嬉しさに悲鳴を上げる。 「くそっ、俺、もうイきそうっす……、もっと優さんを感じてたいのに……っ」 「ぼ、僕も……っ」 喘ぎながら言うと、僕の顔を見下ろした笹川君が頬を緩めた。 「ああ、優さん、やらしくて、すげー可愛い……」 笹川君の舌が僕の唇を割って口腔に入り込んできた。深く絡み合った舌先同士が、ねっとりとした音を立てる。 「ああ、ん……っ、あ」 笹川君の煙草の香りが鼻孔をくすぐる。 僕の中を笹川君の熱い杭が掻き回し、快楽の果てへと押しやる。 目尻からは快感に滲んだ涙が零れ落ちた。笹川君は歯を食い縛って腰の動きを加速させる。 「くっ、出る……っ、優さん……!」 笹川君は僕を抱く腕にギュッと力を籠めると、数度大きく腰を打ちつけ、熱を解放した。注ぎ込まれる飛沫に僕はブルリと身震いをする。 「あ、ん……っ、笹川、君……っ!」 その内からの刺激と、笹川君の腹に擦れる刺激で、僕の茎からも白蜜が迸った。 僕も笹川君も肩で荒い息を吐きながら、再びお互いを求めて唇を重ね合わせる。 「ん……、笹川……君、お誕生日、おめでとう……」 その唇の隙間から改めて笹川君の誕生日を祝うと、笹川君は眩しそうに目を細めた。 「ありがとう……、ございます」 そして僕の目蓋にキスを落とすと、力いっぱいに僕の身体を抱き締めてくれた。

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