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第7話

水の音がする。 ピチャピチャと。 ああ、蛇口をちゃんと閉めてなかったのかな。 起きなきゃ… 僕はふと目が覚めて、天井を見上げた。 いつもと違う天井にぼんやりと記憶を蘇らせて。 そういえばコーイチの部屋だったと思った瞬間。 「…?」 自分の手が、自由にならない事に気づいた。 頭の横で縛られているのだ。 思わず起き上がろうとして視線をずらして僕は愕然(がくぜん)とする。 全裸になっている僕の股間辺りにコーイチの頭が見えて、コーイチは僕のソレをしゃぶっていたのだ。 夢現で聞こえた水の音は、蛇口じゃない。 しゃぶられている、この音だ。 「ちょ、コーイチ!!何してんだよ!!」 全裸でいる事、手を縛られている事 そしてコーイチがしゃぶられている事。 信じられなくて僕は叫んだ。 口を離し、コーイチは僕を見る。その目は:恍惚としている。 さっきカラオケ店で見た、あの瞳だ。 「お前まだ残ってたのか」 ニヤリと笑うコーイチ。 「単純だねえ、柏木は。少し優しくされたら身を(ゆだ)ねるなんて」 「な…!」 コーイチは僕の身体を長い指で触る。 「言ったじゃん。男同士のセックス、気持ちいいらしいよって」 長い指は乳首をさすって僕は思わず声を出す。 「や、やめ…」 「まだ最後までヤッてないよね。自分だけイっちゃって」 もう片方の手で下腹部を撫でる。 そしてまたソコに口を当てる。 「柏木(おまえ)だって、まんざらじゃない様だし」 下から先端までをペロリと舐める。 「…ッ」 さっきの快楽を思い出して背中がゾクリとした。 僕も望んでいたのかもしれない。 この疼きをどうにかして欲しいと。 コーイチの指が僕の中をかき混ぜる。 グチュグチュという音で更に止まらなくなる。 「やァッ、あっ、あ…」 「そろそろ、入れる、ぞ」 それだけ言うと、コーイチは容赦なく僕の中にそれを入れ、突いてきた。 「んんんっ!あ、はアッ….」 痛みはすぐ快楽となり、指と比較にもならない程だ。 コーイチが動く度に声が止まらない。 「あ、ああッ、あ…!も…ッ」 「やべぇ、ッ、もう出る…!」 大きく突き上げ、コーイチと僕は絶頂を迎えたのだ。 それから。 もう何度イッただろうか。 どれだけ声を荒げただろうか。 「イク…ッ!」 どれだけ、コーイチの声を聞いただろうか。 柔軟剤が香る清潔そうなシーツはもう、ベトベトだ。 僕の手を縛っていた紐はいつの間にか取れていて、コーイチが僕の中で果てる度に、その身体にしがみついていた。 完全に、僕とコーイチは獣になっていた。 欲望のままに出して快楽を求めた。 もうとっくにクスリの効果なんて消えているのに。

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